僕は君が

ときめきの用例採集

『ミュージカル「黒執事」-Tango on the Campania-』

ミュージカル「黒執事」-Tango on the Campania-、通称、生執事?を観てきた。1/5ソワレ公演のネタバレあり感想。去年ロミジュリにハマっていた身としては、赤坂ACTシアター×古川雄大さんという組み合わせに惹かれて軽率にチケットを獲ってみた。

劇場は赤坂ACTシアター。珍しくひとりじゃなく友人と観劇。髑髏城のために入会したTBSチケットでゲット。ATMのようなあのスペースに入ってチケット引き換え。S席の範囲幅広いね……!2Fのこの座席でS席!?と当日はものすごく驚いた。去年ロミジュリのために通っていたときはずっと1F席だったので初の2F席。意外と傾斜があって、崖かよと思うほどの座席だったシアターオーブ3F席を思い出した。

前提として、原作もこれまでの生執事も未見。原作を読んだことないのかと友人に驚かれたけれど、1~2巻はぼんやり読んだことがあるような。ぼっちゃんの召使いはみんなドジッ子だった記憶。それ以外は「あくまで執事ですから」と「DEATH★」ぐらいしか知らない。だから今回の豪華客船編の知識は一切なし。アニメもほんのすこーしだけかじっていた程度なので、開演前にパンフレットの相関図をチェックして多少情報を仕入れて臨んだ。原作がある舞台で、原作の内容をほぼ把握せずに観たのはこれが初めてかも?だからあらゆることで新鮮に驚いた。まさかゾンビが大暴れするパニックムービーの様相を呈するなんて!黒執事にゾンビが出てくるとは……と一瞬呆気に取られたけど、同じく英国女王の犬の『ヘルシング』でもゾンビ(的なもの)は登場していたから、時代は違えどイギリスじゃよくあることだと妙に納得した。ゾンビいいよゾンビ。

19世紀の英国。セバスチャン・ミカエリスは、名門貴族ファントムハイヴ家に仕える万能の執事。
しかし、その正体は、13歳の当主シエル・ファントムハイヴと契約した“悪魔”だった。
女王の密命を受け暗躍する“悪の貴族”シエルと共に、裏社会の事件を闇で片付けている。
契約が完了する最期の日まで――。

ある日、「死者蘇生」の噂を耳にしたシエルとセバスチャンは、その真相を探るうちに「医学による人類の完全救済」を掲げる秘密結社・暁(アウローラ)学会の存在にたどり着く。
二人は調査のため、暁(アウローラ)学会の集会が開かれるという豪華客船『カンパニア号』に乗り込むが…。
華やかなはずの処女航海に隠された真実が、いま解き明かされる。

 

ミュージカル「黒執事」-Tango on the Campania-


まず、アンサンブルがすごい。これまでの舞台ではあまり注目したことがなかったけれど、生執事のアンサンブルの方々はもうべらぼうにレベル高し。動けるし歌えるし、生執事の世界観にふさわしすぎて夢見心地だった。実力派揃いとはこのことか。
衣装。お金かかっている感がひしひしと……!時々、あまりにも衣装が薄っぺらいのでは???と心配になっちゃう舞台もあるけれど、さすがは生執事、衣装がどれもこれも麗しい。資金が潤沢にある舞台という印象。という身も蓋もない感想。
舞台美術、演出。セットが回る回る~~~。そういうアナログさを駆使した舞台転換もある一方で映像の使い方がスマート。氷山にぶつかるとか海の底に沈むとか、映像の使いどころが分かりやすい。豪華客船沈没ってことで傾いていく船体をどう表現するのかなと思ったら、人が舞台を瞬く間に横切っていくというね!たしかに傾いてる!むやみやたらと映像を使った舞台があまり得意じゃないので、今回の生執事のアナログとデジタルのバランスはすごく好みだった。リジーが思いの丈を打ち明ける一幕見せ場での影絵演出はキュートすぎるし、セバスチャンとシエルの出逢いについて回想に入るときの映写機のような演出もオシャレ。パンフレットを観たところ、あの回想はシネマティックレコードというネーミングまであるの?オシャレ~~~。原作でそういう名前なのかな。比較的長めの回想だったけれど、二人の出逢い~シエルへの爵位の返還シーンは生執事ではお約束?

舞台全体の感想。正直、第一幕中盤まではあまりぴんと来なくて淡々と観ていた。パンフレットの相関図で登場人物は大体把握していたし、まさに二次元といったキャラクターや振る舞いが多いので笑いどころも分かりやすかったんだけど、序盤ではあまり好みのナンバーがなかったからかも。ミュージカルは序盤に一気に心を掴んでくれるナンバーがあると没入感が桁違いになる。観劇後の今では、カンパーニアカンパーニア♪のあの抑揚も好きになってきた。その後、赤い幕が1Fセンターブロックを駆け抜けるあの演出にぞくっとしてからは徐々に入り込めた。あの演出最高。あれに関しては2Fから見下ろせてよかったかも。それ以降のナンバーでは惹かれたものもあって、特にセバスチャンとリジー。リジー可愛いよリジー。セバスチャンのナンバーは音程がチャレンジングすぎて、ハイトーンで喉を痛めないか少々心配。「やり直し」のパート、セバスチャンがハイトーンなのに、ぼっちゃんが比較的低音だったのが無性に好き。
ストーリーはキャラクター紹介パートを織り交ぜつつ、怪しい秘密結社に侵入したかと思えばゾンビ襲来のパニックムービーへ。そうして、リジー無双。これまでエリザベスが積み重ねてきた我慢や苦労をろくに知らないくせに、リジー無双で泣いた。頑張る女の子は尊い。可愛い女の子が好きな男の子のために健気に頑張ってるのを見るだけで涙腺が緩む。女の子に関して涙腺が弱すぎる。それぞれの思惑が入り乱れる第二幕は、どう収拾つくのかなーとかなりワクワクした。三つ巴展開面白い。死神側が勝つのもあり得るのかと途中思った。これまでの葬儀屋をほぼ知らないので(ぼっちゃんとは今までそれなりに仲良しだったのか?)、まあ明らかに怪しかったもんな……と黒幕にすんなり納得しつつ、最後の小舟のところまで楽しめた。

