僕は君が

ときめきの用例採集

劇団☆新感線『髑髏城の七人 season月 下弦の月』(1/24LV)

劇団☆新感線『髑髏城の七人 season月 下弦の月』の1/24マチネ公演ライブビューイング感想。下弦髑髏のネタバレだらけなのでご注意を。これまで書いてきた月髑髏関連の記事と下弦髑髏の感想はこちら。

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三度目の下弦髑髏。12/13、12/20以来なのでおよそ一ヶ月ぶり。前回より色々と変わっていてやっぱり舞台は変化していくなぁと。下弦髑髏では、兄貴分っぽさのある捨之介が一歩前を進んだ年長者として蘭兵衛・天魔王を窘める雰囲気が色濃くて、捨之介対二人という印象。8年前、上弦の捨天蘭は並び立っていた気がするけど、下弦の捨天蘭はその頃からすでに捨之介の方が一歩先を見ていたんじゃないか。そんな捨之介が一瞬にして死に向かっていく終盤には息を呑んだ。あれは凄まじい。宮野捨之介の感情の振り幅が激しくなっていた。
下弦髑髏のLVカメラワークはより一層テストを重ねたのかな、と思えた。鈴木天魔王の細かな表情を拝めたのが一番嬉しいかも。惜しむらくは、いん平が無界の里に来たときに全く蘭兵衛と極楽太夫が抜かれなかったことかな……!ものすごく個人的な残念ポイント。下弦の蘭兵衛と極楽太夫のいちゃいちゃがたいそう好きなんだ……。あのシーンでは毎回、蘭兵衛お前!どういうつもりで!とニヤニヤしつつイライラするという複雑な葛藤が自分の中で繰り広げられてる。花髑髏から取り入れ始めたこのLV、今後も新感線に根づくといいなぁ。千秋楽じゃなくて公演期間中盤のLVというのが推せる。


