僕は君が

ときめきの用例採集

『スーパー歌舞伎II ワンピース』

スーパー歌舞伎II ワンピース』11/20夜の部のネタバレあり感想。「最高」「すごい」しか言えなくなる圧倒的エンターテイメント。ここまで心の底から楽しませてもらえる演目って貴重。無意識に笑顔になれるし、自然と歓声が漏れるし、鳥肌立ちまくり!今後、周囲に落ち込んでいる人がいたらワンピース歌舞伎に連れてってあげたいから一年中やっててほしいと無茶なことまで願ってしまう始末。2018年4月には大阪、5月には名古屋での再演が決定しているそうで。地方公演の日にちをチェックしてしまうって遠征フラグかな???
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スーパー歌舞伎II ワンピース』、通称ワンピース歌舞伎。並び立つ黒子によって腕が伸びることを表現したゴムゴムのバズーカの写真をジャンプ誌面で初めて見たときは、こういう風に表現するのか!とある種の潔さに衝撃を受けた。同時に、ワンピース独特のあの「どん!」などは歌舞伎の見得みたいなものだから相性がいいのかも、ともちょっぴり思った。まあ初演はそのまま観に行けなかったんだけども。すこぶる評判がよさそうだったので次があればぜひ行きたいと思っていたところに今回の再演。待ってました~~~!市川猿之助丈が骨折されたというニュースを聞いて、ワンピース歌舞伎=猿之助丈のイメージだったので今後どうなるのだろうと心配した。それでも、猿之助丈の役を引き継いだ尾上右近丈は素晴らしかった。何と言っても少年らしさの詰まったルフィ。初演を知らない私は違和感なく、最高のエンターテイメントに酔い痴れることができた。

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場所は新橋演舞場。花道がある舞台ってやっぱりアガる!拍子木の音の高揚感よ!今回はぴあで購入したお弁当つきのSS席。花道横。桟敷席のありがたみをまだ理解できていないので、桟敷>SS席というお値段設定だったけど、新橋演舞場で奮発するならSS席一択。花道での見得を遮るものなしに拝めるのが桟敷席の良いところなのかな。桟敷席を経験したことはあるけど、舞台が少し観づらいというのが自分にとってはどうしてもマイナスポイント。お茶をのんびり飲めたり食事を棚に置いてもらったりできるのは非日常感たっぷりなんだけども。ちなみに、頼んだお弁当はこちら。

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第一~三幕まであって上演時間は16:30~20:45。長丁場!とこのタイムスケジュールでは一瞬感じるけれど、歌舞伎は幕間で長い休憩時間があってお弁当も食べられるのであまり負担はない。幕間ではゾロとサンジのショートコント的映像が流れていて、SNSに写真アップしてね~~~と説明される。ハッシュタグの説明をするのがサンジというのが分かりみ深い。ゾロはひたすら、何だよそれって一切理解してなくてこちらも、そうですよねぇと納得しかない。
歌舞伎や文楽のときに重宝するイヤホンガイド。でも今回は歌舞伎ではなく、ワンピースのガイドをするそうな。たしかにいきなりシャボンディ諸島から始まるので、ワンピースにあまり詳しくない人にとっては必需品。私はずっと読んできて把握しているのでイヤホンガイドはレンタルせず。歌舞伎、ワンピースそれぞれに特化した二種類のイヤホンガイドを置いてもらえると嬉しいかも。その方がさらに新規開拓できるのでは、と年に数回程度しか歌舞伎を観ない初心者としては思う。宙乗りや本水のガイドとかあると、他の歌舞伎ではどんな感じなのかなと歌舞伎そのものへの興味を持つ人も増えそう。

