僕は君が

ときめきの用例採集

宝塚月組公演ミュージカル・プレイ『カンパニー -努力、情熱、そして仲間たち-』

しばらく京都に滞在していたので、足を伸ばして数年ぶりに宝塚大劇場で宝塚を観てきた。ふと思い立った一週間前に、2/23公演A席を購入できてラッキー。やっぱり宝塚を観るならムラだ。『カンパニー -努力、情熱、そして仲間たち-』と『BADDY(バッディ)-悪党(ヤツ)は月からやって来る-』で記事を分けてネタバレあり感想を。東京公演はまだなので結末についてはふんわり程度に(多分)。結論から書くと『BADDY』にハートを撃ち抜かれて、東京公演のチケットを買いました!!!東京公演の一般発売が2/25でよかった……!久しぶりに一般発売頑張った!

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平日だからか学校行事として観に来てる小中学生も多くてロビーが混雑していた。統率の行き届いたチケット出しを眺めながら食したジェラートはこちら。濃厚でおいしい。

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この日の公演はたまたま他組ジェンヌさんも観劇。皆さん、おっそろしく姿勢がいい。客席に足を踏み入れた瞬間からもうオーラが違う。宝塚に詳しくなくてただただ圧倒されていた私に、お隣のひとが色々と教えてくれた。観劇したときのお隣さんが大体いい人で恵まれている。ジェンヌさんの愛称が通じない私たちに親切に画像まで見せて説明してくださってお隣さんにはほんと感謝しかない。テレレッレレーン!せしきの宝塚知識が5上がった!

 

2017年5月に新潮社から発行された伊吹有喜の小説『カンパニー』を舞台化。愛妻を亡くし生きる意欲を失った製薬会社の青年サラリーマン青柳誠二が、社の協賛公演を行うバレエ団への出向を命じられ、世界的プリンシパル高野悠が踊る冠公演「新解釈版・白鳥の湖」を成功に導くため、一癖も二癖もあるダンサーや業界人に翻弄されながらも、バレエ団のバレリーナ高崎美波との淡い恋や新しい仲間たちとの友情を支えに、様々な困難を乗り越え奮闘する姿を描くハートウォーミングな成長譚。努力・情熱・仲間たち(レッスン・パッション・カンパニー)をテーマとし、個性豊かな登場人物たちがそれぞれに懸命に生きる姿を、新感覚のバック・ステージ・ミュージカルとしてお届け致します。

 

月組公演 『カンパニー -努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)-』『BADDY(バッディ)-悪党(ヤツ)は月からやって来る-』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

『カンパニー』は日本を舞台にした現代劇。宝塚でこういう系統の舞台を観たのは初めて。これまではフランスやらロシアやらの革命ばかり目撃してきたから新鮮。『カンパニー』ではショーマストゴーオンだけでなく、スポンサーがいなくては成り立たないといったショービジネスの裏側を描いていて、宝塚でやってみせるのは面白い。ただ、ストーリーにあまり山場がなくて淡々と進んでいった感じ。仲間の分裂やショーの中断といった危機はいくつも押し寄せるものの、それを乗り越える場面が大して描かれていないような。カタルシスを得られるシーンがもう少しほしかった。わざと肩透かししてるのかと疑うほどに、そのシーン見せないんだ!?と思うこと多々。特にラストのバレエ公演!そこはせめて拝ませてもらえないですかね!?新解釈版・白鳥の湖で華麗にオデット代役を務める美波(愛希れいかさん)を観たかったなぁ。そういうシーンは一切ないままで後日談のパーティーが開かれたから、時空が歪んだのかと一瞬思ったよ……。
あ、カップリング乱立だったので、少女マンガのように観ているとかなり楽しめた。フラグが乱れ飛んでいた。最終的には3組のカップルがふんわりできたのかな。最終回直前のマンガみたいに全員くっつきすぎだろうというツッコミよりも、みんな幸せになってめでたしめでたし、と素直に喜べる。私の推しは、高野さん×ゆいゆいペア。この二人はまさに少女マンガすぎる絶妙な掛け合いで、高野さんかっこいい~~~ユイユイかわいい~~~!と盛り上がれた。