キャスト別感想。
宮野真守さん。捨之介。冒頭、「捨之介だ」の言い方からすでにカッコイイ~~~!福士捨之介とはまた違うベクトルのかっこよさの宮野捨之介はテンションが上がる。サイリウムとか振りたくなる。沸く。昂ぶる。無界の里を遠目に見たときのワァオって表情いいよね……!捨之介にスケベ要素があると懐かしくて嬉しくなる。しかも、女性と踊るときにそれまではただただ楽しげにしていたのに、不意に女性の腕を掴んで抱き寄せるあの雄らしさ何なの!カッコイイ!百人斬りの音楽が流れる直前の一瞬だけの真顔もずるい。内心はどうであれ笑顔を心がけてるっぽい宮野捨之介の真顔って実はレアでは???おまけにコミカルなシーンもお手の物で宮野捨之介はツッコミの間と声のトーンがいい。底のない桶を渡された兵庫へのツッコミ「違う違う違う」の冷め切った言い方、何度観ても笑える。手のサイズも大きいのかな、「小田切渡京」と言いながら一文字ずつ手を動かすあの場面もすごく見映えする。手足をフルに使った見せ方が三度目でも新鮮に綺麗。
みんなのアニキ感に溢れている宮野捨之介。特に対天魔王、蘭兵衛、霧丸。天魔王には、久しぶりに対面したあの場面でまず諭すような言い方をする。髑髏党を引き連れている天魔王相手にあんな気取らない声を出せるってどういうことなの。しかも天魔王が光秀をそそのかしたことも知っているのに!鎧を剥がしてもなお「秀吉にくだれ」の言い方に温情ありまくりで、捨之介の天魔王への感情に興味が尽きない。宮野捨之介、昔からかなり天魔王のこと気に掛けてきたのでは……。天魔王が落ちた後何度も「馬鹿野郎」と叫ぶ捨之介から一気に噴出する負のオーラが凄まじい。で、蘭兵衛にはもっとフランクにお兄ちゃんっぽい態度。「いい里を作った」と褒めるときに蘭兵衛の表情をニヤニヤ窺っていて、繊細な弟分をからかう兄貴分です完全に。おまけに頭ぽんぽんも健在!蘭兵衛の頭を撫でるなんてちょっとほんと、下弦髑髏はどうなってるんだ。こんな世界線もあったのか。一幕でここまで仲良しな二人を見せておいての蘭兵衛の「お前には分からぬよ」。斬りつけられて倒れこむ寸前の宮野捨之介が漏らす蘭兵衛への呼びかけで、ああ後戻りできないところまで来た……と無性に思った。あの引き裂かれたような声だけでも涙腺が刺激される。亡くなった蘭兵衛の元に跪いて目を閉じさせるのはこれまでと同じだったけれど、ここまで涙混じりだったっけ。最後に、霧丸。宮野捨之介は霧丸を守る意識がたいそう強い。出逢った当初から優しい。意識を失いかけの霧丸を触ったときも「怪我もしてるじゃねえかすまんすまん」と言うし、霧丸の正体を熊木衆だと明かしてしまう蘭兵衛に対して「おい!」と咎める。たしか両方、上弦ではなかったはず。こうしてずーっと霧丸のことをアニキ分のように守ってきた捨之介が、最後の最後に霧丸に救われるという構図がすき。素晴らしき逆転。一方で敵意・警戒心が剥き出しなのは対家康。狸穴への態度を見る限り、昔の縁を全然捨て切れていない気がする。「命救われちまったみてぇだな」の刺々しい響き!
今回の宮野捨之介で一番心が揺さぶられたのは、天魔王が落ちた後。歩み寄る気力もなく崩れ落ちた宮野捨之介の背中からぶわっと、死の気配が溢れ出した。身体を支えていた霧丸と兵庫を乱暴に振り払って、俺が食い止めると言い出したときの恐ろしさ。声も表情も仕草も、これまでの捨之介じゃなかった。このときの捨之介は完全に死に魅入られていた。蘭兵衛も天魔王も止めることができずに喪ったがゆえの破滅願望?このときこそ殿に食い殺されるところだったのでは。
贋鉄斎とのやり取りは相変わらず面白かった。マチネでは贋鉄斎の頭に刺さった刀が抜けなくなって、捨之介に刀を取ってくれるよう頼んでひと悶着。
贋鉄斎「ちょっと待て!頭皮が剥がれるかもしれん、いま頭皮を押さえる!」
捨之介「頭皮って!つーか、頭皮どころじゃないものまで取れそうだぞ!」
贋鉄斎「ここで時間かけてるとある人に怒られるぞ!」
捨之介「そうだ、今日は色々あるんだ」
この後無事に抜けた刀が結構曲がっていて、ウルトラマンみたいだな、シュワッチ!と贋鉄斎が楽しそうに刀を振ってた。これって宮野さんがウルトラマンを務めていたこともあるからのネタ振りなのかなぁ。
カーテンコール。蘭兵衛と極楽太夫が仲良く去るときの、ああいやだいやだってしかめ面がたまらぬ。宮野捨之介の表情って説得力がある。分かる分かるその反応~~~と喜んでしまう。最後の最後、はける間際の手の振り方とジャンプの跳躍力!カーテンコールの最後まで「捨之介」らしくて本当に拝みたくなる。

 

 

