僕は君が

ときめきの用例採集

『デスノート THE MUSICAL』(ネタバレ控えめ)

デスノート THE MUSICAL』、通称デスミュを観てきたので感想を。ネタバレ控えめ。二回目を観に行く予定なのでネタバレだらけ感想はその後にでもまた書く予定。知識としては原作・アニメ・映画は一通り観ていて、デスミュに触れるのは今回の再演が初。あらすじは以下の通り。

「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」

死神リュークが、人間界に落としたデスノートを拾った成績優秀な高校生・夜神月

半信半疑でデスノートを使った彼は、その威力を目の当たりにして恐怖する。
しかし自分が理想とする社会を作るため、強い精神力で恐怖を乗り越え、凶悪犯を粛清しようと決意。

「心の正しき人々のために、すべての悪を裁こう」

デスノートの効果で次々に死んでいく犯罪者たち。そして月は救世主キラとして、世界の人々から指示を集め始めていた。

だが、この不可解な事件を解決するために、日本警察は世界屈指の名探偵 L に捜査を依頼。
依頼を受けた L は、キラの逮捕を宣言する。

「追いつめてやる。死ぬのはお前だ」

今、二人の壮絶な戦いが始まる・・・・。

 

hpot.jp

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舞台という構成や時間から考えて、原作(初期)の緻密な心理戦を繰り広げるのは難しいだろうことは分かっていたし、覚悟していた。原作の文字量が半端ないことはもちろん知っている!それを逆手に取ってか、デスミュでは天才同士の緻密な心理戦よりも感情的な方向へ舵を切って人間ドラマを描いていた。家族愛や恋愛なんてしゃらくせぇ!と原作が削ぎ落とした部分(そこまで言ってはいない)を丁寧に拾い集めて、エモいデスノートとして新たに構築した印象。妹である粧裕が月のことをヒーローとして憧れているシーンや、キラの捜査にあたる刑事たちが家族のことを考えて悩むシーン、父の総一郎が家族愛によって公平な捜査を行えていないのではと苦悩するシーンなど感情に訴えかけてくるものが多い。ただ、心理戦ではないけれど、月とLの熱いバトルはちゃんと用意されている!あいつらこそがテニスの王子様……!あの月とLが「上がろうぜ さあ リングへ」や「まるで今世界に二人だ」と共に睨み合いながら歌い上げるだけでもうデスミュの勝利確定です……。すげえや。圧倒的熱量に息を呑むことしかできなかった。

ストーリーの感想としては正直、頭脳戦やデスノートのルールの追求などは繰り広げられないし、推理にも粗が目立ちすぎる。FBI関係者はまずSNSに注意を払いましょうという学び。どうしよう、FBI関連のこのトリック好きだったけれど、デスミュ世界では月のネットストーカー技術が巧みなことしか伝わってこないぞ?ここは少し笑ってしまった。
不満を語っておいてアレですが、前述の通り、魅力的な楽曲たちの前では平伏すしかない!歌がどれもこれも最&高!!!ドーパミン大放出!!!原作のデスノートとは完全に別物だと割り切る努力は心掛けていたので(そもそもメディアミックス化によって今更覆るような原作ではない)、癖になる楽曲にニヤニヤしてるうちにデスミュにハマってしまった。……そう、ハマってしまったのです。購入予定のなかったパンフレットも前公演のライブ録音盤も買ってしまった〜〜〜。最高オブ最高!今回の再演では一部キャスト変更があるから現キャストの音源化も待機。私が観た公演でちょうど収録が入っていたのでもしかするとWOWOW放送かDVD化がありえそう?

 

キャスト別の簡単な感想。ネタバレだらけ感想ではもう少し詳しく語りたい。
浦井健治さん。夜神月。穏やかな言葉遣いかつ優しげな語尾の月で、冒頭から動揺した。言い方が逐一甘ったるい。教室での正義についての討論からストーリーが開始したことでデスミュの夜神月の思想が理解しやすくて、親切な演出。面倒ごとを避けて教師の意見に表面上だけでも同意しそうなものなのに予想外に楯突いていて、結構な熱血漢で自分を曲げないんだなと。正義なんてご都合主義だと吐き捨てていた月が、ノートを手に入れてからの躊躇いと決意を歌い上げた「デスノート」は圧巻。自分は人殺しかと苦悩し、それでも持ち前の精神力と自信で自我を立て直していく様の繊細な移り変わりが表現されていた。この辺りの歌詞を読んでいると、初期の月の中にある無垢さが垣間見えてきて滾る。月の精神力については原作デスノートの単発続編でも言及されていたから何となく嬉しい。
月とリュークの関係は原作よりもリュークに主導権がありそうな印象。原作のリュークなんて月に速攻怒られてるというのに。あ、「分からないかなー?」とまるで赤ん坊をあやすかのようにリュークに問い掛けたあの場面、あれはズルい。ハート泥棒すぎる。まだ一度しか観ていないので浦井さん独自の演出なのかは不明だけど、デスミュの月は不意打ちでお茶目な言動を見せてくるから慌ててしまう。第2部後半で見せる冷酷さとのギャップが凄まじい。また、月と父親の邂逅は予想以上に少なかったけれど、二人の言葉の意味するところが恐ろしいまでにすれ違っていた「一線を越えるな」には胸が騒いだ。「神になれ」「神になる」の意味合いがズレていることに月は気がついているだろうけど、一方で父は全く思い当たってもいないはず。父子の絶望的な噛み合わなさにやりきれなくなる。Lとのやり取りで何よりも熱量が感じられたのはテニスの王子様な二人が降臨したあのシーンで、互いを負かそうとする二人の負けず嫌いな部分が引き摺り出されていて最高。あの音楽、延々リピート再生したくなる。そういえば、テニスでのブレイクタイム、月とLの対女子の態度が180度違っていて興味津々だった。月は女の子と自然に密着しすぎだし、ラケットを手渡す仕草が慣れすぎているし、さすがモテていそうだと感心しかない。
デスミュは月とLの対決よりも、自分自身の理想である正義の達成に燃える高校生が余りにも強大な力を手にしたことで歪んで破滅していくストーリーに重きを置いていると感じた。だからこそ月の新宿での覚醒にはキターーー!と沸いたんだけども、最後の最後にそれをも凌駕する演技を見せられて固まってしまった。鬼気迫る凄味。40秒カウントルールも見事に使い切っている!ラストの大黒ふ頭についてはネタバレだらけ感想のときに思いきり語りたい。

小池徹平さん。L。感情を極力削ぎ落とした口調で少し子供っぽい。Lのナンバーは特に独特な抑揚のものが多かった気がする。歌うのが難しそう。Lのナンバーで一番夢見心地になれたのは「揺るがぬ真実」で、「いいだろう すべてを認めよう」の瞬間にLが佇む地面のライトが一斉に点いたところ。あれは瞬きももったいないぐらいにかっこよすぎる演出!執事であるワタリの不在でL陣営のパワーダウンは否めないかと一瞬心配したけれど杞憂だった。立ち居振る舞いに関しては小池Lが一番、原作キャラに寄り添っている印象を受けた。というか、そもそも、デスノートでL以外のキャラクターにはあまり目立った特徴は与えられていないと今更気がつく。
月の父・夜神総一郎によって、Lの非人道的な捜査は何度も咎められる。一線を越えてしまえばいつか代償を払わなければならないと幾度も訴える夜神総一郎の言葉通り(これは本人の意図しないところで息子への痛烈な批判にもなっているという舞台らしい演出で好きだ)、L自ら「ゲーム」と評したこの勝負に絡め取られていく。いや、自ら飛び込んだと言える。それにしても、Lのあの平坦な声音で「目障りだから遊んでやろうか」と歌われるとぞくっとする。この歌詞があまりにも直接的かつ好戦的だからすごく耳に残った。Lも大概負けず嫌いだ。そんな彼が月とテニスをした後に、「初めての友達ですから」と告げたときのあの形容しがたい表情もまた目に焼き付いた。大黒ふ頭でのLと月の対峙、あれはどこからがデスノートの範疇なのだろう。Lならば何か仕組んでいたのではないかと思えて仕方ない。この辺りは次回観劇時にもう少し注意して観てくる予定。
カーテンコールで一礼した際にちょうどフードをすっぽり被ってしまうというチャーミングすぎる偶然を立ち続けに二度も目撃した。おまけにその後の小池徹平さんの照れ臭そうな表情が可愛らしくて、色々な意味でさらに強く拍手をしてしまった。

唯月ふうかさん。弥海砂ミサミサの髪型は金髪ツインテールなのか、黒髪ボブなのか、それが問題だ。どちらにしても甲乙つけがたいほどにキュートの極みだった。ひとまず、ミサミサが地下アイドルじゃなくてよかった。横浜アリーナぐらいは満員にしていそうなトップアイドルで一安心。ただ、ソロアイドルのライブで他の若い女子をバックに大量につけるなんて、ミサミサの事務所とは方針が合わないなーなんてアイドルヲタっぽいことを考えてしまった。ミサミサライブ中、オケメンバーの方々も手を叩いていてノリノリだったのが微笑ましかった。さすがミサミサ、トップアイドル。
ミサミサの行動原理であるキラへの心酔の理由は、冒頭から語られているため分かりやすい。だからこそ月と出逢った瞬間からの猪突猛進のアプローチにも納得できる。月の気迫に怯むミサミサも可愛かった。一方でレムとは、守護者とその対象としての関係がより強調されているように見えて、月とリュークのシビアなことよ……とまで思わされる。ミサミサの拘束シーンは、生のミュージカルなのに比較的原作に沿ったポーズにしていたのが意外。そこからさらに驚いたのは、あの体勢であの声量!唯月ふうかさん素晴らしすぎる!その「命の価値」で、「私の勝ちだよ」とミサミサが言ってのける箇所があったと記憶しているけど、ここがミサミサの愛情と意地が全面に出ていて本当に素敵だった。