そして、これに触れないわけにはいかない、ブロマイド販売。壁に張り出されたブロマイドにはそれぞれ番号が振られていて、申込書に欲しいブロマイドの番号を書いて2F受付に提出というシステム。な、懐かしい~~~。アナログ感溢れる販売方法~~~!修学旅行の写真販売を思い出した。今の中高生はもっとハイテクな方法で写真買ってるのかな。どのジャンルでもグッズにはほぼほぼ興味がないはずなのに今回はまあ買い漁りましたよね。1枚500円のはずなのにお札が飛んでく、飛んでく。ワンピースでは長年ゾロを推してるけれど、サンジがべらぼうにかっこよくてですね。衣装もどえらいかっこいいものを羽織っていてですね。叶うことならここにそのブロマイドを貼り付けてプレゼンしたいぐらいに、プリンス最高~~~と平伏したくなる素晴らしきサンジ。左側が黒のファーコートっぽくて、右側が雲の柄の着物。字面だけで伝われ、この凄まじきかっこよさ。これは財布の紐が緩む。で、エースやマルコもシャンクスも恐ろしく凄みのあるかっこよさでして。またもや財布の紐が緩む。おまけに、サディちゃん(鞭を持っていてエロいタイトな格好をしたドSな女性看守)がはちゃめちゃにキュートで、こんな網タイツのおみ足を収めた写真は買わないと!と再々財布の紐が緩む。散財。いや、素晴らしい写真に等価交換しただけだからセーフ。むしろよくやった自分。一枚一枚、係のおじさまが、○番はこちらですね、と確認してくれる親切仕様だけど、背後に並んでいる人にもどれを買っているか丸見えなので、5枚目を越えた辺りから恥ずかしくなってきた。何だこの羞恥プレイ。


幕ごとの感想。一幕大体一時間~一時間半ほど。
第一幕
主な舞台はシャボンディ諸島とアマゾン・リリー。ワンピース読者としては、シャボンディ諸島からスタートしてエース処刑まで終わらせられるの?と一瞬心配になったけど、上手く凝縮されているんだこれが。天竜人に歯向かったことで各地にバラバラに飛ばされた麦わら一味。その前に麦わら一味の名乗りがあってここが粋の極み。歌舞伎とワンピースの融合とはこういうものだ!と見せつける勢いでのおのおのの名乗り。歌舞伎でも新感線(五右衛門ロックなど)でも名乗りがあるものが特に好きなので、この時点でもう楽しい~~~!とニヤニヤした。「白波五人男」っぽい!そうして一人だけ、女帝ボア・ハンコックが治める男子禁制の島、アマゾン・リリーへと飛ばされたルフィ。ここの目玉は何といっても早替え!ルフィとハンコックをまるで自由自在に行き交っているような早替えには歌舞伎の伝統を感じる。え、もう替わってる!?と驚くことが多々。まだこの時点では正直、予想以上に行儀正しいというか品のある右近丈のルフィには戸惑っていたのだけど、この一幕で徐々に慣れていった感じ。カリスマ性よりも、少年らしい無鉄砲さを全面に押し出しているルフィで、周囲の人間が彼のために動いてあげようとするのが納得できる雰囲気。一方でハンコックといえばメロメロの実の能力者で絶世の美女。尾上右近丈のハンコックは美しい。見下しすぎて見上げているあのお馴染みポーズも披露していて、これこれ!これが観たかった!とテンションも問答無用で上がる。第一幕ラストにはそのハンコックが小林幸子のようにド派手な衣装と演出。舞台を埋め尽くす衣装に次ぐ衣装!どんどん高みに上がっていくハンコック!終わったときには、第一幕でこのスケールって二幕以降は何が待ち構えてるの……とドキドキした。


第二幕
舞台はひたすらに監獄島・インペルダウン。海軍によって収監されている兄・エースを救出するため、インペルダウンに侵入するルフィ。監獄の中で旧友のボン・クレーと再会して、看守たちとの戦いを繰り広げる。第二幕は涙と笑いで幸せすぎる忙しさだった。毒ガスで瀕死のルフィが苦しんでいるところへ、花道から登場したのはチョッパー。これまで人形だったのは前振りだったのか!市川右近くんの可愛らしさに、新橋演舞場の全員が保護者気分になったはず。微笑ましすぎて泣けてくるという体験をした。そうして、ボンちゃんが登場するところは終始涙。ボンちゃんのくだりって基本的に笑いが起こるけれど、自分はどうしても涙腺が緩んでしまう。ボンちゃん最高~~~!友情に篤いボンちゃんのオカマ道に刮目せよ!!!坂東巳之助丈のボンちゃんは息を呑むほどに再現度が高くて愛に溢れていた。他にゾロとスクアードもされていてこれまたかっこいいけれど、私の中ではボンちゃんが最高オブ最高。ボンちゃんのときの声がゾロやソクアードのときとは全く違っていてそこからもう魅入られる。「麦ちゃん、あんたならできるわ」なんて泣く。泣くしかない。第二幕全てがボンちゃんの見せ場だと主張したいけれど、やっぱり革命戦士・イナズマとともに看守たちに挑む死闘が圧倒的。約10トンもの本水が舞台上に溢れる大滝での立廻りは、もちろん水飛沫を上げながらの闘い!スライディングしたり舞台上の水を蹴り上げたり何でもアリで、前方の席にはかなり水飛沫が飛んで歓声も上がっていた。ちなみに、イナズマを演じた中村隼人丈はサンジ、イナズマ、マルコを担当されていて、これはあかん……。レディーたちの運命狂わせるやつ……。イケメン枠、隼人丈。友のために繰り広げるボンちゃんの死闘に涙してたら、凄まじい気迫で花道をオカマ六方で駆け抜けていく引っ込み!花道そばの席で本当によかった。ちなみに、松竹公式がアップしている初演時のシネマ歌舞伎の予告編はこちら。37~38秒に一瞬、ボンちゃんとイナズマの本水での立廻りが映ってる。

