僕は君が

ときめきの用例採集

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』

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初めての心霊探偵八雲。アニメ化していたのは知ってるけれど原作は未読。主人公八雲さんが色々見えちゃう赤い目の持ち主、というぐらいの事前知識。今回は八雲の相棒・晴香を演じる美山加恋ちゃん目当て。去年のブリミュ雛森から、加恋ちゃんが私の中でかなりキてる。今年はプリキュア赤毛のアンと加恋ちゃん大忙し。赤毛のアンのチケットが完全抽選制なんて、加恋ちゃんを好きになるまで知らなかったよ……。当たる気がこれっぽっちもしない。運試しすぎる。


劇場は品川プリンスホテルのクラブeX。初めての劇場。270度ぐらいの円形ホールでバーカウンターなんてものまである。1階客席は椅子が敷き詰められてるだけなので段差はなし。舞台前方で蹲っての演技のときだけ少し見づらかった印象。2階客席はバルコニー風個室で完全に見下ろす形。見やすさは分からないけれど雰囲気は素敵だった。客席間の通路が45つぐらいあって、役者さんが色んなところから登場するからお得感がある。

黒い布に覆われたライトセーバーみたいなの(的確な表現が行方不明……)が数本置かれていて、これがすごく効果的に使われてた。その棒を動かすだけで扉の開閉を意味したり時計の針を意味したり。推理のために行われる過去の再現時に、数人で円状にその棒を回すことで時間の巻き戻し・早送りが視覚的に分かって、この演出素敵!と胸が躍った。

 

裁かれるのは誰だ?
時計塔に隠された謎を解け―。
大学内にそびえ立つ時計塔には、かねてから妙な噂があった―。
塔の最上部には大きな姿見が置かれている。
その鏡は、黄泉の国と通じていて、十二時にその鏡の前に立つと、
亡者と再会することができるのだという―。
ただ、その噂を確かめられた者はいない。
なぜなら、亡者との再会を果たした者は、黄泉の国に連れていかれるからだ―。
 「時計塔の亡霊に、ぼくはあの作品を書かされたんです―。」
ある1冊の小説を巡り、運命の歯車が動き出す。
そんな中、大学内の時計塔で殺人事件が発生。
晴香が容疑者として捕らえられ、自供してしまう。
時計塔の亡霊とは……?小説に隠された秘密とは―?
そして、裁きを受けるのは誰なのか。八雲は真実を導きだせるのか―。

 

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』 [東京] | Nelke Planning / ネルケプランニング 

 

「信頼」のお話。今回は、八雲さんの相棒(以上の存在になるのかは未定?)晴香ちゃんが逮捕されてしまう。相手を信じたいけれど、信じられるだけ相手のことを知っているのか。人は誰でも他人に見せてない面があるのではないか。そういう葛藤の中でそれぞれがどう行動していくかといった部分がメインだった気がする。信頼が揺らぐことなんて、殺人事件の犯人として逮捕されてしまうなんて特殊な状況じゃなくても簡単に起こり得るからこそ、今回のお話はほろりときた。それと、理不尽で辛い目に遭ったときに正しい行動を取れるかどうか。同じ目に遭っていない相手の叱咤が綺麗事に思えてしまうのはよく分かるので、その辺りはぐるんぐるん(by田中涼星さん)しました。でも、クスリはダメです。

 

久保田秀敏さん。今回でラスト八雲だそうだけど赤い目が似合う顔立ちって無敵。晴香ちゃんが連行されていくときの、「何であいつが連行されてるんだ」の瞬き一つしない横顔の凄まじさよ。

今回のテーマを理解していても、晴香ちゃん逮捕後の八雲さんがなかなかに面倒なお人で、つべこべ言ってないで早く晴香ちゃんを助けに行こう~~と思ってしまった。①八雲さんはまだ晴香ちゃんのプライベートを碌に知らない(事件を解決するときだけの付き合い?)・②八雲さんには過去のトラウマがある、ってぐらいの前提知識があれば確実に違う見方になった気がする。オープニングから八雲さんも晴香ちゃんも仲良しだから、そんな浅い仲だとは思わなかった。八雲さんの葛藤に少しだけ苛立ってしまって申し訳ない。信じてもどうせ裏切られるみたいなセリフもその後あったので、そういう過去を持つ八雲さんが晴香ちゃんを信じるって決めるまでにはあれだけの時間が必要だったんだろうな。紙に書ける情報がその人たるものだって後藤刑事に言う八雲さんの声の切ないこと。だからこそ、「そんな君だから信じたんだ」と晴香ちゃんに告げる穏やかな八雲さんに安堵しかない。よかったよかった。この二人の続きが観たいのに、久保田さんがラスト八雲なんて!

心霊探偵の名前の通り、ただの殺人事件じゃなくて心霊が関わってくるこのお話。霊が殺害に関与したりするのかな?という予想とは違って、八雲さんは霊からの言葉を遺された人へ伝える架け橋のような存在だった。そのおかげでラストの晴香ちゃんは救われたから、その赤い目にも意味があると思いたい。

 

美山加恋ちゃん。横から見たときの加恋ちゃんが本当に細くて薄くて、久保田さんとの体格差と身長差がヤバい。服装はサーモンピンクのロングカーデ、白トップス、ストライプショートパンツ、黒レギンス、黒ショートブーツ。え?フライヤーやブロマイドのときの赤いワンピースは????ワンピースが見たかったよ~~~と思ったけれど、ショートパンツも可愛かったです。冷静に考えればラストで八雲さんにおんぶされての登場(!!!)があるので、ショートパンツは致し方なし。観劇後は冷静じゃなかったので、赤いワンピース目当てでブロマイド購入しました。