濱田めぐみさん。死神レム。二人称が「君」!?ものすごく新鮮!呼び方で著しく印象って変わるので、レムが一気に中性的になった気がしてニヤニヤしてしまった。レムとミサミサの関係性最高だな〜〜〜!ミサミサを正面から背後から、常に自らで覆って守ろうとするレムの行動をついつい目が追っかけた。たかが愛で足を掬われるなんてと当初は愚かな人間たちを理解できなかったレムが、その愛によって自分が砂になっても構わないと歌い上げるのが本当に、本当に、胸に迫るものがある。濱田めぐみさんの圧倒的歌唱力たるや!拘束されたミサミサの足元にレムが蹲って左足の甲に顔を寄せる演出では、アニメでオリジナル映像として挿入されたLが月の足を洗うシーンを思い出した。それまではミサミサを守護することに専念して母性さえ感じられたレムが、足元に蹲るときは寄る辺ない子供のようで、ミサミサこそレムの新しい世界を守る守護者なのでは……なんてことまで考えてしまう。

石井一孝さん。死神リューク。人間臭いように見えて一貫してドライ、月よりもレムのことをまだ比較的気にしていそうな感さえある。月の感情に同意したり協調したりすることがほぼなかった気がする。むしろ、月を煽ったり苛立たせたりする方向に精を出していて、リューク最高〜〜〜と拍手したくなった。ただ、その一方でバキュンで胸を押さえたり林檎欲しさに駄々を捏ねたり、人間世界で暇潰しになり得ることには率先して加わっている感じ?リュークのキャラ設定が結構意外で、へぇーーー、ほぉーーーと感心ばかりしていたので、次回観劇時にはもう少し細かく観てきたい。とりあえず、リュークとレムの仲睦まじい死神コンビに幸あれ!


デスミュは2.5舞台にカテゴリ分けされるんだろうけど、その中でも比較的特殊な方に分類される気がした。いや、今がもうこういう流れなのかな?一時期の2.5の偏った知識しか持ち合わせていないので感覚が少しズレているのかも。一世を風靡してきたテニミュなどの2.5舞台は基本的に、原作を知っている観客が大多数を占めていたと思う。原作をどうリメイクするのか、再現度は高いのか、そういう視点からの観劇が多かった。一方でデスミュは、デスノート原作の知識を持っていない観客もどうやら多い。座席周辺やロビーでの会話を聞く限り、デスミュ初演でデスノートに初めて触れた人や今回の再演でデスノートを知ったという人もいた。休憩時間中に、月って最後どうなるの?なんて心配そうな会話を耳にしながら、2.5舞台による新たな層への開拓の可能性が芽吹いている気がした。デスミュに関しては層の厚さが凄まじすぎるホリプロだから成せる技かもとは思ってしまったけれど。
こんなに最高だったデスミュがまだピンポイントでチケットが余っている日もあるようなのでぜひぜひ!

 

 

朗読劇『不帰の初恋、海老名SA』


太賀さん・松岡茉優さんによる朗読劇『不帰の初恋、海老名SA』を観て、聴いてきたので感想を。決定的なネタバレは避けています。なぜなら、このお話が収録されている『往復書簡 初恋と不倫』を一人でも多くの方に読んでもらいたいから。これは絶対に結末を知らないまま読んでもらいたい。参考までに公式サイトを。

www.littlemore.co.jp

 

『往復書簡 初恋と不倫』は朗読劇の戯曲の書籍化らしく、「不帰の初恋、海老名SA」「カラシニコフ不倫海峡」の2篇が収録されている。朗読劇は2012年、2014年と上演されていて、年によってキャスト陣も変更されているそう。私が今回観た『不帰の初恋、海老名SA』は過去に、風間俊介さん×臼田あさ美さん、高橋一生さん×酒井若菜さんなどの組み合わせがあった模様。今回は出版を記念しての再演ということらしく、恐ろしく高い倍率だったのでは……?と推察できるほどに数分でチケット完売、立ち見券も瞬殺だったはず。チケット運があまりない私が席を確保できたのは僥倖。

『往復書簡 初恋と不倫』の著者は脚本家・坂元裕二さん。最近の作品は、『最高の離婚』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『カルテット』など。ドラマ第一話から最終話まで見ることを”ちゃんと見る”と表現するなら、私がちゃんと見たことあるのは『カルテット』が初めてのはず。いつ恋は、月9にあるまじき暗さという周囲の評判で気になって途中から見始めた。ドラマに疎い私にとって坂元裕二さんは、松たか子さんの歌の作詞をよくされてきたという印象が強い。「明日、春が来たら」なんて、フレーズだけ切り取れば甘酸っぱすぎる青春なのに過去形の多用が切なくて何度歌詞を読んだことか……。懐かしすぎる。本番が始まる直前に挨拶されている坂元裕二さんを見たときは、わ~~~この人が小学生時代暗記までした歌詞を書いていた方か~~~とミーハーらしく感激してしまった。想像以上にスマートな方だった。
朗読劇の会場はテアトル新宿。予定開始時刻は21:15と遅め。開場時刻とともに入場してサイン入りの本を無事購入。2章まで読んだところで、まだ時間に余裕はあったけれどしおりを挟んだ。45ページ。しおりは綺麗なブルー。ここから先は、太賀さん、松岡茉優さんの朗読に委ねようと思った。本を仕舞ってから開演まで恐らく5分ほど時間があったはず。スピーカーからは何やら雑談している女子の声が流れていて、放課後の騒がしい教室に迷い込んだ部外者のような気分に陥って少し所在無かった。まるで観客の自分も玉埜くんのように透明人間になった気がした。

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あらすじは以下の通り。書籍公式サイトから引用。

「わたしはどうしても、はじめのことに立ち返るのです。団地で溺れたわたしと同い年の女の子のこと。わたしだったかもしれない女の子のこと。」

初恋の人からふいに届いた手紙。
時を同じくして目にしたニュースでは、彼女の婚約者が運転する高速バスが横転事故を起こし、運転手は逃走中だと報じている――。

 

リトルモアブックス | 『往復書簡 初恋と不倫』 坂元裕二

かえらずのはつこい。このフレーズだけで突き刺さるというのに、海老名サービスエリアまで来た!すでにタイトルでハートを鷲掴みにされている。それに加えて、往復書簡。本作は手紙やメールのやり取りのみでの構成。一人称や往復書簡で書ききった創作が好きすぎるので、この時点でもう期待しかなかった。

 

世界の終わりみたいな顔をしている少年、玉埜広志くん。
世界の残虐非道な事柄に興味を抱く少女、三崎明希さん。

 

中学1年生の玉埜くんと三崎さんの、靴箱に投函し合った手紙のやり取りから始まる『不帰の初恋、海老名SA』。二人を取り巻く人間関係や生活環境の断片が手紙の端々から観客に差し出される一方で、神奈川・厚木の町とホロコーストや殺人鬼が地続きであることが語られていく。やがて大人になり、結婚を控えたかっての少女が少年に手紙を送ったことがきっかけで二人のやり取りは再開する。今度はメールという形になって。
この朗読劇では一貫して、玉埜くんと三崎さんは「手紙」「メール」というツールのみでやり取りをする。直接触れ合ってはいないのに、言葉で互いを慈しんで傷つけて、寄り添おうとする。「手紙」「メール」は、会話ではあるけれど返信の内容やタイミングを自分で調整できる。投函する前、発信する前に何度でも推敲できる。自分の本音を容易く包み隠せる。つまりは、消された言葉たちがある。それでも、そのコーティングが終盤では剥がれ落ちて、剥き出しの玉埜くんや三崎さんが二人の送り合う言葉の中に浮かび上がっていく。一方で、「手紙」「メール」は読み返すことができる。三崎さんの言うように、誰の身にも事故や溺死や自殺未遂は起こり得るのかもしれない。いや、起こり得るんだろう。不幸は他人事ではないし、いつでも自分の身に降りかかる。人は呆気なく不幸になる。けれど、自分のために綴られた言葉により人は救われることもある。二人が「手紙」「メール」というツールを利用していたおかげで、かつて綴られた言葉に何度でも触れられる。それを活かした本作の締め括りは本当に美しかった。

前述の通り途中まで読んでいたけれど、そこからさらに二転三転して着地点が全く見えなくて、ここまでスリリングな展開になるのかと驚いた。暗闇の中を、太賀さん・松岡茉優さんの声がそっと、時には大胆に切り開いていくイメージ。幼い頃に「透明人間」だった二人。玉埜くんは教室で、三崎さんは家庭で。ともすれば哀しさだけで塗り固められそうな設定なのに、二人の言葉の節々からは生の匂いもちゃんと感じられる。サボテンを育て、食事をし、避妊具の話をする。特に食事は具体的な名称も挙げられているからより印象に残る。海老名サービスエリアのしょうゆラーメン、鯵の素揚げ、ガストのトマトとバジルのイタリアンハンバーグセットの大盛り、小木港のブリの照り焼き定食に豚汁、など。海老名の鯵の素揚げ、おいしいですよね~~~!海老名に行ったらいつも買ってしまう。ペペロンチーノ味という摩訶不思議なものまでおいしいから不思議。


太賀さん。
玉埜広志くん。中学時代と大人になってからの声に違いがあり、どちらの声も聞き取りやすい。少年時代での一言目は警戒心も露わで殻に閉じこもっている様子が一瞬で感じられた。ぶっきらぼうというよりも繊細であるが故に頑なな少年のイメージ。中学時代は、玉埜くんの表面コーティングの方が分厚いけれど、剥がれ落ちるスピードは比較的速かった。それが玉埜くんの隙というか、素直で愛おしい一面だなと。大人になってからは広告業界で揉まれて自信がついたのか、何気ない会話では間を置かずにテンポ良くレスポンスしていた。女性へのプレゼントに香水を選ぶとは随分と業界に染まって自信家な男性になったんだね玉埜くんなんて思っていたら、「ディー・アイ・オー・アール」の香水を買いましたなんて報告するから微笑ましくなってしまった。ブランドに精通していなさすぎる!しかも、この部分は本には載っていなかったので太賀さんのアドリブ?この一言によって、観客の中で玉埜くんの人物像がさらに彩られて身近な存在として芽吹いたと思うので、お見事すぎる。朗読しているときの姿勢もその時々によって結構変えられていて、中学時代の俯きがちな体勢から大人になって背凭れに若干背を預けた瞬間、身体を縮こまらせることで自分を防御していた少年が成長を遂げたんだと感じた。
玉埜くんは三崎さんからのサインを何度も見逃してしまう。中学生時代には迫る春休みについて寂しがる言葉を気に留められないし、大人になってからもショッピングセンタームラヤマの存在を忘れて不用意な返事をしてしまう。ショッピングセンタームラヤマを忘れただと!?と思ってしまったけれど、この部分はある意味リアル。二人が大切にしている思い出が必ずしも共通のものではないと痛感した。それに玉埜くんは、雨の日曜日と直結する思い出を長年慈しめるほどにはまだ強くなかったのかもしれない。記憶の底に沈めるしかなかったのかもしれない。ただ、だからこそ、そんな玉埜くんが自らの言動を改めて振り返って言葉を送るシーンでは涙が流れた。自分の世界の終わりを救ってくれた少女のために動き始めた玉埜くんはまるで殉教者のようだった。