鈴木拡樹さん。天魔王。LVよありがとう……!鈴木天魔王、ここまで刻一刻と表情を変えていたとは……!目のギョロつきが半端ないし、眉もものすごく動く。口角の上げ方もそんなにパターンあるんだ!?角度によって表情が驚くほど違う。顔のパーツってここまで動かせるものだっけ。休憩中についつい自分の眉の可動域を探ってしまった。顔面全てを使っての演技をアップで拝めるなんて、これぞLVの醍醐味!安土城ではパンダっぽいお目めだったのが、8年後には赤っぽい色合いに変わる。8年後のメイクすき。赤メッシュの入った髪形がそつなく似合うのもすごい。
三度目でもまだまだ強烈に、「六欲天をご存知か」の言い方が好きだ~~~と昂ぶる。天魔の鎧に、膝から順に頭へ手を伸ばして縋りつく姿もやっぱりたまらない。鈴木天魔王からは随所に殿への敬愛(執着?)が感じられて、鳥髑髏と同じぐらい、殿と天魔王の関係についてあれこれ考えてしまう。鈴木天魔王も「森蘭丸」と呼びかけるとき、すごーく楽しそう。蘭兵衛を動揺させてこその天魔王。以前と言い方が違う!と特に感じたのは蘭兵衛に作戦を説明するときで、「ここが小田原城」のくだり、予備校講師みがあった。天魔王先生。
上弦髑髏と大きく違っていたのは、天魔王の感情の発露のタイミング。鈴木天魔王は「お前に一ついいことを教えてやろう」の辺りですでにこれまでの態度が崩れていて、今まで隠していた蘭兵衛への嫉妬と怒りが爆発した印象。とうとう蘭兵衛に許せない真実を話してやるぞといった雰囲気。早乙女天魔王は種明かしをして蘭兵衛を動揺させようとしたものの、当時の感情が鮮明に蘇って本音まで吐露してしまった感じ。鈴木天魔王では、ああ蘭兵衛のことをこれまで憎んできたんだなぁと強く強く感じた。「あのお方の天は私だけのものだ」のくだりでは場にそぐわないほど晴れやかな笑顔で宙を仰ぎ見ていて、天魔王はひたむきに殿しか追いかけていない。陶酔。ここで、少しだけ投げキッスっぽい仕草があったように見えたけどあれって勘違いかなぁ。宙に向かって軽く手を振っていて、あれ?投げキッス?と思ったけれど自信がない。捨之介たちが来たときに上弦ほど苛立ちは露わにしないけれど、蘭兵衛に庇われたときの反応がヤバイ。ヤバイ(語彙力)。あの動揺っぷりをスクリーンで拝めてよかった。鈴木天魔王は捨之介の刀が振り下ろされても手で庇わない。最期の辺りの上弦・下弦の違いが面白い。それぞれにどこかで演技の意図を語ってもらいたいなぁ。落ちる瞬間に天を仰ぎ見る鈴木天魔王、すき……。
生駒の日替わりネタ。「生駒、無理なの!地面に落ちても3秒以内ならセーフってルール都市伝説だからぁ!」だった。潔癖症生駒かわいい。かわいいといえば鈴木拡樹さん。天魔王とは思えないゆる~いツイートで、いつ見てもほんわかする。本当に憑依型の役者さんなんだなぁ。最近見た中で一番、キュンとしたツイートはこちら。

 

 

廣瀬智紀さん。無界屋蘭兵衛。これまで観てきた蘭兵衛で最も笑顔が多めだった気がするLV廣瀬蘭兵衛。一幕の廣瀬蘭兵衛がたいそう好みだったけれど、二幕も前に観たときより結構印象が変わっていて、うわ~~~二幕でもそこで笑っちゃうのか!と外道蘭兵衛に滾った。「この世の地獄、たっぷり味わうがいい」と天魔王が去り際に告げるくだりで、蘭兵衛が恐ろしいほどよい笑み!邪悪!以前より外道っぽさが増した気がする。殺陣もさらに速くなっていたんじゃないのかな。そういえば、月髑髏で一貫して疑問なのは、捨之介が「今度は間に合わせる」と蘭兵衛に言うシーン。特に廣瀬蘭兵衛はそれに対して大きな反応を示すのだけど、捨之介が本能寺に間に合わなかったという前提が大して取り上げられていない(鳥髑髏ほど凄惨な背景がない&捨之介本人に悔恨があまり見えない)から、捨蘭二人のこのテンションは何なのだろうと若干不思議。捨之介の後悔を私があんまり感じ取れていないだけか。
一幕はもう安定して、極楽太夫ときゃっきゃしていた。いん平登場のとき、太夫の両肩を持って安全地帯に移動させていたのが完全に保護者。ただ、いん平と兵庫のやり取りがメインなのでLVでは二人のいちゃいちゃはクローズアップされなくて血の涙。仕方ない、仕方ない……。でも隅に映る度に廣瀬蘭兵衛が笑顔を見せていて、もうこのまま無界の里主人で頑張ってくれよぉぉぉぉとどうしても思ってしまう。はあ、廣瀬蘭兵衛は罪深い……。廣瀬蘭兵衛の闇堕ちポイントはどこなのか。極楽太夫たちの「私たち戦うよ」の一言が蘭兵衛をさらに追い込んだのでは、と大スクリーンで廣瀬蘭兵衛の表情を眺めていて初めて感じた。どうすればいいか悩みに悩んでいる苦渋の表情。唯一大事にしている太夫たちの選択が「戦う」だからこそ、「今度は私の番だ」と天魔王に告げる蘭兵衛の悲愴さが胸に迫る……!廣瀬蘭兵衛はぐらつきと立て直しがリアル。天魔王に何度も揺さぶられるけれど、捨之介や極楽太夫との縁によってぎりぎり立て直す。それでも最後には、殿の仮面でとうとう天魔王の手に堕ちてしまう。LVを観ているとこの流れで闇堕ちしたのかなぁと感じた。蘭兵衛の闇堕ちポイントは絶対に人によって感じ方が違う気がする。他の方の感想を知りたい~~~。
森蘭丸の亡霊と化して以降の廣瀬蘭兵衛、まず唇から流す赤がぞっとするほど美しい。鈴木天魔王と廣瀬蘭兵衛がなせる耽美さにくらくらする。霧丸を殺そうとするときの操り人形みたいな人外っぽい動き、好きだ。死んだものを無理に動かしている感がある。刀を預ろうとした家来に斬りかかる真似をするのも大変好戦的。前より目を引かれたのは、最期の階段を転げ落ちるシーン。今までよりさらにブレーキなしで落ちていた気がする。しかも目を開いたまま事切れるっていうね!あの最期、脳内に焼き付けたいぐらい胸が締めつけられる。
カーテンコール。お約束の太夫とのいちゃいちゃは、太夫のところで語る予定。それ以外ではLV用カメラを皆で見ながらお手振りする仲良しっぷりがキュンキュンする。廣瀬さんは真顔だと恐ろしいぐらいに整っているお顔だけど、笑顔になると一気にキュートさが増すんだなぁ。最後には、霧丸の腕を掴んで客席に向かって振ってみせてた。廣瀬さんも松岡さんも可愛すぎる!


