僕は君が

ときめきの用例採集

『レディ・ベス』(10/25)

『レディ・ベス』10/25ソワレ公演のネタバレあり感想。
今回の再演が初『レディ・ベス』!ロミジュリの古川雄大さんのビクスドール感に惹かれたので、今回の『レディ・ベス』もほぼほぼフェリペ王子目当てでチケットを獲ってみた。せっかくのWキャストなので11月にもう一度観てくる予定。

 

16世紀イギリス。
ヘンリー8世の王女として生まれたレディ・ベスは母親のアン・ブーリンが反逆罪で処刑されたため、家庭教師ロジャー・アスカムらと共にハートフォードシャーで暮らしていた。

そうしたある日、若き吟遊詩人ロビン・ブレイクと出会う。
ベスは、彼の送っている自由なさすらいの生活に心魅かれる。

メアリーがイングランド女王となると、ベスを脅威に思い謀略をめぐらすメアリーの側近、司教ガーディナーらは増長の一途をたどる。
ベスは絶え間なく続く苦境に、自分自身の運命を嘆きながらも、強く生きることを決意し、ロビン・ブレイクと密やかに愛を育む。

メアリーの異教徒への迫害が続くなか、民衆は次第にベスの即位を望むようになる。
そんな中、メアリーはベスへある告白をする…

 

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エリザベス関連の小説を読んで一時期ハマっていたことがあるので、ブラッディメアリー!プロテスタント!ロンドン塔!には滾るものがある。この時代の考察を見る度にまず思うことは、ヘンリー8世ちょっと落ち着け。ヘンリー8世によって火種がばら撒かれすぎなイングランド。この時代の、ガンガンいこうぜ状態のスペインも面白すぎる。無敵艦隊いいよいいよ。

舞台美術。中央に置かれているホロスコープをモチーフにした大きなリングに目を奪われて、席に着いてから開演までずっと眺めていた。綺麗。運命の輪に翻弄されるエリザベスをまさに象徴していて、どうすればこんな美術を思いつくんだろうと圧倒された。傾斜のついた盆もエリザベスの逆境、それでも止めない歩みを意味しているようで、『レディ・ベス』の舞台にふさわしい。1F前方の席だったからよく見えなかったけど、舞台上にも同じホロスコープが映し出されてたっぽい?
衣装。メアリー一派の毒のある華やかさに惚れ惚れ。どの衣装も好きだけど、終盤での黒・赤・金のドレスが最高オブ最高!ゴージャス~~~!エリザベスの清楚で若々しさのあるドレスとは違って、メアリーのドレスはあからさまにお金掛けてます感が漂っている派手さで、これぞ女王だ!スペイン組の衣装はもうね、全体的に性癖に刺さる。フェリペの初登場時のあの衣装どういうことなの……?肩を半分曝け出してるし、女物のドレスのようなフリルを無造作に着こなしてるし、こんなの嫌いな女性いないのでは……。罪深い……。
楽曲。メアリー一派&スペイン組が好みすぎた。「邪悪」「悪魔と踊らないで」「クール・ヘッド」「ベスを消せ」など。「クール・ヘッド」はズルイ。もはやズルイ。何だあれ!??それまでの楽曲で、特にロビン関連の歌詞「めちゃうまさ」や「おんどりゃー」にはお、おう……と正直戸惑って、歌詞のテイストが好みに合わないのは辛いかもしれないとぼんやり思っていたけれど、「クール・ヘッド」なら何でも許せるという不思議!ベス側(ベス、ロビン、ロジャー先生など)の楽曲はどれもあまりピンと来なくて、自分の好みのテイストがメアリー一派&スペイン組に偏っていた。
パンフレットは結構分厚く、歌詞も記載されていて2000円。ジャンル問わずグッズにはあまり興味を持てない方だけれどチャーム可愛い~~~!どこにつけるんだ問題があるので結局購入しなかったけど、次回行ったときには買う。多分買う。あれほどゴージャスで見映えするメアリーのドレスチャームがそもそも存在しないことには涙が出る。メアリーがないならフェリペがほしい。シークレット商法らしいので、フェリペ当たりそうにないな~と今からすでに諦めの境地。