あれ、返したいです。君の力になりたいです。

 

松岡茉優さん。
三崎明希さん。水色のロングワンピースが可愛らしく、松岡さんのソファーの前には足の高さを調節するためか踏み台的なものがあった。三崎さんは玉埜くんほど中学時代と大人になってからで声音は変わっておらず、それがまた、捉えどころのない雰囲気を強めていてよかった。本を読んだ当初は比較的ふわふわした天然そうな少女をイメージしていたけれど、松岡さんの声や間を聴いているうちに、意識的に自らの核を掴ませないように振舞っている少女という印象が強くなっている。「三崎です」の冒頭の柔らかで少し茶目っ気がある語り出しに一瞬で引き込まれて、松岡さんの朗読の抑揚がすごくすごく好きだった。そういう抑揚にするんだ!?と意外だった箇所もあって、朗読劇の楽しさを味わえた。それにしても、大人の三崎さんのコーティングの分厚さよ!中学時代の玉埜くんなんて秒殺だったな……と思うぐらいに距離の置き方が絶妙すぎる。玉埜くんがショッピングセンタームラヤマを失念していた際の三崎さんの返事。相手に全く気を遣わせない返答なのに何か欠落したような声音で、こちらの胸が締め付けられた。玉埜おおおおお。
終盤での三崎さんの長文メール。俯きがちに思い詰めた雰囲気で語り出した三崎さんが、手を握られた中学時代のあの時間について触れるときの泣き笑いのような、寂しさと愛おしさが混じり合ったような声に耐え切れず、その前からすでに泣いていたけれどさらに涙が流れてしまった。思春期の、あの聖域のような特異性ってたしかに何なのだろう。そして、後日談を語る三崎さんもまた、初恋に殉じている。すでに透明人間の扱いを受けたことがある少女が紡いだこの言葉。さらりと、あっけらかんと、むしろ楽しげに三崎さんはこの言葉を言っていたけれど、少女の初恋の強さを改めて思い知る。

それで玉埜くんとお話が出来るのならなりたいですし、全然なりますよ。

 

朗読劇を終えられた太賀さんと松岡さんがステージ上から階段を降りるとき、太賀さんが松岡さんに掌を差し出していた。今まで一切触れられない距離を保ち続けた二人がここでようやく触れ合えたんだと、玉埜くんと三崎さんを重ねてしまって、また泣けてきた。

呪いではなくまじないになった初恋。一寸先は闇という言葉のように、人生には底なしの闇が口を開いて待ち構えているのかもしれない。それでも一生で一度の初恋をお守りのようにして生きていく二人を描いたこの朗読劇は、私にとって傑作だ。

劇団☆新感線『髑髏城の七人 season鳥』(8/23)

『髑髏城の七人 season鳥』8/23ソワレ公演のネタバレだらけ感想を。

これまでの鳥髑髏感想はこちら。ネタバレ控えめ、ネタバレあり、捨天蘭の関係、LVなど。

seshiki.hatenablog.com 

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seshiki.hatenablog.com

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そういえば、この記事を少し手直し。ほぼほぼ自分のために、9~12月の髑髏城関連のゲキ×シネ情報追加。都内ではアオドクロとワカドクロを観るチャンスがまだある!髑髏城とは関係ないけれど、10/4に五右衛門シリーズ中で一番好きな『五右衛門ロック』第1作目が放送されるので、WOWOW様には感謝しかない!DVD持ってるんですけどね。マント翻してタップダンスを披露するカルマ王子(森山未來さん)は最高なので、WOWOW放送によって一人でも多くの方が目撃できるとよい!五右衛門ロックシリーズは髑髏城よりさらに取っつきやすい人情ドタバタコメディ(ほんの少しシリアス要素あり)だから、歌って踊るド派手な新感線を観たい方にはオススメ。五右衛門シリーズ第2作目では、ただ今デスミュの夜神月としてご活躍中の浦井健治さんが王子役で降臨されて度肝を抜かれた記憶。

seshiki.hatenablog.com

 


私の鳥髑髏千秋楽、8/23ソワレ公演。今回の座席は中央寄りだったのが幸いしたのか、歌詞も問題なく聴き取れた。歌詞がほぼ分からないっていう前回抱いた不満は座席による問題なのかも。中央寄りの座席だからか椅子が動いている感覚もあまりなく、止まった瞬間にがくっとなることも大して無かった。ただ、休憩時間中に周囲の人が、結構動くねーという会話をされていたから劇場への慣れもありそう。相変わらずロビーは狭苦しいので外のベンチに恐らく人がはけないだろう寒い秋冬は一体どうなるんだ……。ただ、お手洗いの大行列の処理速度はさらに速くなっていて快適。そういえば、物販で小説版『髑髏城の七人』を買ってみた。花髑髏と鳥髑髏のパンフレットや戯曲は以前購入していたので今度は小説。中島かずきさんのサインつき!早速読んだけれど、無界屋蘭兵衛どえらい外道だな!どういう性癖だ!いやー面白い。


そしてやっぱり書いてしまう、キャスト別感想。

阿部サダヲさん。捨之介。復讐者として八年間生きてきた捨之介という設定が大好物すぎたので、もうこれで見納めか……としんみり。極端に露出が少ない忍び装束も逆手持ちもかっこよすぎる~~~。見る度に殺陣のキレが増していってる気がした。少しでも目に焼き付けようと頑張った。映像化はよはよ!花鳥風月極全収録の、また新たなドクロBOXが発売されそうな予感。
贋鉄斎役の池田成志さんとのやり取りは相変わらず自由すぎた。二人のシーンが近づいてきたら、来るぞ……来るぞ……!といった雰囲気が客席中に広がっていて笑える。リピーターが多い新感線ならでは。「お前みたいな背の小さい奴」と贋鉄斎に言われた瞬間、爪先立ちして背伸びする阿部捨之介最高。雷に撃たれて毎度失神する贋鉄斎を助けるための心臓マッサージという名目でハンマーを振り下ろす捨之介だけど、「クイックルワイパーか!」とツッコミを受けてお掃除ポーズをしてみせるのが愛らしすぎた。もはやCM。胸を叩くときに絶妙なSEが流れるけど今回は音が一個多かったらしく、捨之介・贋鉄斎同時に音響席を見たのが阿吽の呼吸すぎて場内大爆笑。息合いすぎ!二人のツッコミがなければ全然気づかなかった……!全部の日替わりネタを記憶できていないけど、他には「ヤバです!」や甲子園ネタが。「これはヤバです!ヤバです!」って騒ぐ捨之介に、「ヤバですって何?」と問い掛ける贋鉄斎。「何か浮かんだから……」と若干照れ臭そうに答える阿部捨之介ってばチャーミングすぎるのでは???甲子園決勝戦が行なわれた日だったので、「優勝おめでとうございます!」と言うシーンも。もうお約束のツッコミとなったのか、「暗い場所だからって好きにしやがって、ここはシモキタじゃねーんだぞ!」がこの日もあり。このツッコミ大好き!
鳥髑髏の捨之介に心惹かれる点は数多くあるけれど、浮世の義理も昔の縁も何一つ捨てられていないのに捨之介って名乗っているところがまずもう、胸が締めつけられる。捨てていないどころか雁字搦めになっている始末だというのに。その捨之介が、これまでの捨之介たちとは違う言葉を最後の最後に吐き出すシーンが本当に好きすぎて心臓を鷲掴みにされる。「泥を啜って足掻いた俺の」!今までは「斜に構えたこの俺の」だったのが、鳥髑髏では「泥を啜って足掻いた俺の」へ変更されている。ここまでお見事すぎる改変を目撃できて、本当に幸せだった。たしかこれ、公演数日目ぐらいからの変更、のはず……?


森山未來さん。天魔王。今回、ワカドクロを観てから鳥髑髏を観に行ってみたので、一度演じた役をここまで新たに築き上げる情熱と技術が凄まじいなと冒頭から改めて見入ってしまった。カーテンコール時の、堂々としていながらも多少こちらを茶化しているような不敵な笑みには惚れ惚れした。本当に本当に、天魔王オファーを引き受けていただいてありがとうございます、と感謝しかない。
自由度が高すぎる南蛮かぶれ最高!鳥髑髏を観ると「exactly」がこちらまで言いたくなる!「ヘイ、生駒!」と天魔王が呼びかけたからか、生駒までラップ口調で話し始めるのが仲良すぎて笑った。天魔王は生駒の言葉をリピートするし、ジパング発見まで今までよりさらに時間がかかっているし、公演2日目に観たときとはもう全然違っていた。天魔王と生駒コンビ、暇さえあればお手て繋いでいて仲良しこよし。天魔王が隙を見せる部分でよく笑いが生まれていたけれど、その分、終盤での冷酷さの落差にぞっとする。これはよいギャップ。今まで天魔王が意図的に笑いを取りに行くことってなかった気がするから、森山天魔王の挑戦は新鮮だったし、天魔王の新しい人物像が打ち立てられて最高オブ最高。殿への執着が半端ない森山天魔王はほんと性癖ドストライク……。早く早く映像を見て、口説きのシーンの歌詞を調べたい。あの幻影のような口説きを一時停止繰り返しながら拝みたい。無界の里襲撃シーンは本当に目が足りない!天魔王と蘭兵衛を何とか交互に凝視していたんだけども、天魔王これまた自由に振舞っていたんだな~~~!?前回やLVではここまでとは気づいてなかった。死体を刀で突き回すのが思いっきり楽しそうだし、関八州荒武者隊たちが「関係なくなんかねえ、二代目だ!」って言いながら極楽太夫や少吉を庇う涙のシーンではその口真似までしている!完全に小ばかにして「二代目だ!」と口真似をしてみせる天魔王はそれはもう、外道極まりなくて最高でした。天魔王と蘭兵衛が並び立ったときのビジュアルが最強で最高でこの世のものと思えないからこそ、泥を啜って足掻いてきた捨之介が活きる~~~!


