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ときめきの用例採集

『ベター・ハーフ』~元アイドルと過激なセリフ~

『ベター・ハーフ』を観て、元AKBオタとして、元アイドルと過激なセリフで感じたことをつらつらと。本編全体の感想はこちら。 

seshiki.hatenablog.com

 

『ベター・ハーフ』については少しだけニュースにもなってた。松井玲奈さんが問題視しただろう記事も貼った方がいいと思うけど、伏せ字がされてない記事なので一応控えておきます。zakzakに掲載されてる記事だろうなと推測。

news.biglobe.ne.jp

 

上の記事でも触れられてる通り、松井玲奈さんは芸能界デビューを夢見て高額なレッスン代などのためにデリヘルでお金を稼いでる女の子、遥香役。デリヘル嬢役ということで性に詳しい設定で、下ネタというか放送禁止用語を何度も言う。たまには叫んだりもする。フェ○とか素股とか咥え方とか。友人として登場するトランスジェンダーの女性が奥手なのもあって、咥え方のレクチャーまでする。序盤でのフェ○チオ連呼が一番強烈かもしれないけれど、その姿を見たとき、こういうのはもう食傷気味だな……というのが正直な感想だった。AKBより遙か前から、アイドル卒業した女性や清純派の女性が舞台に出る場合、セリフで下ネタが頻出するのって何なんだろう。松井玲奈さんが元推し(今も女優として推してるけど)だから過激なセリフを言わせてほしくないなんて気持ちはさらさらなく、それがセリフなら当然女優として言うべきだと思ってる。

ジレッタの感想でも触れたけど、映画ヘルタースケルターの「見たいものを、見せてあげる」ってキャッチコピーが好きでたまらない。(作り手側にとっての)エンタメを端的に表してる感じがする。傲慢なようでいて阿ってるようにも受け取れるけれど、それでいて根幹には矜持が感じられる。私の中でこの言葉はすごくすごく呪文めいてる。

エンタメとして、元アイドルや清純派が放送禁止用語を叫ぶ姿は、「見たいもの」なんだろうか。「見たいもの」として一定の価値が認められてるから、悪趣味とはいえその部分だけをクローズアップした記事が書かれるんだろう。元アイドルが放送禁止用語を叫ぶ姿はもう食傷気味だと、舞台を観てる時点では自分の感情をそう分析した。でも、こうして頭の中を整理してると、一部マスコミが悪趣味な取り上げ方をすることが容易に想像できて辟易してる、といった方が正しいのかもしれない。舞台に限らず、世に出した時点でどういう感想を持たれても仕方ないものなんだって理解はしてるんだけども。あの記事で、元アイドルなのにどんなセリフでも言うんだな、って舞台自体に興味を持つ人がどれだけの割合いるんだろう。「元アイドルなのに」というのは色眼鏡でもある一方で、その予想をいい意味で裏切れば賛辞にもなり得る。(それはそれでアイドルを侮ってるのか!っていう葛藤もあるんだけれど!)
そもそも、下ネタや放送禁止用語を言う役を演じることで一皮剥けました!っていう風潮も何なんだろう。下ネタや放送禁止用語は元アイドルや清純派の脱皮装置か。殻破り器ですか。一番手っ取り早く変化を見せつけられる手段なの???ここまで言っておいて何だけど、下ネタが嫌いなわけじゃないです。何だこの言い訳。

で、『ベター・ハーフ』のパンフレットを読んだところ、鴻上尚史さんが対談で語ってた。テレビでは見られないものを見せなきゃ、といった趣旨のことを。これは舞台人としての矜持だなぁ……。鴻上さんはアイドルから女優への脱皮なんてそれらしいことは語らずに、舞台としてのあり方を話していた。『ベター・ハーフ』の松井玲奈は、たしかにテレビでは見られない松井玲奈だ。一部マスコミでの悪趣味な取り上げられ方なんて当然見越した上で、脚本や演出はきっと練られてる。でも、それを露骨にクローズアップして客寄せとするような利用はしてない。少なくとも私が公式サイトや公式発言を見た限り。そう考えると、『ベター・ハーフ』の過激なセリフに感じたモヤモヤは落ち着いていった。それ以外の、可愛い子にこういう過激なこと言わせれば喜ぶんだろう!っていう安直な考えが滲み出てる作品へのモヤモヤはまだ止まらないけども~~~。結局着地点が不明だけど、『ベター・ハーフ』はぜひとも見てもらいたいというまとめにしておこう。東京公演は7/17まで!