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舞台全体の感想。うーん、深く突き刺さるものが少なめだった印象。エリザベス1世なんて絶対に面白そう!という期待値が高すぎたのかも。楽曲の大部分が私にとってはあまり印象に残らないもので、ストーリーも淡々と進んでいく感じがどうしてもしてしまって、波乱万丈!激動!という山場がさほど用意されていない。基本的に常に苦境だからそう感じてしまったのかも。絶えることなく嵐。とはいえ、要所要所では盛り上がって、面白い!と1部後半以降は感じた。身分差がある恋愛、処刑執行がほぼ確実な危機的状況、愛か義務かの選択、など盛り上がるはずの要素はてんこ盛り。そういえば、説明的なセリフが多めだと感じたけれど、"レディ・エリザベス(ベス)"呼びになった経緯説明あったっけ?そこは流すのかーと思ったけど、自分が聞き逃しただけかもしれない。次回ちゃんと聞いてこよう。
今回が初見だったので、自分のイメージする人物像と大きく違っていることに戸惑った部分も大きい。とにもかくにも、アン・ブーリン。あのアン・ブーリンが血塗れの亡霊として登場するならまだしも、(ヘンリー8世への)愛に生きた女性という清純さを全面に押し出して透明感のあるナンバーを歌うものだから、うわ~~~そういう解釈か~~~とまず驚いた。それと、エリザベスが民衆と直に触れ合う機会がほぼ用意されていなくて残念。「義務」に身を捧げることをエリザベスが選択した理由って、自分自身の生まれと、ロジャー先生からこれまで学んできた知識ゆえだと感じさせる印象がどうも強い。ロビン=ただの平民と出逢ったことで人々の暮らしを学び、先生が言うようにこの世界を変えるべきだと自ら考えた上で「義務」を選択するという流れでは、別にない?そういう意図はない?ロビンと出逢った意味は???ロビンがエリザベスを酒場に連れて行った意味は???愛を学んだからそれでOKなのか。ロジャー先生がエリザベスを推しているのは十二分に理解できたけれど、エリザベス自身は何か思うところがあるような素振りを見せてはいない。だからメアリー逝去によって本当に仕方なしに即位したような雰囲気を感じてしまって(ロビンとの恋愛もあるので余計に)、エリザベス女王万歳!という境地にはすぐには辿り着けなかった。本来ならカタルシスを感じるラストなんだろうか。もう一度観ると理解できるかもしれないので11月に期待!今のところ、『レディ・ベス』とは言いつつ、メアリーの物語として観る方が骨太なのでは……と考えてしまっている。ここまで色々語っておいてアレですが、メアリー一派&スペイン組を観ているだけでも楽しかった。ただ、もう一声!ふた声!ほど、クイーン・エリザベスとして君臨することになる人の片鱗を見たかった。

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キャスト別感想。
花總まりさん。レディ・ベス。生まれながらに女王の気品。浅めにドレスの裾を持っているからか、肘を張ってどしどし歩いているように見えてしまって、これは年若いエリザベスのお転婆な雰囲気を出すための演出なんだろうかと戸惑った。花總さんは気品が凄まじいので、思慮深くて賢いエリザベス像を打ち出す方が合っていそうな気がする。とはいえ、ロビンとのラブコメはお似合いで楽しかった。即位後のドレスは溜息が出るほど似合っていて神々しさに目が潰れるレベル。気高すぎる~~~。惜しむらくは、エリザベスを高く評価しているという教育係のロジャー先生の言葉だけでなく、その根拠となり得る、「義務」への覚悟が見えるようなシーンがほしかった。エリザベスに対して夢見がちだから多くを望んでしまうのかもしれない。
『レディ・ベス』での言葉のチョイスには全体的にクエスチョンマークが飛び交うことが多かったけれど、幽閉されるときにエリザベスが放った「死なせないで」という言葉(と「クール・ヘッド」の歌詞)により全て受け入れることができた。「殺さないで」ではなく「死なせないで」!この言葉のチョイスよいなー好きだなー。ヘンリー8世の血筋を途絶えさせないで、という意味合いも含まれている気がして、生まれながらの女王感に溢れている。