早乙女太一さん。無界屋蘭兵衛。相変わらずの美しさで平伏すしかない。しかも今回、今までとは化粧が違っていた気がする。左目下を彩った赤の縁取りがまるで涙のように見えた。気のせいかな、どうなんだろう。見れば見るほどどの着物も美しくて、カーテンコール時のあの光景は一枚の絵画のようだった。ステージアラウンド東京に色々文句を書き連ねているけれど、全てはこのカーテンコールで帳消しどころかおつりが返ってくるぐらいだ。ステージアラウンド東京最高!とカーテンコール直後はすぐに掌を返してしまう。稲妻より速い掌返し!この早乙女蘭兵衛さまが次は早乙女天魔王になるのか……。殿の最愛確定の蘭兵衛をここまで観てきたところで次が天魔王か。万が一にも早乙女天魔王から殿への執着なんて見せられた日には、どの世界線に行けば幸せになれるんだろうって迷走する自信しかない。新感線の掌の上で踊らされてて最高だな~~~!
絵図面を奪われた沙霧に対して「やっぱりお前持ってたのか」と言うシーン、鳥髑髏公演二日目のときは早めに奪っておけばよかったという意味合いに聞こえて不穏な印象だった。蘭兵衛さん、沙霧を殺しそうだ……とぞくぞくした記憶。それがLVや今回では随分優しい声に変わっていて、まったく困ったやつだな、といった雰囲気に。兵庫に対しての「兵庫さん」呼びや「無茶ですよ」の敬語にも滾る!一度だけとはいえ捨之介から「蘭兵衛さん」呼びをされているし、おまけに贋鉄斎からは貴殿呼びをされていて、ヒエラルキー頂点を誇っていたであろうことが窺える蘭丸。その蘭丸が無界の里の主としてすっかり生まれ変わっているように見えるから、極楽太夫や兵庫とのやり取りには嬉しくなったり切なくなったり忙しかった。声のトーンは全体的にLVのときが一番、優しさが振り切れていたと思う。今回は公演序盤とLVの中間ぐらい。それでも、極楽太夫の手を握り締めて伝える「お前を心配させるようなことはしないよ」の甘さよ……!鳥髑髏の早乙女蘭兵衛は語尾が逐一優しくて罪深すぎる。無界の里の女性陣と雑談するときには軽く身を屈めてあげていて、その様が如才なくてものすごくよかった……。ディテールに息を呑んだ。また、そんな蘭兵衛が捨之介に「お前には分からぬよ」と穏やかな口調で告げるのがたまらなくて、この二人の関係をもっとインタビューか何かで語ってほしい……と願わずにはいられない。DVD化した暁には、キャスト陣が互いの役について語るコメント集とか入れてくれないかなぁ。「来い、太夫!」の壮絶なまでの迫力には、大袈裟ではなく本当に劇場の空気が震えた。素晴らしすぎる無界屋蘭兵衛をありがとうございました!


鳥髑髏、好きです。大好きです。心が揺さぶられすぎて帰りのゆりかもめでもまだ夢心地だった。今でもまだまだ考察というか妄想のし甲斐がある。阿部捨之介の足掻きに足掻いた生き様は震えるぐらいにかっこいいし、殿の寵愛を得られなかったが故に歪んでいく森山天魔王の緩急凄まじい多彩な引き出しには翻弄されっ放しだし、無界の里に間違いなく居場所を築いていたはずの早乙女蘭兵衛が選択してしまった破滅は哀しすぎるし、ああもう鳥髑髏最高!しかも、鳥髑髏ほど殿の人物像がクローズアップされたストーリーって今までなかったのでは。もう鳥髑髏が終わってしまったなんて嘘でしょとうなだれながらも、私の手元には風髑髏のチケットがあるし、チケット戦争を掻い潜って何とか前期の上弦・下弦それぞれのチケットもゲット!一年以上に渡るお祭り騒ぎって楽しいなぁ!極髑髏まで駆け抜けた後の虚無感が半端ないことになりそう。それでもせっかくのお祭り、踊らにゃ損損!

風髑髏は明日9/15から!数年ぶりにあの本来の設定が蘇る~~~!松ケンさん頑張れ!運よく拝むことができた風髑髏製作発表の感想はこちら。10/5にはまたまたライブビューイングが予定されているのでぜひ。『髑髏城の七人』本来の設定を拝めるチャンス!月髑髏ではワカドクロ・花・鳥と同じ設定に戻るし、極髑髏でもそちらの設定を採用するんじゃないかなぁと思うので、本来の設定のはずなのにもはや貴重すぎるという不思議なことに。

seshiki.hatenablog.com

 

プレミア音楽朗読劇『VOICARION Ⅱ「GHOST CLUB 」』

クリエ プレミア音楽朗読劇『VOICARION Ⅱ「GHOST CLUB 」』9/2 マチネ公演の感想。ネタバレあり。眼福ならぬ耳福だった2時間半!

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声優ヲタの友人がチケットを勝ち取ったそうで連れて行ってもらえた。二次元ヲタだけども、毎週決まった時間にコンテンツを見るという習慣をなかなか身につけられなくて、原作つきのアニメはあまり熱心に見ていない。だから、声優さんの知識も偏り気味。それでも一応周囲には声優ヲタがいるので知識は若干あり。パシフィコ横浜が聖地のあのイベントにも行ったことある。ちなみに、私が観た回のキャストは以下の通り。こんな私でさえ当然知っています……!という豪華キャスト。

コナン・ドイル梶裕貴
ハリー・フーディーニ:諏訪部順一
デズモンド・クロフト:竹内順子
シャーロック・ホームズ石井正則

場所はシアタークリエ。ちょうど宝塚の公演終了の時間にかち合ったのか、日比谷界隈はごった返していた印象。静かだけど確実に熱狂を帯びているような日比谷の独特な雰囲気はたまに味わいたくなる。シアタークリエのスタッフさんは皆さん親切で優しくて好き。エレベーターで地下に降りて観劇というのも新鮮。エレベーター壁に『誰か席について』のポスターが貼られていて、泣く泣く友人に譲渡した『鎌塚氏、腹におさめる』のことを思い出してまだ多少沈んだ。脚本が同じ倉持裕さん。今回の客層はほぼ女性。驚愕したのは、座席で体育座りをした体勢で観る方が周囲だけでも数人いたこと。カルチャーショック。シアタークリエの座席でもお尻が痛くなるのかな。

朗読劇というものがあまり経験ないので、今回は何もかもが新鮮。朗読劇だから舞台上には何もないのかと思いきや、本編の時代を思い起こさせるような舞台美術もあり。そもそも客席に着いた時点から舞台上には少し靄がかかっていて、霧の都ロンドンに迷い込んだような雰囲気があってぞくぞくした。スモークを使った特殊効果が結構多め。そして、楽器!何とこの朗読劇は生演奏!ピアノ兼バンドマスターの指揮の様子など、本編中でも時折釘付けに。ピアノ以外にもチェロや打楽器などがあって、そのシーンでのキャラクターの感情に寄り添ったメロディーにはより胸に迫るものがあった。キャスト陣は基本的に台本を手にされていて、セリフがあるときに立ち上がってそれぞれのマイクに向き合う形。それ以外は各人の椅子に座っていて、その脇には喉を潤すための水のボトルとグラス。衣裳にもこだわりが感じられて、特に好きだったのは竹内順子さんの少年っぽさのある衣装!本編のストーリーは以下の通り。

 

コナン・ドイル卿は推理小説シャーロック・ホームズ」シリーズの作者として富も名声も手に入れた。最終巻でホームズを殺し、シリーズを完結させたドイル卿。ホームズシリーズを越える新作を書き上げようと思っていたが…ホームズの死を嘆いたファンからは抗議の嵐で、脅迫文まで届く始末。読者と出版社の要望で仕方なく続編を…とペンを持ってみたもののアイディアが全く浮かばない。しかも、最終巻で殺したシャーロック・ホームズが妄想の中に現れ、ドイル卿をからかうようになっていたのだった。
そんな彼の前に、一人の男が現れる。彼の名はハリー・フーディーニ…言わずと知れた、アメリカが誇る天才奇術師である。


マジックで説明できない現象はない

そう豪語する彼は鮮やかな推理で霊媒師のインチキを暴いて見せた。
その姿は、ドイル卿にシャーロック・ホームズを思わせるのだった。


彼と一緒に冒険すれば…
もう一度、シャーロック・ホームズが書けるかもしれない

 かくしてドイル卿は、資金提供を条件に、ロンドン中の幽霊騒動を一緒に解明しようとフーディーニに持ちかける。


「Ghost Clubを作ろう」と・・・

 

www.tohostage.com

 

シャーロック・ホームズ作者のコナン・ドイルと、奇術王として名高いハリー・フーディーニの邂逅という設定がまず心惹かれる。実際に交流があったのかな?コナン・ドイルがホームズシリーズよりも純文学を書きたがっていた、スピリチュアル的なものに肯定的だったというのは聞いたことがある話。それにしても、スランプの結果ホームズの幻影と会話までしているコナン・ドイルなんて面白すぎる。私自身はアガサ・クリスティー派で、バディものなら灰色の脳細胞エルキューロ・ポアロのことを小学生時代から推しているけども(一番好きなのはミス・マープル)、ホームズ作品も一応は読んだことがある。ガイ・リッチーのホームズ3もいまだに待ってるよ!それにコナンを読んでいると必然的にホームズに詳しくなる。ライヘンバッハの滝って結構感動的なエピソードだったんだとコナンの映画で気づかされた記憶。そして、ハリー・フーディーニといえば、私の中ではTRICKシリーズ。TRICKの冒頭で、ハリー・フーディーニがインチキ霊媒師たちのトリックをマジックだとして暴いたエピソードは何度も語られている。映画では、フーディーニが亡くなる前に、死後の世界があれば君に連絡をすると奥さんに約束していたエピソードにも触れられている。TRICKシリーズにはフーディーニリスペクトの小ネタやトリックが多い。

