僕は君が

ときめきの用例採集

実写版『美女と野獣』

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美女と野獣』は小学生の頃に、図鑑に近い分厚さの世界名作全集みたいな本で原作を先に読んでいた。だからこそ、ディズニーのアニメ映画を観たときの衝撃はすごかった。意地悪な姉たちはいないし、召使たちはミュージカルみたいに歌って踊るし、ガラスドームに飾られた薔薇は美しいし!あの原作からここまで話を膨らませられるものなの?とディズニー様に平伏した瞬間だった。それから劇団四季を観て、「Be Our Guest」のミュージカルとの相性にクラクラしたし、どの楽曲も口ずさめるぐらい好きになった。こんな人は全世界中で多いと思う。そんな状況、当然実写映画へのハードルは高くなる。アニメ映画で最高なのに実写化する意味とは?結論として、そんな疑問を持ったのが申し訳なくなるぐらい、実写映画『美女と野獣』は最高オブ最高!!!

4/19の封切以降、3回観に行ってる。まだまだロングランしてほしい。
1回目。国際フォーラムで開催された、実写版『美女と野獣』ライブ・オーケストラで鑑賞。休憩ありの2幕構成で、「東京フィルハーモニー交響楽団」のフルオーケストラ生演奏と合わせての映画上映(字幕)。映画内の音楽は全部オーケストラによる生演奏で贅沢!国際フォーラムだから見づらいかと思ったけどそれほどでもなく。オーケストラよかったぁぁぁ。エンドロール後の指揮者挨拶がお茶目。オーケストラつき映画にハマりそう。次に目を付けてるのは11月にある『アマデウス』だけど、今検索したらもうS席以外完売してて戦く。
2回目。吹替。
3回目。字幕。
2回目・3回目はそれぞれ関西と都内の映画館で観たけど、どこでもガラスドームと薔薇のオブジェが置かれていて心憎い演出。写真を撮った人はきっとインスタなどに挙げてくだろうし、全方位にメリットがある広報で素敵。

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ひとりの美しい王子が、呪いによって醜い野獣の姿に変えられてしまう。魔女が残した一輪のバラの花びらがすべて散る前に、誰かを心から愛し、愛されることができなければ、永遠に人間には戻れない。

呪われた城の中で、希望を失いかけていた野獣と城の住人たちの孤独な日々に変化をもたらしたのは、美しい村の娘ベル。聡明で進歩的な考えを持つ彼女は、閉鎖的な村人たちになじめず、傷つくこともあった。

それでも、“人と違う”ことを受け入れ、かけがえのない自分を信じるベルと、“人と違う”外見に縛られ、本当の自分の価値を見出せずにいる野獣──その出会いは、はたして奇跡を生むのだろうか…?

美女と野獣|映画|ディズニー公式

 

花火が打ち上がるあの見慣れたオープニングの後、雪に覆われた野獣の城をバックにして薔薇を掴む手、が映し出されたところから本編は始まる。この導入だけで期待が最高潮。そこから「朝の風景」での「ボンジュール!」で、うわ~~~アニメで観たやつ~~~!と怒涛の勢いで湧く展開。

エマ・ワトソンハーマイオニーのときも思ったけど、この時代に生まれてきてくれてありがとうございます……と拝みたくなる。エマ・ワトソンがベルってだけで、この映画を観に行こうと強く決心できた。アニメ版と同じ青いワンピースも黄色のドレスも全部似合う。まさにベル。野獣に雪玉ぶつけるときの悪戯っ子な表情は可愛さの極致だし、城の図書室で喜ぶ姿は野獣の冗談を引き出すだけの説得力がありまくり。
ベルといえばのあの黄色のドレスに、天井から降ってきた金の刺繍が施されていくシーン。これぞディズニーだ!絶対的なファンタジーにうっとりした。その後、父親のために城を去るベルを野獣がずっと見送るシーンでは、塔の上から見下ろす視界の隅に黄色がずっとちらつく。この実写版で初めて『美女と野獣』を観た人は、夜の暗闇の中でも目立つように黄色のドレスにしたのか、と衣装設定に感心してた。その発想はなかった。でも、アニメ版にはこのシーンはなかったはずだから、黄色のドレスにそこまでの意味はない気がする。
アニメ版での父親が発明家という設定は実写版ではなし。その代わり、ベルが革新的な女性ということを表してるのか、自作の洗濯機で洗い物をしてるシーンが追加。洗濯をしながら女の子に文字を教えるベルがすぐさま村人から責められていて、理解者がいないベルの孤独が際立った。

 

ガストン、イケメンすぎでは???ルーク・エヴァンズ様の輝きっぷりがすごい。最初はベルにも理解がある雰囲気だし、アニメ版ガストンより桁違いに好感度が高くて、本当に悪役になるの……?と心配になるレベル。「夜襲の歌」で炎を投げ込むシーン、かっこよすぎる悪役だった。扇動が似合う。下敷きになってるル・フゥを見捨てるときのセリフが(多分)「It's hero time.」で、ああガストンはやっぱりガストンだってなる。公式で「俺様と美女」っていうサイトを作られるぐらい、ある意味愛されてる。

www.disney.co.jp

ル・フゥはアニメよりもキャラが立っていて、暴走し始めたガストンを何度も諌めようとする。腰巾着感がない!それでもガストンに嫌われたくはなくて、あまり強くは窘められないところも人間らしくて好き。監督が公言してる通り、ル・フゥはLGBTのキャラらしく(本編では匂わせる程度)、ラストでは男性とダンスする。このシーンによって、上映中止を決定した国もあるそうで。ル・フゥ大好きだし、ガストンを失った彼の気持ちを考えるとあのラストはよかったと思うけどな。