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キャスト別感想。
古川雄大さん。セバスチャン・ミカエリス。燕尾服の着こなしがスマートすぎる~~~!何だあのプロポーション!恐ろしいほどにお顔が小さい!まさに二次元の具現化。古川さんはロミオで見てからずーっと、ビクスドールのイメージ。フェニックスのポーズでさえかっこよく見えるって何事。シエルの父と勘違いされたときやエリザベスとの仲をからかうときのコミカルな慇懃無礼演技と、回想シーン当初の悪魔丸出しの演技の落差に引き込まれた。回想シーン好き。シエルと出逢ってから執事として成長を遂げるまでの、立ち居振る舞いや内面の少しずつの変化が演じきられている。シエルと初めて出逢ったときのセバスチャンの声のざらつきが凄まじい!鳥肌立った!これまで観てきた執事・セバスチャンとは丸っきり違う生き物だった。刺々しいというよりもざらざらしている。「クソガキ」と吐き捨てる言い方も癖になる。悪夢にうなされたシエルとのやり取りが単純に微笑ましいものじゃなく、馴れ合わない二人の雰囲気が色濃く出ていて、そういえば黒執事ってこういう感じだったなぁと思い出した。古川さんへの信頼なのだろうけど、セバスチャンのナンバーはどれもこれも難しそうで生執事のレベルの高さに恐れ戦いた。

内川蓮生さん。シエル・ファントムハイヴ。ぼっちゃん可愛いよぼっちゃん!2F席だから余計に小柄に見える内川ぼっちゃんの姿に、本当に少年なんだなーと当たり前なことをしみじみと。基本的に気高いが故に、エリザベスにたじたじのときの年相応さがたまらない……!エリザベスとの絡みがただただ尊すぎて、よし原作買おうと心に決めた。身長差も微笑ましい。パンフレットのトークで触れられていた、ぼっちゃんと岡崎さんの稽古中エピソード可愛すぎる。恥じらいながらもフェニックスポーズをビシッと決めるのがさすがぼっちゃん。爵位返還のときのおめかしっぷりが最高。ぼっちゃんの衣装はどれもこれもエレガント。

原卓也さん。グレル・サトクリフ。最も二次元っぽいキャラクターだと感じたグレル。いやぁ、植原グレルすごい!原作はあまり知らないし、アニメもかじった程度なのに、これはグレルだわ……と衝撃を受けた。あのハイテンションっぷりで「DEATH★」と言われたときには無意識にニヤニヤしてしまったし、植原グレルはどの一瞬を切り取ってもグレルとして存在していた。ふとしたときのポージングでさえグレルで、唇を尖らせてるの可愛すぎか。こりゃすごい!と感動して、幕間で真っ先に植原卓也さんについてググった。生執事ではずっとグレル役をされているみたいで、本当にグレルは生きいきしていた。

味方良介さん。ロナルド・ノックス。『熱海殺人事件』『リメンバー・ミー』以来の味方さん。『MOJO』のチケットが獲れなくて、それからしばらく観れていなかった。相変わらず声が聞き取りやすい。グレルと同様に、ロナルドも二次元らしい特徴的な語尾かつチャラついたキャラクター。グレルとのタイタニックには爆笑した。マジ勘弁なんスけどーーなど「~~んスけど」とチャラく言うことが多くて、セリフがもはやリズミカル。警部たちとのやり取り、多少アドリブ入ってるのかな?コミカルなパート担当のキャラクターなのかと思ったらセバスチャンに結構ガンガン立ち向かっていくし、デスサイズの形も予想外すぎる。デスサイズ構えて飛び込んでくるあのシーン、爽快!パンフレットの座談会で語られていた、ぼっちゃんとのおにぎり交換エピソード微笑ましい~~~。

岡崎百々子さん。エリザベス・ミッドフォード。さくら学院の生徒さんだそうで。リジーがとにもかくにも可愛すぎて、やっぱり女の子がいる舞台はいいなぁと何度思ったことか。シエルにじゃれているときの砂糖菓子のようなふんわりした雰囲気から、シエルを守らなくてはと決意した瞬間の凛々しい表情への移り変わりにドキリとした。ギャップに病みつき。リジーのソロナンバーがものすごく好きで、二刀流もかっこいい~~~!


1/5ソワレ公演カーテンコールでは、ドルイット子爵役の佐々木喜英さんが100公演目とのことでコメントあり。100公演とはすごい!ドルイット子爵のナンバーで観客が自然発生的に拍手し始めるのが楽しかった。愛されてるドルイット子爵。最後にキャストからコメントを求めるカーテンコールが久々すぎて(新感線や歌舞伎にはない)、あ~~~こういうの楽しいな~~~と心底実感した。カンパニーの雰囲気も窺えるから、こういうカーテンコール大好き。ロミジュリでもあったから2.5舞台に限った話じゃないだろうけど、よく観に行く新感線などにはないんだよなー。

チケットが獲れそうなら2/12大千秋楽LVも観に行く予定。それまでに原作を読みたい。カンパーニアカンパーニア~~~♪

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