今作『VOICARION Ⅱ「GHOST CLUB」』でも、実際のコナン・ドイルやハリー・フーディーニのエピソードがほどよく絡められていた印象。しかも、面白かったのが、19世紀に実際に行われたトリック(マジック)を舞台上で再現しているところ。最近の舞台での演出といえばプロジェクションマップングが主だけど、19世紀当時のアナログなトリックをこの目で観ることができて、ますます世界観に入り込めた。何もかも最新のものにすればいいわけじゃないんだな。


キャスト別感想。
梶裕貴さん。コナン・ドイル。先日の西尾維新大辞展でのいーちゃんボイスや朗読が最高に好きだったので、今回梶さんの朗読を生で観ることができて嬉しかった。色気のある声だと思う。衣装は紳士っぽいモーニング的なスーツで、髪型もオールバック。
本編でのコナン・ドイルは自らが生み出したシャーロック・ホームズへの大衆の期待に辟易していて、それ以外の作品も書けると世間に認めさせたい。この辺りは現実のコナン・ドイルと似ている点。一見プライドが高そうな英国紳士だけれど、実際には怖がりで感情的。コナン・ドイルが騙されかけた交霊会のトリックはTRICKの知識があるので大体分かったけれど、それにしてもコナン・ドイルちょろすぎる~~~。冒頭、その霊媒師の元に向かう際に人を掻き分けるために「ちょっと通してください」と声を張り上げるシーンがあった。そのときの声が実際に人ごみを掻き分けているときに発しているような声で、声優さんってすごい……!と早速圧倒された。シャーロック・ホームズを生み出したとは思えないお人よしで圧倒的に騙されやすいコナン・ドイル(実際にフーディーニにもマジシャンにとっていい客だと言われるシーンあり)だけど、そんな彼だからこそ終盤での説得力がどんどん強まっていく。幽霊でも構わないから亡くなった妻に会いたいと吐露するときにホームズが同意するのも頷ける。クロフト卿に嫌疑をかけるフーディーニに対して反論するときに、お人よしで感情的な理論すぎると揶揄されるけれど、この二人のアンバランスさがゴーストクラブの面白さだった。


諏訪部順一さん。ハリー・フーディーニ。朗読というよりも全身を使ってお芝居をされている印象だった諏訪部さん。セリフがなくて席に座っている間も水を飲んだり指でリズムを取ったり、フーディーニとして過ごしていた。客席に視線を巡らせているようなときもあり、それもフーディーニが目の前の人物や景色をチェックしているような雰囲気。立ち上がるときや腰を下ろすときもそのときどきのフーディーニの感情に寄り添って行動していた気がする。セリフを口にするのも身振り手振りつきで、その仕草がこれまたフーディーニっぽくて見入ってしまった。水の入ったボトルも他男性陣と違っていると思っていたらカーテンコール後のトークの際に私物だと明かされて、その辺りの細やかさも衝撃。容器はバーボンボトルだけど中身は紅茶だそうで。衣装はアメリカ人らしさを出すためか、四人の中で一番カジュアル。

常に飄々としていて人を食ったような態度でありつつ、中盤以降では育った環境にコンプレックスが感じられるフーディーニ。クロフト卿にホームズを読んでもらったときの反応が子供らしい一方で、文字が読めないと打ち明ける場面では非常に言いづらそうでそのコンプレックスの深さが垣間見えた。亡くなった父とのエピソードと、アブラ・カダブラ♪の呪文には胸が詰まった。クロフト卿の持ち物である劇場の、動かない時計。死後の世界があればこの時計の針を動かしてみせましょうとフーディーニが交わした約束では、『西の魔女が死んだ』を思い出した。ただ、ものすごく意外だったのは数年後のフーディーニの葬式の後、コナン・ドイルとクロフト卿が劇場に行かなかったこと。約束が果たされたか確認するには劇場に行って目で見るしかないのに何故行かないのだろうと疑問だった。実際に時計の針が動いて終わるという結末には心動かされたけれど、それを目撃する存在がいた方が約束が果たされた感じがあってよかったかなぁ。コナン・ドイルのキャラが好きだったので、約束が果たされた瞬間に彼が何と言うか見たかったという気持ちが大きい。


竹内順子さん。デズモンド・クロフト。少年の声……!しかも、ナルトとはまた全然違った声音。若くして大人社会で生きてきたクロフト卿の賢さが伺える口調とトーン。丈短めのジャケットと膝丈パンツで少年っぽさが感じられる衣装でよかった~~~。クロフト卿ぐらいの年代の紳士が実際に着ていそう。そういえば、水の入ったボトルが男性陣とは違って曲線的だった。でも、ほとんどお水に口をつけていなかった気がする。

幼い頃に両親が事故死して、クロフト家の財産と爵位を若くして引き継ぐことになったクロフト卿。大人たちの中で生きてきたため若干冷めているけれど、自分自身でもそれを気にしているところがある。その一方で、ホームズの作者であるコナン・ドイルに目を輝かせたり、フーディーニのマジックには興味津々だったり子供らしい一面も。クロフト卿が相続した劇場での幽霊事件の真相を暴くようゴーストクラブに依頼したことからストーリーは展開していく。イギリスでは劇場に幽霊が出るという噂だけで人気が上がるため、それを狙ってクロフト卿自身がトリックを使って幽霊を出現させているのではと一度は疑ったフーディーニ。しかしホームズの推理によって、クロフト卿の両親が生前に劇場に仕掛けていたトリックだと明るみになる。また、クロフト卿の父の超絶技巧のピアノも実際は本人は弾いておらず、ピアノに細工されたトリックだと分かる。それでも、子供の前で魔法使いでいたいと願う父の愛情は、フーディーニの父とも共通していて、この部分では心が温かくなった。


石井正則さん。シャーロック・ホームズ。声は聞き取りやすく、終盤では古畑任三郎っぽい仕草も。これができるのは古畑シリーズに出演していた石井さんならでは。衣装はホームズといえばの鹿撃ち帽とインバネスコート。カーテンコール後のトークでは石井さんが司会っぽく、演奏者やキャスト陣の紹介を。SNSで感想を語る際には「#石井大きい」とぜひ書いてくださいとおっしゃっていてチャーミングすぎた!#石井さん大きい

言わずと知れた名探偵、シャーロック・ホームズ。冷静沈着で理性的、そして皮肉屋。フーディーニのことを若造と呼んで、自分と似ていると言われるのを嫌がる。コナン・ドイルの前に現れては、「どうして自分を殺したんだ?」と常に責め立てる。ライヘンバッハの滝から普通落とす?とコナン・ドイルに文句を言い続けるシーンが面白くて笑ってしまった。たしかに滝はないわ~~~。私も初めてホームズを読んだときに思った。でも、ガイ・リッチー版の滝のシーンは大好き。私は原作ホームズのファンではないのであまりこだわりはないけれど、ホームズが幽霊の存在を容認するような流れになったときは、ストーリーに合わせてホームズまで随分感情的な方向に流れるんだなと多少の違和感が正直あった。ただ、石井さん演じるホームズは理性的な皮肉屋でありながらも人間味にも溢れていたのですぐに受け入れることができた。

 

この舞台は日によって出演キャストや組み合わせが変わるらしく、一夜限りのキャストも多い。これは多くの組み合わせを観てみたくなる。キャストによってそれぞれのキャラが違っていそうでものすごく興味ある。再演があるかもしれないそうなので、機会があればまた観てみたい!

15 Minutes Made Anniversary

15 Minutes Made Anniversary 8/26 15時の回感想。

15 Minutes Made Anniversary というのは、6団体の劇団がそれぞれ15分ずつの短編作品を一挙に上演するイベントらしい。今年で10周年だそうで。先日一度観てすぐにチケットを買い足した劇団、梅棒。その梅棒も公演をするらしいので行ってきた。ものすっごく面白くて、当日券チャレンジした自分を褒めたい!本当に行ってよかった!
場所は吉祥寺シアター。周辺にベンチが置かれていたりして、劇場が街に根づいている雰囲気が新鮮。日比谷周辺とも少し違う雰囲気。舞台上に特にセットなどはなく、天井からは多くの風船が吊られていてアニバーサリー感あり。ミラーボールもチラ見えした。観客は年齢層も幅広く男性も多め。公式サイトはこちら。

Mrs.fictionsのあのホゥムペィジさえも

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劇団別感想。劇団名横のナンバリングは公演順です。

1.柿喰う客『フランダースの負け犬』

劇団名は聞いたことがあった初めての柿食う客。先日の『スロウハイツの神様』で気になった玉置玲央さんが所属している劇団らしい。
ドイツの若き軍人ヒュンケルの高速台詞での演説から始まるこの舞台。将来有望と目されているヒュンケルはその演説で、ネロとパトラッシュのような負け犬の人生は送らない、と滔々と雄弁を振るう。そんなヒュンケルがお目付け役を押し付けられたのは、落ちこぼれと評判のお馬鹿なバラックバラックはヒュンケルとは対照的に『フランダースの犬』を好きでよく読んでいる。強制的に同室となった二人は何だかんだで絆を育んでいく。そんな中、ヒュンケルが指揮官を任された前線にて、上官の作戦にヒュンケルは異議を唱えて……、といったストーリー。
独特でスピード感のある台詞回しに最初は圧倒されたけれど、高速でのヒュンケルの冒頭演説から観客を引き込んでいく勢いが凄まじい。ただ、序盤で上官二人のセリフで聞き取れない部分が少しあったのが惜しい。スピード感に慣れていなかっただけかも。ヒュンケルとバラック、二人の若い軍人の友情から破滅までが描かれたストーリー、と書くと確実に重い悲劇に聞こえるだろうけど、独特の疾走で勢いよく駆け抜けた感がある。これは癖になる。最後、スレンダー美女の上官殿がキャスト名を淡々と読み上げていく演出が最高。シェイクスピアの「この世は舞台、ひとはみな役者」を思い出した。帰宅してすぐに柿食う客のサイトを覗いたら戯曲が無料公開されている親切仕様で、早速『フランダースの負け犬』を読んでみた。大分登場人物を削っているのかー。実際にはあと数名若い軍人たちが登場するようで、ますます青春の破滅感があって好みな気がする。タイミングよく、過去作の公演も含めたフェスティバルを行なうそうなので10月は赤坂REDシアターに行かねば。