 

召使たち大好き。ポット夫人やチップの目が細くなっててアニメ版とかなり違う~~と思ってたけど、豪華絢爛な「Be Our Guest」を観てからはもう全部受け入れられる。どうして彼に仕えるの?だったかな……、ベルの問い掛けに、母親が亡くなってから父親に厳しい教育を受けさせられるご主人様(野獣)に対して私たちは何もせずただ見ていただけだった、と返すポット夫人。この返事には胸が苦しくなる。召使たちは王子の巻き添えで呪いを掛けられた印象だったけど、優しさを失っていく王子の変化にそれぞれが罪悪感を持ってたんだなと思えるシーン。魔女は連帯責任として召使たちの姿も変えたのかな。しかも、アニメ版とは違って、最後の薔薇の花びらが散ってしまったら召使はただの骨董品(ガラクタ)になってしまうという呪い。
これによって、召使たちが一人ずつ固まってしまうシーンで予想以上に胸が締め付けられた。犬が仰向けになってそのまま動かなくなるんですよ!何その最期……ってそこから涙腺が崩壊して、とどめはルミエールとコグスワースの友情だった。「友よ、君と働けて光栄だった」「僕の方こそ光栄だよ」なんて泣くでしょ……。しかも、ルミエールの返事を聞く前にコグスワースは時計になっちゃう。ああああああ。結末を知ってるのに絶望が凄まじかった。「友よ」といえば、王子の姿に戻った野獣がルミエールに「友よ」と呼び掛けるシーンは幸福感が溢れすぎてて最高。アニメ版でも思ったけど、みんなは普段の姿に戻ったのに王子は随分とラフな格好に戻るな????

 

追加された設定やシーンがどれもいい。愛されてきたアニメ版を削ることなく、絶妙な追加描写がされていて、ここまでハッピーな実写版ある?と訊きたい。ベルと野獣の過去に触れていて、二人の孤独がより一層浮き彫りになった。共通の趣味である読書がクローズアップされることで、本を通じて距離が近づいていく二人の可愛さマシマシ!今回の実写化は、自分の居場所がない二人が惹かれ合うラブストーリーとしての説得力が、アニメ版より増したかも。それに加えて、『美女と野獣』で説かれてる「真実の愛」はベルと野獣だけじゃなく、ベルの家族の愛、召使たちの野獣への愛についても言えるのでは。ベルの父親は娘のために愛する女性を置いてパリを離れるし、ペストに罹った母親は感染を防ぐために一人での死を選択する。ベルの両親の愛を目の当たりにした野獣は、そこでまたベルのことを深く知る。あー何度思い返しても素敵すぎる追加。

追加アイテムで素晴らしかったのは、行きたい場所を想像した状態で触れるとその場所へ飛べる魔法の本。これによって、パリへ飛んだベルと野獣。野獣がパリに詳しそうだったのが、さすが王子様!となる。
この本を贈り物として置いて行った魔女、アガット。アニメ版より登場多い!王子に呪いをかけるときに、老婆から光り輝く美しい魔女に変わっていくところはファンタジー感が溢れていて惹き込まれた。魔女の神々しさと恐ろしさが強烈なインパクト。その後、ベルの村で未亡人(物乞い)として暮らしてたのは何故だろう。野獣を監視するためだったのか、城に住む家族の存在を忘れた村人を観察するためだったのか。村で浮いてる存在がベル父娘とアガットだけだと考えると、見た目に囚われる愚かさをここでも説いていて、村人もまた試されてたのか。

 

アラン・メンケン神。尊い。何度目の受賞か分からないけど、アカデミー作曲賞を!アニメ版の音楽だけでも素晴らしいのに新規描き下ろし曲がさらにすごい!!!枯渇しない才能に感謝しかない。「How Does a Moment Last Forever」「Days In The Sun」「Evermore」の3曲とも本当によくて涙。アラン・メンケンがこんな素敵な音楽を作ってくれる時代に生まれてよかった!エンドロールで「How Does a Moment Last Forever」「beauty and beast」「Evermore」の順に流れて、ああもう全部好きですって平伏した。「How Does a Moment Last Forever」をバックに流れるエンドロールがキャスト一人一人の素敵な紹介になってて、最後はベルがあの黄色のドレスでくるっとターンするんですよ……。エンドロールとはかくあるべき、なのでは……。完璧すぎる。

 

字幕も吹替も本当にどっちもお勧め。ディズニー様の本気を目の当たりにした。吹替キャストで『美女と野獣』ミュージカルできるじゃないですか……、ディズニー様すごい。成河さんのルミエール観たい!藤井隆さんのル・フゥ観たい!エマの歌声聴きたいって人も多いだろうから、その後に吹替も観てほしいなぁ。一人も違和感を覚えるキャストがいない。字幕も観た上で吹替を観ると、こう訳したのか~!という発見も楽しめる。字幕の方がよかった!っていう訳が数か所あったけど、この辺りは好みだろうし。

とにもかくにも、ハッピーになれる実写版『美女と野獣』!4回目は吹替を観る!