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六方~~~ボンちゃん最高~~~と心がぐるんぐるん暴れまわっているところに、海軍本部へ向かうルフィがサーフボードで宙乗り!息もつかせぬ展開すぎて、あの瞬間ワンピース歌舞伎に心臓を握られてた。胸が苦しい。主題歌「TETOTE」の流れる中で宙乗りを披露するこの時間のことを“ファーファータイム”と言うらしい。大きなクジラも宙を練り歩いてるよ!浅野和之さん演じるイワンコフたちニューカマーランド同志もみんな登場するよ!観客も立ってタンバリンや手拍子で声援を送るこの“ファーファータイム”の多幸感たるや。タンバリンは第一幕幕間でも宣伝していて、まだ200個しか売れてないなんてこともバラされていた。200個って結構すごくない?と思ったけどそうでもないのか。一階席は半数以上がタンバリンを持っていたかな。花道そばだったから浅野イワンコフさんやニューカマー面々とハイタッチできて楽しかった~~~!ニューカマーの皆さん、花道から3~4席ぐらい離れててもハイタッチするために身を乗り出してくれていた。このお祭り騒ぎが楽しすぎて涙があっという間に乾いた。そして、テンション最高潮のまま休憩に突入。かつてないほど熱気に溢れた幕間を体験した。


第三幕
舞台は海軍本部マリンフォード広場から星が浜へ。とうとう、海軍本部のマリンフォード広場を舞台とした海賊と海軍の“頂上戦争”。元帥センゴク赤犬サカズキたち海軍三大将をはじめとした海軍、エースを救いに来た白ひげ海賊団、そしてエースとルフィ。頂上戦争編はワンピースでも屈指の人気エピソードで、盛り上がりをきっかけにワンピースを再び読み始める人がものすごく多かった印象。本誌を朝イチで買いに行く人に溢れていたあの頃。その後のワンピース展でも頂上戦争編は大きく取り上げられていて、エースの最期まで描いた原作のコマが映し出される部屋ではすすり泣きが響いていた。そんな頂上戦争編を描いた第三幕では能力を使った闘いが多く、プロジェクションマッピングなどを駆使するだけでなく歌舞伎本来の伝統も受け継がれていて沸いた。白ひげ海賊団のマルコが不死鳥の姿で客席三階から舞台へ宙乗りしたり、紙吹雪が乱れ舞う中での青雉の氷河時代フライングがあったり!幻想のように綺麗な紙吹雪に目を奪われた直後にスピード感溢れるフライングを目の当たりにして、ええ!?と声が出そうになった。予想外すぎてビビった。何あの美しいフライング!さすが海軍大将は一味違う。上記動画では30~32秒のところでこのフライングが拝める。
市川右團次丈演じる白ひげは恐るべき貫禄。長刀を構える姿だけでも、大海賊時代を象徴する男という説得力がある。あらゆるイメージを古典歌舞伎から引っ張って表現している、と筋書きでも触れられていた通り、ワンピース歌舞伎の中で最も歌舞伎らしい衣装や演出だった。白ひげ海賊団はワンピースの世界観の中でも一際任侠の雰囲気が色濃くてそれがまた歌舞伎と合っている。平岳大さん演じるエースは悪魔の子として呼ばれてきた苦悩によって影があり、それがまた色気にも通じていてかっこよかった。傷だらけの姿にもほどよくついた筋肉にも見惚れる。ルフィと二人並んでの兄弟見得は拍手しかない。エース救出のためだけにこれまで頑張ってきたルフィが報われた瞬間であり、自らの生をずっと悩んできたエースが真の意味で救出された瞬間でもあるように見えた。ずっと囚われの身だったから第三幕でようやくメラメラの実能力者としての闘いを見せてもらえてカタルシス赤犬と対峙した際に、赤の旗を掲げて炎を表現する演出には心が踊った。かっこいいいいいい。そして、そして、「この時代の名が白ひげだ!」これは泣きますわ~~~。泣いた。すすり泣いた。一番泣かせるポイントはその後のエースのくだりだろうけど、原作でのこのエースのセリフがものすごく心に刺さっていたから、ワンピース歌舞伎にも使われているのが嬉しすぎてそっちの意味でも泣けてきた。「この時代の名が白ひげだ!」って何て尊いセリフなんだろう。
その後、エースを喪ったルフィの星が浜での慟哭。ここでの早替えは全く分からなかった。え、いつの間に替わったんだ!?最後にもう一度麦わらの一味が登場してくれてよかった。これぞワンピースだ!ワンピース歌舞伎よ、永遠なれ!