柿喰う客


2.吉祥寺シアター演劇部『ハルマチスミレ』

美しい。美しすぎた。ここまで全てを愛おしく思える舞台に出会うなんて本当に巡り合わせだなぁと。あの日あの瞬間吉祥寺シアターにいてよかった。吉祥寺シアター演劇部とは、公募で集まった高校生たちがプロの指導の下で演劇に触れるという毎夏恒例のワークショップ企画らしい。今回はあやめ十八番という劇団の堀越涼さんが講師・脚本・演出。だから、私の見たきらめくような高校生たちが吉祥寺シアターに演者として揃ったのも15 Minutes Made Anniversaryのあの数日間だけ。うわ~~~何て尊いんだろう!高校時代の夏休みを吉祥寺シアター演劇部員として過ごすことを選んでくれてありがとうございます!と観客として感謝。
ストーリーとしては、全日制の高校生と定時制の高校生との恋愛や友情などのひと時を切り取った群像劇。全日制に入学した彼氏、家庭の事情で定時制を選択した彼女。宝塚合格を目指して毎日レッスンを受けるために定時制にした女子、その友人の夢を応援している全日制に進んだ女子。他にも全日制、定時制ともに様々な子が。ちなみに、宝塚を目指している女の子。本編では明示されていないけれど、「身長が足りなくて」という会話の節々から恐らく宝塚だろうと推測。
床面には光のライン。それは長縄を模した光で、制服を着た高校生たちがそのライン上をリズミカルに飛び跳ねていく。まさに大縄跳び。冒頭、その子たちが口を開いた瞬間、「水 金 地 火 木 土 天 海 冥」「あはれ うつくし めでたし おかし」などの単語が飛び出す。これだけで恐らく、観客の大多数が一気に学生時代を思い出したはず。個人的には「あり をり はべり いまそかり」にテンションが上がった。古文~~~!単語帳に書いてた~~~!「サイン コサイン ラブサイン」で手でハートマークを作っていたのがキュートの極み。可愛すぎる。長縄を模している光のライン上を高校生たちが飛び跳ねる。何てみずみずしいんだろう。「みずみずしい」なんて普段そうそう思わないのに、この舞台を観ている間何度そう感じたことか!セリフもリズミカルで、「既読スルーってどうよ」と尋ねた男子に女子たちが「大・罪・です!」って返すシーンが愛らしくてものすごく好き。JKには大罪だよね、そうだよね。もちろんずっと光の筋の上を飛び跳ねているわけではなく、「静」の芝居も。その中では特に、宝塚を目指している女の子と友人のダンスシーンが綺麗で、夢が詰まっていて、無性に涙が流れた。
制服姿の全日制の生徒のそばを、ばっちり化粧をした私服姿で通り過ぎる定時制の生徒。それを見て大人っぽいと、自分たちとは違うと口にする全日制の女子。一方で、定時制の女子は女子で事情がある。定時制の彼女が、全日制に通う彼氏に言ったセリフ。校則で禁止されていたはずなのに社会に出た途端化粧がマナーになると。一足先に大人にならなければならなかった不安がこの場面に凝縮されているようで胸が痛くなった。この恋人たちは冒頭、中学校校舎の窓から顔を出す彼女、地上で見上げる彼氏としてまず登場している。校舎と地上で声を張り上げて会話するのってものすごく青春っぽいな!?と感じたので、その二人が高校進学後徐々にすれ違っていく様には切なくなった。だからこそ、本編最後での二人の選択には力いっぱい拍手したくなる。美しく生きていたいなぁ、と大人でも思う。
正直言うと、今すぐにでも再演してもらいたい。何度でも観たくなる。あの数日だけしか観れないなんて惜しすぎると心底思うけれど、その潔さもまた青春っぽいですよね……。巻き戻しなんてない!っていう心意気。とはいえ、万が一にも再演なんてあったら絶対駆けつけたい。吉祥寺シアター演劇部では部誌もつけていたようで、堀越涼さんが書かれた最後の部誌にこれまた泣く。

kichi-engekibu2017.amebaownd.com

3.梅棒『BBW』

6~7月の公演『ピカイチ!』で一気に引き込まれた梅棒。今回も梅棒目当てで観に行っていたので期待大。ダンス×演劇×J-POP!ほぼほぼノンバーバルっていうのが本当にすごい。
ケーキ屋のパティシエに片思いしているぽっちゃり女子が、応援団の応援を受けて一念発起でダイエットに励みつつ告白を目指す話。こうして一文にまとめられるあらすじだけど、それをあそこまで面白く見せるのがさすがは梅棒!『ピカイチ!』からの梅棒ビギナーのくせにニヤニヤしてしまった。ライバル女子だけでなく、ダイエットトレーナー、さらには天使と悪魔まで登場するというもはやお祭り騒ぎ。今回もどの音楽も素敵で一時はライブ会場のような盛り上がりに!梅棒ファンの方が多かったのか歓声まで聞こえ、皆で手拍子をし、最高オブ最高!間違いなく劇場が一つになった瞬間。相変わらず選曲が最適すぎて、例えばぽっちゃり女子がダイエットを決意するときにはライザップのあの音楽が流れるっていう。こんなの笑うしかない。『ピカイチ!』で推しだった野宮さんがこれまた最高のキャスティングで、可愛すぎる……と絶句してしまった。二の腕と腰回り細すぎません……?そんな野宮さんは、12月『艶漢』舞台に出演されるそうでチケット獲らねば。
15 Minutes Made Anniversaryではそれぞれの劇団の間で長時間の暗転などはなく、次の舞台の準備ができればすぐに開始するスタイル。だから半強制的な意識の切り替えがあまり行なわれない。そんな中、吉祥寺シアター演劇部の余韻で少なからずしんみりしていた観客を、一瞬で梅棒に惹きつける引力が凄まじかった。

www.umebou.com

4.演劇集団キャラメルボックス『ラスト・フィフティーン・ミニッツ』

先日の『スロウハイツの神様』が初キャラメルボックスだったので、これで二回目。梅棒の後に休憩を挟んだとはいえ、ライブ会場のような熱狂を味わってふわふわしていた観客を、たった二人ですぐにキャラメルボックスの世界観へ連れて行った。
ストーリーは、夫婦が旅行へ行くため実家に預けてきた娘への動画の撮影を始めるシーンからスタート。今回の旅行での他愛ない出来事を口喧嘩しつつ娘へ語りかけていくにつれて、夫婦が滞在しているのは宇宙船内、数分前にその宇宙船には隕石が衝突しており……と二人の置かれている現状が明るみになっていく。宇宙旅行が一般人でも可能になっている未来の話だったのか!この中での「15分」は、宇宙船大破(だったかな……)までのタイムリミットであったことが判明した瞬間、観客にも当然二人の結末が理解できる。焦りもあって口喧嘩をしていた二人だけれどあるがままの姿を見せようと決意し、娘に向けて二人の馴れ初めを語っていく。
こうしてストーリーだけ書いていくとお涙頂戴っぽく思えそうだけど(私自身はお涙頂戴を悪いとは思っていないし好きだ)、二人の語る馴れ初めがすごく微笑ましくて、それだけでこの夫婦を一気に愛おしく感じられたから不思議。ただ、娘の名付けの件、たしかご主人のセリフで「娘が生まれたら……」とあったけれど、「子供が生まれたら……」でいいのではと妙に気になった。男の子でもあの名前多いイメージ。

www.caramelbox.com

5.劇団「地蔵中毒」『想いをひとつに』

冒頭、ものすごく構えていた作品。何故なら地蔵中毒の劇団紹介がこれです。

徹底的なまでに観客に何も残さないそのスタイルは、「意味がわからなった」「家に帰っても何一つ思い出せない」「人前でやるということについて考え直したほうがいい」等々多くの称賛の声があがっている

怖い。一体どんなものを目撃することになるんだ。戦々恐々。
竹下通りに来た日○大の女子大生三人が上半身やくみつるファッションのオシャレ三銃士に出会って……という導入。もうこの導入からして意味が分からないけれど、上半身やくみつるにはお腹が痛くなるぐらい笑った!冒頭から分かりきっていた通り、展開はもうシュールの極み。胸に爆弾入りジェンガを置かれたり、原宿を川崎にされそうになったり、自分で今こうして書いていてもわけが分からないよ!とにもかくにも、毒と不謹慎とくだらなさと下ネタを凝縮した15分。私は大爆笑してしまったけどここは本当に好き嫌いが激しいだろうと思う。上記の劇団紹介の声も実際に言われたに違いないと納得。下ネタ部分では、ああアウェーなんだろうなと感じるところが多々。一番笑い転げたのは、日○大だから!と言って稚拙すぎる集団行動を始めて全員思い切りぶつかるくだり。このシーン、「想いをひとつに」するために他劇団の人も参加していて、柿食う客の女性陣がかっこよく仕切っているのが似合いすぎた。吉祥寺シアター演劇部の高校生たちもやりきっていて拍手。ある意味、想いはひとつになっていた。
私が観た回では、全劇団公演終了後のアフタートーク「おわりの会」ゲストが地蔵中毒メンバーだった。本公演なら盛り上がるはずの下ネタがすっ……と消える、とお話をされていて客席でもそれは伝わってきたから頷くしかない。恐らくだけど本公演の下ネタより大分抑え気味にしているはずなのにそれであの雰囲気だからアウェーでの戦いすぎる。別団体とはいえ現役高校生たちも出演する舞台だから結構抑え気味にしたのかとか、その辺りを「おわりの会」で聞きたかったかも。「おわりの会」終盤は完全に地蔵中毒の独断場で、何故か人が倒れたりしてカオスすぎて爆笑した。地蔵中毒、本公演でもフルスロットルでこの調子なのでしょうか……?公演終了後どんなありさまになってるのか想像できない!