ナンバーは、有明製薬がっぺーい♪とバーバリアンのブレイクスルー!が耳に残る。社員勢揃いで慌てふためく有明製薬がっぺーい♪は、経緯がさっぱり分からないもののとりあえず大変な事態だということだけは伝わってくるナンバー。冒頭から合併されてしまう有明製薬。バーバリアンのブレイクスルー!はキンブレを振るより手拍子が合っている感じの曲調。ブレイクスルー!のところで拳を突き上げたくなる。バーバリアンの皆さまは初登場時、有明製薬社内に(若手)ジャニーズみ溢れる衣装で現れて歌ってくれる。アイドルもスポンサーさまへのサービスは欠かせないのか。小道具として壁に貼られているバーバリアンのポスターがアイドルっぽくてよい。あれはグッズ化すべきでは。現実世界のアイドルならきっとパスケースやクリアファイルになってるはず。あと強烈にすきだったのは、フラッシュモブ盆踊り(自分でも書いていて意味が分からない)での、アレンジの異なる白鳥の湖が爆音で次々に流れるところ。「フラッシュモブ」の概念が大分狂ってるんじゃないかな!?と戸惑うほどになかなかぶっ飛んでる盆踊りなのだけど、チームごとに入れ替わり立ち代わり踊りまくるのが最高に楽しい!これぞお祭り騒ぎ!「フラッシュモブ」の概念なんてしゃらくせぇ!フラッシュモブとは……という常識を捨てるしかない!


キャスト別感想。
珠城りょうさん。青柳誠二。月組トップ!奥さんを癌で亡くしたバツイチ男性で、所属する有明製薬からバレエ団に出向することになる役どころ。トップさんの役にしては地味めかもと最初は思ったけれど、縁の下の力持ち的な誠実さがきらりと光る。ウィーンまで高野さんを追いかけたときの、溜まるのはストレスとマイレージだけ発言みたいなコミカルシーンもすき。そもそも、あんなスマートなサラリーマンが地味なわけなかった!満員電車でリュックをそのまま背負っていても許されそう。日本のサラリーマンのフツウっぽさと、宝塚トップ役としてのかっこよさがほどよく調和している感じ。もはや使い古された感のある「月が綺麗ですね」も、浴衣姿の珠城さんが口にすれば嫌味がなくて素敵に聞こえる不思議。そういえば、この「月が綺麗ですね」のくだりは『BADDY』冒頭にも繋がっているのかな。


愛希れいかさん。高崎美波。今作『カンパニー』では正直あまり印象に残らなかったかも。その後のショー『BADDY』でのグッディ役が強烈に印象に残っているからとも言える。『カンパニー』はそれぞれの信念などが描かれているがゆえに群像劇にも見えるので、残念ながら美波がさほど目立っていなかった。バレエ団随一の実力を持つという設定ももう少し描いてほしい。青柳との恋愛面においても最初は健気路線だと思っていたけれど、亡くなった奥さんについて「幽霊」呼びをしたことで一気に、すごく勝気な感じに見えてしまった。しかも、奥さんの友人の紗良を前にして「幽霊」と言ってのけるってなかなかだ。美波のキャラがよく掴めない。コンビニ店員姿は可愛すぎて、あんなのレジが大渋滞起こしますよ……!コンビニの制服を着こなした素晴らしすぎるメガネっ娘で、メガネ属性ないけどあれはキュートの極み。宝塚公式サイトの人物相関図で拝めます。全員の顔写真載せてほしいな!

kageki.hankyu.co.jp


美弥るりかさん。高野悠。ウィーンのバレエ団で活躍している、エレガントな男性バレエダンサーの高野さん。匂い立つほどの色気。基本的にスーツ姿だけど、ロットバルトのド派手な感じもキライじゃない!あの毒々しいまでの衣装を着こなせる美弥さんはただ者じゃない。すごい。ただ、バレエ団他メンバーみたいにラフな練習着姿も拝みたかったというワガママ。珠城さん演じる青柳の腰を引いて踊りだすシーンはほんの少し耽美さが漂っていてよい。男性同士が絡む白鳥の湖を実際に観たくなった。高野さんとユイユイのカップルはものすっごく微笑ましくて、少女マンガかよ~~~とニヤニヤしてしまった。高野さんが初めてユイユイの名前を呼んだ後、彼女の七つ道具が入っているカバンを持ち上げた瞬間の「重っ」の一言、あの声のトーンが絶妙。「ヨーロッパは嫌か?」「ゆい」などの甘いトーンも最高オブ最高。ラストのパーティーでもいろいろとじゃれていて、メインカップルも見なきゃだけどこっちの二人も気になる!目が足りない!と頭を抱えた。