オープニング時に、屈んだ八雲さんの目を晴香ちゃんが背後から覆うところがあるんですが、そのときの指が綺麗。薬指がピンと伸びてる。そんなわけで冒頭から晴香ちゃんを凝視。後藤刑事たちの計らいで拘留中に八雲さんと会えたとき、「僕を信じれるか」との問い掛けに一瞬の躊躇いもなく頷いた晴香ちゃん。「信じる」ってことに散々迷って悩んでようやく動き出した八雲さんとは正反対。ただ、それは八雲さんが冷たいわけじゃなく、それだけ誠実に真面目に「信じる」ことについて考えたんだろうなと。八雲さんと晴香ちゃんの絡みは意外と少なめだけど、じゃれ合う二人が可愛い。原作未読なので晴香ちゃんから八雲さんへのラブはあるのか不明。きっとあるのだろう。

 

北園涼さん。いるーこういう大学生いるよー、と初見から納得しかなかった大学生。登場時からほぼほぼ情緒不安定な西澤保伸さん。どこからどこまでが嘘なのか自分でももはや分かっていなさそうな終盤の演技に緊張した。

 

田中涼星さん。お顔が小さすぎ、足が長すぎで異世界の警備員さんだった瀬尾稔さん。こんな警備員さんをスルーするってあり得る?アフタートークでおっしゃっていた通り役作りは難しそう。ぐるんぐるん、は伝わりました。

 

東地宏樹さん。舞台上での私の希望だった後藤刑事!アフタートークでも指摘されてたけど、後藤刑事だけが一点の曇りもなく晴香ちゃんを信じていた。晴香ちゃんが犯人じゃないっていう物的証拠も見つからない状況で愚直なまでに。「晴香ちゃんが人殺しなんてするわけない」ただの感情論。でも、その根拠のない感情論が八雲さんを突き動かして救ってくれた。ああ、後藤刑事好き!

監視役の警官とのアドリブ掛け合いが面白かった。キャロライン洋子の弟に似た君、だったかな。キャロライン洋子って誰だろう。その後、取調室に窓を突き破って突入してくるシーンも大好き。石井刑事の、「え!?そこに窓!?」っていうツッコミには皆笑うしかなかった。

 

佐野大樹さん。石井刑事の存在が一服の清涼剤!晴香ちゃんの無罪を信じようとしてるけど、目撃者の証言や自供の事実を考えていくと、「でも」という言葉が口をついて出る。そういう人間らしいところが愛おしい。その一方で、同期の小野寺刑事のことも信頼してる。石井刑事の存在はこれからの小野寺刑事の救いになるだろうな。

舞台上で何度もスライディングしてるけど痣になってないのかな。思い切りがすごい。登場時、ものすごくお顔が整ってる方なのでは…!?と驚いた。石井刑事はとにかく癒し効果が半端ない。「物的証拠ぉぉ~!」と言い続けて小野寺刑事を連れ出すくだりとか、もう小野寺刑事も素で笑ってた。愛される存在、石井刑事。

 

OH-SEさん。小野寺刑事。後藤刑事の真逆に位置する理詰めタイプの刑事さん。犯人確保時のアクションも無駄がなくて、取り調べだけじゃなく現場でも活躍できるというオールマイティーさがよい。小野寺刑事が3人にそれぞれ尋問するシーンは効果的に音楽が使われていてかっこよさしかない。小野寺刑事の今後も気になるところ。

 

 

6/9()はアフタートークあり。北園涼さん、田中涼星さん、石坂勇さん、OH-SEさん、東地宏樹さん。チケット購入後にアフタートークは決定したので加恋ちゃんはいない回。男性だらけかーと最初は思ったけれど、このアフタートークが本当に面白かった!この回でよかった!

むさ苦しい男だらけ、と全員がおっしゃる中でスタートしたこのアフタートーク。それぞれの自己紹介もそこそこに、神永先生登壇、小野寺さん命名式と内容目白押し。

自己紹介で面白かったのは、汗まみれびしょ助といきなり自称した北園涼さん。クールな容貌なのに、この舞台だけ何故か汗がすごいと盛り上がってた笑顔が可愛い。後半は感情の振れ幅が大きいし、舞台上を動き回ることも多い役だからかな。舞台前方を指差して、俺の汗で水たまりができてるとおっしゃっていたので、退場時にその辺りを覗いてくお客さん多し。私も覗きました。が、よく分からなかった。

 

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小野寺刑事の名前を決めようってキャンペーンがtwitter上であったらしく、偶然命名式に立ち会えることになった今回のアフタートークTwitterで挙がった名前案がスケッチブックに書かれていて、それを読み上げて観客の拍手の大きさで最終候補を決めていく方式。候補はけんじろうやけいじ(漢字案が複数!)。最後は神永先生によって、「桂司(けいじ)」に決定。漢字まで選ばせてもらえるって楽しい。

このときに特に輝いてたのはお二人。進行に少し手間取って慌てるOH-SEさん。クールな小野寺刑事とは違った表情が見れて良きかな良きかな。続いて、スケッチブックを掲げてラウンドボーイを務めあげた田中涼星さん。神永先生が登壇したことで椅子が一つ足らなくなって、田中さんが客席の余り椅子を舞台上に持って上がったのだけど、一旦客席でちょこんと座って舞台を見つめるところが可愛くて、笑いと悲鳴が起きてた。愛い。

 

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』、観に行ってよかったです。