g-chudoku.jimdo.com

6.Mrs.fictions

15 Minutes Madeを主催されているMrs.fictions、今回初めて観る劇団。
舞台にはベッドと椅子。そのベッドに横たわっている男性が亡くなったところからストーリーは始まる。場所は男性の部屋。傍らには男性の母親と、彼女。その男性が不意に起き上がったかと思えば観客に対して、Q太郎でーすと明るく挨拶。ものすごくメタ的!Q太郎の姿は当然観客にしか見えておらず、舞台上ではQ太郎両親と彼女のやり取りが行なわれつつ、Q太郎がそれにツッコミを入れていく。生前は若きウェルテルのように悩みに暮れていたけれど、死んだことで明るくなったと話して観客いじりもこなすQ太郎。これが楽しい。Q太郎は恋人に、自分のことを忘れて新しい生活を始めてほしいと心から願う。これはQ太郎の両親も同じ気持ち。まだ若いのに、早くに亡くなった息子(=Q太郎)に操を立てる必要はないと諭す。そうして、Q太郎は指を鳴らすことで時間を経過させられるという、舞台では便利すぎる特技を身に着けているそうで指を鳴らす。数ヵ月後、恋人はまだいる。一周忌、恋人はまだいる。数年後、恋人はまだいる。そして、この舞台のタイトルは、『私があなたを好きなのは、生きてることが理由じゃないし』。
死別という結末を迎えた恋人たち。それでもなお変わらない恋心を抱えたままの女性、新しい人生を歩んでほしいと願いつつ見守る亡くなった男性。残された両親もまた女性を見守る。亡くなった男性は変わらないけれど、残された両親と恋人は歳を重ねていく。この表現の仕方がすごくすごく胸に詰まった。指を鳴らす音に合わせて年月が経つ。男性が亡くなったときと同じようにかたわらの椅子に腰掛けた女性が、指を鳴らす音に合わせて、眼鏡を掛けたり髪形を変えたり本当に些細な動作を行なう。それだけで歳を取っていることが如実に伝わってくるからすごい。これぞ演劇だ!と嬉しくなってしまった。じんわり、じんわりと胸が温かくなって涙がこぼれる舞台だった。

Mrs.fictionsのあのホゥムペィジさえも

 

15 Minutes Made Anniversary 公式サイト、この一節が最高。

15分なんて皆様の人生(130年くらい?)に比べたらほんの一瞬の出来事ですが、予告でも試食でもない15分の可能性を信じ続けた10年間の最新版を是非ご覧ください!

6団体の劇団全て、15分で完璧な一つの作品を見せてもらえた。休憩時間を間に挟まないことで(梅棒とキャラメルボックスとの間には休憩あり)、劇団同士の雰囲気の塗り替えがより感じられて刺激的だった。予告でも試食でもない15分、最高でした!

 

『グランギニョル』(ネタバレあり)

グランギニョル』のネタバレだらけ感想。TRUMPシリーズ初心者なので数年掛けて追いかけている方々からすると、今更!?という箇所であれこれ考えてる可能盛大。特にイニシアチブについての理解が浅いです。8/3の末満さんのニコ生で得た情報にも触れているのでご注意ください。
ネタバレ控えめ感想はこちら。

seshiki.hatenablog.com

ネタバレありの日替わりネタを記憶している限り書いたものはこちら。

seshiki.hatenablog.com
 
グランギニョル』の名にふさわしく、TRUMPシリーズ全体として見ると恐ろしいまでの残酷劇だった。また、TRUMPに生を実感させるためと謳われている本編中の残酷劇も全て、当の本人のクラウス(猫にご執心の時期のはず)にとっては心底どうでもいいものだろうから無駄死に、殺し損の嵐。地獄すぎる。その一方でここまで耽美な残酷劇でありながらも、ラストに仄かな希望がギリシャ神話のパンドラの箱のエピソードのように残されているという。このほんの一匙の希望こそ、14年後の結末を知っている者からすればさらに残酷すぎる絶望。丁寧に丁寧に真綿で首を絞めるように退路を断たれていく袋小路のようで、14年後の結末を知っているからこそ救いを見出せない。それでも『グランギニョル』時点ではこれが最高で最良の希望っていう仕掛けにぞくぞくするし、時間軸が公演ごとに異なるシリーズものの強みだなぁと。TRUMPシリーズもスターウォーズみたいに、時系列順か公演順のどちらで観るべきか今後話題になっていくのかな。作品によって叙述トリックが使用できるのもおいしい。それにしても、TRUMPシリーズという残酷劇の始まり(正式にはTRUMP誕生のストーリーが本来の始まり?)にここまで男女や親子の愛が詰まっているなんて予想できなかった。あああああ。頭を抱えるしかない。
グランギニョル』では既存設定であるイニシアチブについて踏み込んだ追求がなされていてさらなる深化を目の当たりにした気分。後付け設定なのか元から検討していた設定の深掘りなのかは少し気になる。ただ、この掘り下げについては次回作以降でどう扱われるか次第だろうな。それにしても、どうしてヨハネスが一瞬とはいえ自力でイニシアチブに逆らえる流れにしたんだろう。この点は本当に不思議。ヨハネスがモップか何かでうっかり転んだ隙にダリが間一髪で剣から逃れるという流れじゃいけなかったのか。掃除にハマったダリがその辺に放置しておいたモップとかさ。で、春林に「道具を片付けるまでが掃除です」と説教されたりね、何だこれ楽しい。数秒とはいえイニシアチブに対抗できる人物が登場してしまうと、じゃあどうして他の人では無理なのか、違いは何なのかとさらなる思考の迷宮に陥ってしまう。永続的なイニシアチブではない場合、掛けられた本人に強い精神力があれば打ち勝てることもできるのだろうか。ヨハネス卿最強で終了?うーん。

 

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全員は書けなかったけれどキャスト別感想。

染谷俊之さん。

衣装はロングコートで背中側には複数のファスナーがついていた。両ポケットに手を突っ込んだ体勢でロングコートの裾を翻して座るだけで絵になるってどういうことですかね。殺陣は実戦で磨き上げたような動きが多く、剣を大きく振り回して相手との間合いを取ることも。予想以上に剣さばきが凄まじくて息を止めて見入ってしまった。
名門貴族の当主、ダリ・デリコ。自身を尊敬する部下に「ダリちゃん」呼びを命じて、自分への敬意と上司命令遵守の間で葛藤する様を眺めて楽しむチャーミングなドS。「ダリちゃん」呼びを命じて周囲を困惑させる悪趣味は若かりし頃からだったんだと、『TRUMP』での貫禄のあるダリに思いを馳せてしまう。ただの人間なら持て余しそうな美貌に頓着さえしていなさそうなところがダリ様すぎる。ダリのお顔が汚れたりしたら、ゲルハルトが白レースのハンカチを差し出してくれると思うんだ。ゲルハルトとの関係は向こうからの執着が強烈なのでゲルハルトの方で語りたい。ゲルハルト絡みのダリのセリフは全て確固たる絆の上に成り立っているものばかりな気がする。「君に失望したくはなかった」「ゲルハルトを侮辱するのは許さない!」「君のすべきことをしろ。ノブレス・オブリージュ」などなど。ゲルハルトの陰を帯びた執着なんて何のその、といった感じに難なく扱えそうなのが最の高。
口が達者というダリの人物像は冒頭からの立て板に水のようなやり取りからも窺える。そんなダリが唯一言葉を濁したり最後まで言葉を吐き出せない相手がフリーダ夫人だった。最後の最後でもダリの言葉は途切れる、「俺は君を、」という形で。けれど、事切れる寸前の夫人はダリの続くはずだった言葉を完全に理解した上で、「私もあなたを愛しています」と返す。スーとの誤解について言葉足らずなダリの態度によってすれ違っているように見えてきた二人の思いが、しっかり通じていることをセリフでも明示させた上でのあの最期。『グランギニョル』でここが一番泣けて泣けて、ダリ夫妻のスピンオフを見せてくれ……!と咽び泣くしかなかった。恋愛結婚なのかお見合い結婚なのか、どっちだろう。
ラストの「負けるな、負けるな、負けるな」はイニシアチブとしては抽象的過ぎて雑でさえあるだろうけれど、親が子のために願う気持ちとして見ると温かくて切なくて、ここでもどうしても涙腺が緩んでしまった。『TRUMP』でのウルの最期を反射的に思い出すので、そこでまた今度は、やりきれなさで泣けてくる。ここだけ今までのイニシアチブを獲る瞬間のように赤い照明にならなくて、その演出もよかった。ダリの祈りに等しいイニシアチブは抽象的だろうけれど、マルコのあのイニシアチブに対してどう言葉にすれば幸福な上塗りができたのか最良の答えが見つからない。『TRUMP』の時期までウルは何とか生きているからマルコのイニシアチブにまだ負けていないことになるのか。そもそも「負けるな」という上塗りによって、死に怯えながらも生きていくために不老不死であるTRUMPという存在に焦がれるようになってしまったのか。ウルにかけられたイニシアチブについてもまだ疑問が残る。それでも、ウルはソフィを殺さなかった。これはマルコのイニシアチブに負けなかったことになるのでは。いや、もうそう思わせてくれ……。あと、あれだけウルを大切に守ろうとしているラファエロぼっちゃんが恐らくウルの出生について何も知らないとか、ラファエロ好きとしては胸を掻き毟りたくなってくる……。

 