月城かなとさん。水上那由多。人気アイドルバーバリアンのメンバー・那由多君。つんつんした髪型で、こういうアイドルいるよねという説得力のあるかっこよさ。アイドルとして本気でバレエに打ち込む那由多君は好感度高し。自発的に深夜練習まで励むなんて推せる。だからこそ、社長令嬢である紗良への(根拠のない)ダメ出しのシーンが厳しくて、那由多たちバーバリアンのワガママでリフトを追加した上に本番で失敗しちゃうのか……と若干しょっぱい気持ちに。しかもその後、那由多君ってばトイレ個室に閉じこもるという逃げっぷり。これを微笑ましいと受け取るか、無責任と見なすか。でもその後挽回した那由多君は一回り成長できたはず!紗良とのカップルも許せる!そういえば、いつの間に美波さんとリフト練習していたんだろう。まさかのフラグか!と三角関係を勝手に想像していた。


宇月颯さん。阿久津仁。人気アイドルバーバリアンのリーダー・阿久津さん。自分のうちわを持ってるファンより、子どもとか男性に積極的にファンサしてくれそうなリーダー(イメージ)。身勝手だと分かりつつも那由多君にリフトをやらせたい阿久津さんの主張めっちゃ分かる……。元ドルオタとしては心底同意。アイドルが何か別のジャンルに進出した場合、分かりやすい華を取り入れないと大体叩かれる。そのジャンルならではの目立つ何かを。那由多君アンチを黙らせてやりたいという阿久津さんの主張、分かる分かるよ……!うちの那由多ならできるという信頼に溢れていて、メンバーにとっては頼れるリーダーだろうなと。若干チャラさがありつつも真摯にバーバリアンのことを考えているのがよい。でもまだ周囲に気を配れていなくて若さもあり。リーダー頑張れ!高野さんに窘められてるときもなかなかに偉そうで、態度は大事だぞリーダー!宇月颯さん素敵だなぁと思っていたらこの公演で退団だそうで。東京で観る時は『カンパニー』でも『BADDY』でももう少し宇月さんを追いかけたい。


海乃美月さん。瀬川由衣。体育会系で少々鈍そうな熱血女子トレーナーユイユイ。初めて目にした瞬間から、美しさにハートが撃ち抜かれた……!え、ものすごく綺麗な方では!??うわ~~~こういう美人さんもいるんだ~~~と惹き込まれた。ジャージ姿でも溢れ出る美!!!すらりとした美人さんタイプの娘役さんですき。月組でのご贔屓は海乃美月さんに決定かもしれない。愛称はくらげちゃんらしい(すぐwikiで調べるヲタク)。過去に挫折したからこそトレーナーとして新天地で頑張ろうとするユイユイという役どころそのものが推せる~~~!まさに努力と根性。その分、多少男勝りなのか、マイマイが妊娠したときに「てめぇが孕ませた張本人だろうが!」とマイマイの相手に食って掛かっていたのも印象的。宝塚でもこういうセリフあるんだな。高野さんとのほどよい匙加減の恋愛要素のおかげで、『カンパニー』を心底楽しめた。ユイユイはあらゆるシーンで高野さんを気に掛けてか視線を送っていて、そういう細かな演技を観ていると本当に目が足りない!


早乙女わかばさん。紗良お嬢様。早乙女わかばさん、かわいい!目が大きくてお人形さんのようだった。バレエシーンでの腕や脚のしなやかさに見惚れた。一つ一つの所作が美しい。新解釈版・白鳥の湖(プリマの影が薄い)を引退公演にされるのは気の毒すぎるので、紗良お嬢様が報われる展開を希望していたんだけどなぁ。気品に溢れてバレエへの誇りを持っている紗良お嬢様の(私にとっての)一番の見せ場は、終盤の那由多とのシーン。紗良お嬢様のバレエダンサーとしての気概が感じられて、『カンパニー』でうるっとくるとしたら私ならこのシーンかな。早乙女わかばさんもこの公演で退団だそうで残念。

 

東京公演でもう一度観る予定なので、もう少しだけカタルシスを感じられる演出になっていると嬉しい。カップリングで観ればものすごく楽しめるんだけどな!(何度でも言う)

 

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