自分でも驚くほどにワンピース歌舞伎に魅了されて、千秋楽間近の11/20に観に行ったことをひたすら後悔した。あと二回は観たかった。まだ大阪や名古屋で来年観ることができるので遠征するか考えたい。シネマ歌舞伎にも早くなっていただきたい。圧倒的エンターテイメントで多幸感たっぷりのワンピース歌舞伎、最高!!!

ときめきの用例採集

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先日、はてなさんからクラッカーでお祝いされた。このブログを開設して半年経ったそうな。そういえば、ブログを作ったのは6月だっけ。はてな、キミに決めた。小さな頃ポケモンヒトカゲを即選択したみたいに、逡巡することなく、はてなでのブログ開設を決めた。即決。理由は単純で、私のスマホのブックマークははてなブログで溢れている。はてなを始めても読者登録よりブクマに入れていく方が好き。自分のスマホの中にお気に入りの世界があるのは幸せ。雑記や料理ブログを読み漁れるなんてここは天国。その片隅に自分のブログを作るのは自然なことだった。舞台関連のブロググループがあるのは開設してから初めて知った。ジャンルの網羅が半端ないはてなに恐れ入る。

指折り数えてみると、ブログを書いていないのはAKBヲタだった数年間だけかもしれない。それ以前の、二次創作に励みに励んでるヲタクの頃は、サイトとブログを更新する日々だった。Pixivというフィールドが最初から存在している若人と違って、創作するヲタなら誰もが自分のサイトというやつを持っていた時代。200×40バナーが懐かしい世代。最初に覚えたのは<a href="">のタグ。あ、書いてるだけで加齢しそう。自分がいたジャンルに限って言えば、サイトとPixiv両方を経験した最後の世代かもしれない。ロリポップ、忍者カウンター、jugemブログ、web拍手。ああ、懐かしすぎる。Pixivができたときは何これ画期的なの、どうなの、と戸惑ったくせに、もはや今はpixivの手軽さが染み付いていて、恐ろしいぐらいにタグを忘れてる。人間、使わなければ忘れていく生き物。それでも、とある作家さんのマンガを手に取ったときに浮かぶのは、その人の遥か昔のサイト名だったりする。もうそのサイトも今はないのに。

久しぶりにブログを書こうと決めたのは、今年の春、自分が過去にしたためていたブログを覗いたのがきっかけだった。その頃の全てを捧げていた原作とキャラクターへの感想(妄想)をひたすらに書き散らかしていただけのブログだけど、読み返していてびっくりするぐらい愉快で、愛おしくて、時計の針が自然に戻された。原作のただの一コマから1万字以上妄想したり、宗教行事のように誕生日を祝福したり。過去の自分の熱量を後から読み返すという娯楽。本人だからこそ味わえる楽しさを目一杯謳歌。時々、自分自身が滲んでいる記事もある一方で、うそもほどほどに織り交ぜていた。ほんとうのことだらけはだめだよ、危ないよ。インターネットの危うさを教えてくれたのは、年上のおねえさんだった。その教えを忠実に守ったかつての自分がついたうそ。今の自分はきっといくつかは見破れないまま読み進めてただろう。時計の針は実際には戻ってない。