加藤和樹さん。ロビン・ブレイク。フライヤーでロビンの姿を見ただけでの第一印象は、ピーター・パン……?だったので、吟遊詩人なのかと衝撃。木の精霊のような衣装。でも、ピーター・パンという解釈でも問題なさそうなロビンの役回り。自由気ままに振舞っていて、エリザベスに愛を教え、「義務」に身を捧げるのではなく愛に生きようと誘う。ロビンは比較的溌剌としていたので、若きウェルテルの悩み=加藤和樹さんぐらいの勝手すぎるイメージ(常に憂いを帯びている的な)を持っている身としては、明るい加藤さんだーとまずその意外性に喜んだ。加藤和樹さんに対してどんな印象持ってるんだ、自分。ロビンとエリザベスの禁断の恋が主軸ではあると理解しつつも、加藤さん気品漂いすぎでは?実はどこぞのご落胤じゃないんですかね?と疑ってしまった。即位式にどこかの王子様として登場するのもありえそうな加藤ロビン。ロビンと結ばれたら史実と変わるけれど、幸せならOKです!
バルコニーの場面、ロミジュリっぽいな~~~と思っていたらまさかのターザンだったので、これは真面目なの?笑っていいの?と反応に迷う。この程度の高さのバルコニー、加藤ロビンなら手で上がれるだろうと思いつつターザンを眺めていたので、最終的に手でよじ登ったときには拍手したくなった。その姿が見たかった!ターザンロープから一旦降りたとき、反動でロープがまた前方に戻ってきたけど、それを手に取って無造作に後方へ投げた瞬間の男らしさが最高。


平方元基さん。フェリペ。もう存在自体がズルイ、フェリペ。ビリヤード台に乗っての登場、色気ダダ漏れの肩出し衣装、「クール・ヘッド」の中毒性、どれを取っても最高としか言えないフェリペ。そもそもフェリペ自身のスペックが高すぎるというのに楽曲も衣装も素晴らしすぎてチート!全てフェリペさまの御心のままに状態。「行かず後家のブス」とのたまっても許される。全てに意味がありそうな思わせぶりなところがたまらない。後付けで恩を売るのが上手すぎる。グラスの毒については全て見越した上での行動だったのかが気になる。見越しているんだろうと思っていたけれど、倒れた後の驚きっぷりを見ていると、あれ?これは本当に不幸な偶然?と分からなくなった。このフェリペがイギリスと戦うところまで見たい~~~!退場が驚くほど呆気なかったことだけが残念。イギリスとスペインのその後の史実から考えても、即位式辺りで今後を匂わせる応酬がエリザベスとの間であるのかと期待してたのに。
フェリペ、パーソナルスペース狭い!ロビンとは運命を感じるほどに出逢いすぎ。顎をくっと持ち上げるところがお互いにセクシーすぎて、『レディ・ベス』での色気はほぼほぼ男性陣が担っていますね!?と動揺した。女性陣は気高さ重視。このときの加藤ロビンの喉仏の出っ張りが非常に美しいので、このシーンのブロマイドを売ってほしい。買う。フェリペはルナールとの距離感も意味不明なほどに近くて、背後からぴったり身体を添えてお召し物のドレスを取り去る必要性なんて絶対ないでしょ……と思いつつ、この二人の意味深ないかがわしさ最高!と盛り上がった。

次回11月観劇では今回と全く異なるキャストなのでその違いも楽しみ。とにもかくにも、次は古川雄大さんのフェリペだ!