松岡広大さん。霧丸。相も変わらず可愛らしくて、少年マンガの主人公らしい松岡霧丸。平間霧丸と比べて少年らしさが色濃い。襖を開けて太夫たちがいなくなったか確認する仕草も、平間霧丸にはクレバーさがある一方で、松岡霧丸は何故か小動物っぽい。同じ仕草なのに面白いなぁ。松岡霧丸は若さの分、突っ走るスピードをなかなか制御できない印象で、平間霧丸より松岡霧丸の方が殺意が続いている気がする。事情を明かす捨之介に対して結構長く得物を向けている。そう易々と後戻りや方向転換ができない感じが若さに溢れていて好き。そういえば、捨之介が無界の里を去った後、平間霧丸は泣いているけれど松岡霧丸は門のところで捨之介を見送っていて(ただ単に蘭兵衛と太夫に気を遣っただけかも?)、上弦・下弦でのこうした細々とした違いを全部洗い出したくなる。
以前より渡京とのツイスターゲーム時のやり取りがコミカルになっていた!あー渡京ーてめぇーの棒読みっぷり最高。ツイスターゲームは霧丸の協力なくして成功はあり得ないのでは?(=霧丸と渡京は前もって打ち合わせしてるはず)と考えていたので、あのシーンでの棒読みは納得しかない。「裏切ると思ってたろ」と渡京に訊かれた際の「え、はい」のふてぶてしさが本当にお気に入り。松岡霧丸の人懐っこさと気の強さいいよいいよ~~~!
一気にダークサイドに堕ちる宮野捨之介の死の濃さがとてつもないけれど、松岡霧丸にはそれを引き戻せるだけの光が溢れていて、このコンビ最強。縄を外された捨之介の頭を胸元に引き寄せるのもお兄ちゃんっぽくて、宮野捨之介と松岡霧丸は今後も末永く仲良くやっていけそう。二人で肩を組んでのカーテンコール、何度観ても好き。


羽野晶紀さん。極楽太夫。やっぱりアイドルな羽野太夫。「二階席ー」「今日は二公演なんでー」(また来るまた来ると兵庫の返事あり)と明るく言ってのける感じ最高。下弦の無界の里の女性たちはアイドルみが強い。上弦は高田太夫の片言もあってちょっとどこぞのパブっぽいからそれはそれで笑う。廣瀬蘭兵衛とのいちゃいちゃが本当に心底大好きなので、蘭の花渡して……。お願いだから渡して……。『君死にたもうことなかれ』でも「蘭の花の純情」と歌ってるんだし、蘭の花を渡すあのくだりが挿入されてもいいと思うんです!
カーテンコール。ダブルコールで出てくるときは兵庫が極楽太夫をエスコート、はけるときには蘭兵衛がエスコート。で、トリプルでは霧丸が太夫をエスコートしつつ兵庫が衣装持ち、蘭兵衛が逆隣で笑って話しながらの登場。何だこれ!逆ハー!男性陣と太夫が仲良くしてるだけで幸せなので、今後もカーテンコールのお遊びからも目が離せない!


2月半ばには自分の月髑髏千秋楽が来てしまうので、悔いがないように見納めたい!

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