このブログは4代目、のはず。過去と違う点は、私の中で初めての、独立したブログだということ。サイトのサブコンテンツではなく、ブログそのものがメイン。ブロガーみたいだ。くすぐったい。そんな感覚だったのは最初の一ヶ月だけ。今はもう、観劇がメイン、ブログがサブという思考になっている。だから、こうした雑記を書く方がくすぐったい。それでもこのブログには「ときめきの用例採集」の役目を任じているからあれこれ書きたいところ。ときめく、ときめかない。断捨離のときの判断基準のよう。自分のときめきって意外と把握できてないかも、と気づいたのは過去のブログを読み返してるときだった。とあるものに何度もブログで触れていて、この頃から好きだったんだな、と今さら気づく。ときめきの再確認。ちなみに、「用例採集」というのは『舟を編む』で学んだ言葉。国語辞典を編纂するにあたって辞典に収録する言葉をピックアップし、その言葉が実際にどのような場所でどんな風に使われているかを記録して集める作業、のこと。私も、自分の脳・心臓が、一体何にときめきを覚えるのか採集していけたら。
自分で自分にご褒美をあげてご機嫌に生きていきたい。自分で自分をメンテナンスして歩いていこう。大人になった今だからこそできる。ときめくものをご褒美にしたい。ときめきがあるだけで、落ち込みを一瞬でも忘れられる。アイドル、同人活動、ハイロー、握手会、登山、ライブ、短歌、舞台。今この瞬間に猛烈にときめいてるモノ・コト・ヒトを記録したい。書き散らかしたい。それをまた後で読み返して思い出に浸りたい。現在進行形での娯楽で、未来での娯楽にもなり得てくれるんだからブログって最高だな~~~!はい、つまるところ、ブログ最高、と言いたいだけでした。

「好き」の対象は多くても損はない。心を割くものが多いことは疲弊に繋がるかも、と一時期敬遠していたけれど、自分に限って言えばそんなことはなかった。根っからのミーハー気質。軽率に好きなものが増えていくのはこの上なく心が踊る。これからも、自分のときめきの用例採集として、あれこれブログに書き連ねたい。

過去の私へ。現在の私は何と、イケメンの見分けがつかないから無関心だったはずのLDHのドラマにときめいてます。未来の私へ。今は何にときめいてますか。

『レディ・ベス』(11/13)

『レディ・ベス』11/13ソワレ公演のネタバレあり感想。

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『レディ・ベス』を別キャストでもう一度観てきた。今回のキャストはこちら。前回観た10/25ソワレ公演とは全て違うキャスト陣。贅沢なWキャスト!

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舞台美術や衣装、楽曲などについてもあれこれ触れている10/25感想はこちら。

seshiki.hatenablog.com

舞台全体の感想。一回目の感想と同じく深く突き刺さるものは少なめだけど、明らかな山場を求めなければ許容範囲なのかも。どういう山場があればもっと盛り上がったのかなぁ。エリザベス自身はどうなりたいのか、どうしたいのかが知りたかったし、多少は自らの手で運命を切り拓く姿が見たかった。運命の濁流に翻弄されているエリザベス、って視点で見ればよかったのかな。そういえば、前回気にかかっていた"レディ・エリザベス(ベス)"呼びになった経緯についてはやっぱり触れられていなかった、と思う。ベス呼びの経緯を明確に説明すればエリザベスの置かれた立場もより分かりやすいのにどうして触れないのか不思議。ロジャー先生の歌で触れていたのかな、私が聞き取れなかっただけで。『レディ・ベス』のwikiには下記の通り明記している。

題名のレディ・ベスについて、母親であるアン・ブーリンが不義の疑いで処刑されたため、当時3歳に満たなかった娘のエリザベスも一時庶子にまで身を落とし王女としての地位を失う。それに伴い、呼び名に困った侍女が彼女をプリンセス・エリザベスから、レディ・エリザベス(ベス)と呼ぶようになったことから。

今回は二度目の観劇でストーリーも歌詞も把握しているからか、メアリー一派&スペイン組以外の楽曲も実は好きかも、と新たな発見。「邪悪」「悪魔と踊らないで」「クール・ヘッド」「ベスを消せ」はやっぱり別格だけど、エリザベスやロジャー先生の楽曲も聞き慣れるとなかなか好み。ロビンの序盤でのひょうきんな歌詞も、育三郎さんのおどけた表情とあの歌声なら入り込みやすい印象。加藤和樹さんにお調子者の役柄が合わないというわけじゃなく、ひとえに私が、加藤さんに対して憂いたっぷりのイメージを何故か抱いているからだと思う。跡部様なのに何故だ。エリザベスと離ればなれになってからは、加藤和樹さんのあの悩ましげな歌いっぷりが好き。舞台美術と衣装は二度目の観劇でも見惚れるぐらいにやっぱり美しい!エリザベス即位時のあのドレスの荘厳さは最高!

 
キャスト別感想。
平野綾さん。レディ・ベス。とにもかくにも可愛くて歌声も恐るべし。平野綾さんのベスは、女王の器になるべく成長していく等身大の女性といった印象。お転婆ながらもそこはかとなく気品も漂っていて、ロビンとの恋路がより映えている。エリザベス女王のひとときの青春というのが納得できる。生まれながらの女王感に溢れていた花總ベスとはまた違ったエリザベスでよかった。これぞWキャストの醍醐味。
花總ベスと加藤ロビンでは、初対面時のツンツンした感じから徐々にお互い惹かれていくところがまさにラブコメ!と思ったけれど(花總ベスのロビンへの噛み付きっぷりがよい)、平野ベスと育三ロビンはお互いに最初から好印象でした感がある。ラストでも、平野ベスと育三ロビンはそこまで重苦しく思いつめていないというか、別離を選んでもどこか清々しさを感じられた。お互いによい思い出として胸に秘めて満足していそう。


山崎育三郎さん。ロビン・ブレイク。木の精霊のようなあの緑尽くし衣装を着こなせていてすごい。まずそこに驚いた。お調子者でどこに行っても生きていけそうな流れ者というのが納得できる育三ロビン。平野ベスとの恋愛シーンも予想以上によかった。育三ロビンは、即位後はあまり自発的にはエリザベスの動向をチェックしていなさそう。酒場で周囲から伝え聞くエリザベスの話を黙って笑顔で聞いていそうなイメージ。一方の加藤ロビンは、女王即位後もエリザベスの動向を気遣わしげに窺っていそうな気がして、幸せになってくれ……と願いたくなる何かがある。育三ロビンは生命力に溢れていていいね!どちらにもよさがある。

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古川雄大さん。フェリペ。ロミジュリで古川雄大さんを見て、そのビクスドール感に惹かれて今回の『レディ・ベス』チケットを獲った経緯があるので、古川フェリペは今回のお目当て!いやー、フェリペの無駄に肌を露出させたあの格好が恐ろしく似合っていて凄まじい。フェリペ登場直前にオペラグラスを構える観客が多いのも頷ける〜〜〜!「クール・ヘッド」の中毒性恐ろしい。歌詞で「行かず後家のブス」の箇所、ブスとデブの二パターンあるのか!どちらにしてもキツイ。二回目の観劇だからか、スペイン国王である父の駒の一つとして扱われることを厭うているフェリペの思惑がさりげない所作や視線に感じられて、細かなところで楽しめた。図らずも毒殺してしまうあのシーンは、古川フェリペで観てみるとやっぱり故意のように思えた。この辺りのルナールとのやり取りが最高。

今作ではエリザベスが自発的には動か(け)ないために、フェリペ頼みな部分がものすごく多い。ただでさえスペック飽和状態なのにチートさがどんどん増していくフェリペ殿下。フェリペに頼りきった状態で終わらせるんじゃなく、後の無敵艦隊関連のあれこれを示唆する二人の掛け合いでも挿入されていたら嬉しかった。即位式にも呼ばれてなくて悲しすぎるよ、フェリペ。


吉野圭吾さん。シモン・ルナール。スペイン大使。すごくすごく好き!スペイン組の衣装は全て最高!エリザベスを消したいという願望は分かるけれど、それ以外は何一つ思考が掴めない謎の人物。せっかくの魅力的なキャラクターだからもう少し主張の伝わるセリフがあればなぁ。フェリペ殿下との掛け合いでは、お互いにそれとなく主導権を握ろうとしている感じがよい。このボンボンめ、と舌打ちぐらいはしていそうなところが最高なルナール。でもフェリペ殿下のクール・ヘッドにはちゃんと一目置いていそうで滾る。仕えていて損はないと思っていそう。フェリペ殿下とルナールの初対面の様子が見たい。


『レディ・ベス』が「世界初演」と大々的に銘打っていたことは知っているけれど、そのうち海外での公演も始まるんだろうか。ヘンリー8世アン・ブーリンの扱いが今のままで変更なしなら、海外での反応には興味津々。アン・ブーリンが清純担当ってなかなか見かけない気がするけど意外とそうでもないのかな。

恋愛と王位、どちらも描いているためにかえってあっさり風味に感じられたストーリーにはあれこれ物申したけれど、またいつか再々演があれば一度は観てみたい。ロミジュリ以来久しぶりに、Wキャストの比較もできて楽しめた舞台だった。