三浦涼介さん。

由貴香織里(『天使禁猟区』『架刑のアリス』)作画のイメージ。若干反った体勢とつんと上げた顎がデフォルト。2階から遠目に見たときはベロア素材っぽいロングコートがゴシックドレスに一瞬見えた。腰部分がコルセット風になっていて大変麗しゅう。殺陣がダリとは違っていて、フェンシング寄りっぽい動きでTHE貴族様らしさが感じられて滾る。
名門貴族、ゲルハルト・フラ。同じ名門であるにも関わらず自由奔放に振る舞うダリへの反発と憧憬が繊細に表現されていて本当に性癖どストライク……。『グランギニョル』は血の呪いに翻弄され、それでもなお足掻いていく「生」の物語だと感じたけれど、数少ない生存者であるにも関わらずゲルハルトは最も死の匂いが濃い印象。キャストパレードの際にゲルハルトに纏わり付くのは本編で死亡する人物たちで、死者に飲み込まれかけるゲルハルトは常に死の間際にいることを象徴しているようだった。ゲルハルトの中で子を残すことが生きる者の役割だという強迫観念がありそうな点を踏まえると、精神的に去勢されて性的欠陥があるゲルハルトは死んでいるも同然という解釈になる。この辺りを突き詰めて考えていくと厳しい。厳しすぎる……。ただ、『TRUMP』にゲルハルトは登場しないけれど、アンジェリコの言葉の節々からフラ家および父に対しての誇りが見えている。なかなか厄介極まりない性格だけれど後継ぎになる息子を育て上げたんだと、シングルファザーのゲルハルトの奮闘が窺える。お貴族様だから別の女性を妻としてすぐ充てがわれている可能性もあるけども。自らが押し潰されかけた重圧を与えないよう注意を払いつつ(ゲルハルトの振る舞いを見ている限り正直危うそうではある)フラ家を守ることを教育してきたゲルハルトについて、今後『TRUMP』を見る度に思いを馳せてしまいそう。「マリアとフラ家を守る」という言葉の中で、フラ家の一部にアンジェリコを組み込んで考えているのかな。「マリアたちとフラ家を守る」という言葉ならここまでモヤモヤしなくて済んだというのに。最終的には大事な息子のアンジェリコも死んでしまうから、結局フラ家は守られない。それでも、死の匂いを振りまきながらもゲルハルト本人は死なない。死ねない。徹底して傍観者でいるよう定められているのかと思うほどに残酷すぎる。ゲルハルトが周囲に介入できるのは、ダリの危機を助ける守護者としての役割を果たすときだけなのでは……。「ウルが原案を書き、ダミアン・ストーンが脚本と演出を務め、ダリ・デリコが主演するグランギニョル」というマルコのセリフがある通り、ダリは強制的に最前列特等席に座らされた観客のように見えるけれど、本来なら愛妻・フリーダ夫人を自らの手で殺す役目を与えられていたわけで。ダリが手を汚すことによってグランギニョルが完結するはずだったのにゲルハルトの犠牲によって、マルコの望む形では幕は引かれなかった。これは力及ばずとはいえ(フリーダ夫人は死んでしまっている……)、ゲルハルトが残酷劇に抗えた唯一の瞬間なのかなと。
ダリとゲルハルトの関係についてはゲルハルトからの矢印が凄まじい。大人の状態でこれなら繭期の頃はもっと拗れていそうで怖いな!昏い執着を向けてもずっと変わらないからこそ、ダリはゲルハルトの憧れたり得るんだろうなと。キャストパレードでの絡みでも背後から手を這わせている姿が、ダリに見えないところで彼のために動くゲルハルトを暗示しているようで滾る~~~。ダリの名に傷が付かないようにスーを匿っている件についてヨハネスに上申するわ、ダリを死なせないためにフリーダ夫人に剣を向けるわ、汚れ仕事を自ら引き受けている感が強い、強いぞ、ゲルハルト。ラストに、「付き合ってやるよ」というダリの言葉に微笑んだのを覗き込まれて顔を逸らすというツンデレのテンプレをしたゲルハルトだけど、本編で唯一の微笑みを引き出したのがダリっていうのがね……。マリアといるときも他の誰といるときもその表情を浮かべ(られ)なかったゲルハルトが……。ダリとゲルハルトについてはTRUTHとREVERSEというよりも陰陽の要素の方が濃く感じた。ダリの全てに憧れ焦がれるゲルハルトはダリにはなれない。また、ダリはダリで絆を感じてはいるけれどゲルハルトになりたいといった憧れは抱いていなさそう。そこがこれまでのTRUMPシリーズで対として表現されてきた人物たちとの決定的な違いのように感じて、こんなのますますゲルハルトを好きになるしかない。棄教した直後にヴラド機関付きに任命するとか、ヨハネス卿は鬼かな!??っていう仕打ちを受けても耐えていそうなところがこれまた好き。

 

東啓介さん。

高身長!足が長い!二次元から抜け出てきたような出で立ちに平伏す。厚みのあるJPEGかな???この舞台にはどれだけ規格外の三次元の方々が揃ってるんだ。中国武術は肘を深めに引いたり膝を大きく曲げたり派手な動きが多いからあの長身に似合いすぎていて、中華系ヴァンパイアハンターというキャスティングに感謝。二次元っぽいセリフが一番多い役回りという印象。「黙らっしゃい」「護衛任務はここまでです、ここからは自分の身はご自身でお護りください」「グーで殴って差し上げましょう」などなど。二次元キャラってこういうこと言う言う~~~と勝手にニヤニヤしてしまった。
ヴァンパイアハンター、李春林。身体のバランスと髪型が久保帯人(『BLEACH』)作画っぽい。これ、私の中ではものすごく褒めている表現だけど確実に伝わらなさそう。今までダンピールと言えば負の概念しか持たされていなかったはずが、春林の登場によって新たな可能性が提示されたのでは。稀有な存在すぎる。ダブルピースをしての「ポジティブダンピールの出来上がりです」にはかなり笑えたけれど、ああいう風におどけて相手の懐に入り込んでいるのかとも勘繰れて最高。
奥の手は予想外すぎて興奮するしかなかった。そういうのアリなんだ!?イニシアチブの可能性無限すぎる……。まず、どういうきっかけでこの奥の手に行き着いたのかが知りたい。危機的状況に陥ったときに春林の命令で試してみたのかな。ああいう主従関係逆転にはどうしても滾ってしまう~~~。しかも歌麿は気乗りしてないっていうのが最高かよ~~~。完全に逆転したのかと思えば、「下がっていなさい」とあくまでも春林が歌麿に命じる立場っていうのが、二人の主従関係の秘めたる可能性を感じられる。本当に危険になったときは、自分を置いて逃げるよう歌麿が春林に命令とかしそうだなと妄想。それなのに、8/3ニコ生で、次の任務が春林にとって最後の任務だと末満さんがさらっと明かされていて呆然とした。えええええ。最後?最期!?負傷によりヴァンパイアハンター引退=最後の任務ならまだいいけど、最期の任務だとしたら厳しい……。二人には、ちょくちょくダリ邸に顔を出してラファエロぼっちゃんとウルぼっちゃんに稽古をつけるっていうスピンオフを(勝手に)期待していたのに……。

 

松浦司さん。

髪型や衣装の中華っぽさが『最遊記』を思い出す。こういう、分かる分かる~~~と頷ける外見の作りこみって大変だろうな。春林と歌麿コンビは二次元みに溢れすぎていて、最遊記とか黒執事に絶対出てるやつ……と冒頭から震えた。こういう二人組絶対いる。背後にジャンプするときなどの身のこなしが綺麗だなぁと思ってwikiったら、USJのダンサーさんだったのか。なるほど。一挙手一投足が犬をイメージしているようで愛らしくて、もうそれだけで春林と歌麿コンビ大成功じゃん!??と拍手喝采したくなる。春林の足元にまとわりつく姿はまさに子犬。涅槃像ポーズは『LILIUM』を思い出して懐かしい。
ヴァンパイアハンター歌麿。まず、師匠呼び。次に、第三者からの飼い主・飼い犬認定。第三に、主従関係の逆転要素あり。こんなの滾らない方がおかしいでしょうっていうぐらいの、古今東西の主従関係設定の美味しいところてんこ盛りの春林・歌麿コンビ。弟子が師匠を噛んでイニシアチブを獲るっていうのがもう設定の勝利すぎる。ヴァンパイアハンターたちの冒険活劇スピンオフが見たい。何でもスピンオフを求めがち。ダリ邸から立ち去るときの言葉はたしかに定番だろうけれど、定番だからこそやっぱり聞きたいよね!と全面的に賛成しかない。
イニシアチブについては対象者の力の覚醒はまあ納得だけど、元人間で後天性吸血種だから効果は1時間なんて新事実すぎる。最初に試したときは絶対に効果の程度なんて分かっていなかっただろうから、自分自身を使っての春林の実証実験の可能性もありそう。ヴァンパイアハンターたちも今回のバルラハ・ベル同様に、イニシアチブの可能性については探っていそうなところがある。

 

栗山航さん。

マルコ・ヴァニタス。ウル、マルコ、ダミアンとややこしいので、マルコで統一。よく転ぶ人を怪しみがち(経験則)なので、マルコは冒頭からフラグが立ちすぎていた。しかも、姓がヴァニタスって!ほぼほぼ分かりきっていたことだけど、あの静けさの中で響き渡る「ダリちゃん」は、これまで笑いを生み出してきた「ダリちゃん」と同じ呼称なのに落差が激しすぎてぞっとする。ただの人畜無害の部下ではなく全ての黒幕だと判明してからの感情の振れ幅が凄まじくて目を奪われた。打って変わって殺陣もお見事すぎる。
マルコ、マリアさんへの思い入れが半端ない印象。愛しているようにさえ見える。ダリ父への恨みよりもゲルハルトの非道な行いを糾弾するときの方が激しい怒りが感じられて、そもそもこれは誰の怒りなんだろうと考えて哀しくなった。マルコの中では明らかに複数の人格がせめぎ合っている。マルコvsダリ&ゲルハルトのとき、ダリへは打撃攻撃が多い一方でゲルハルトには容赦なく剣を振るっているように感じられて、ゲルハルトのことは確実に殺しに来ている!と思ったけれどこれは思い込みかもしれない。残酷劇の最後を彩るためにダリは生かしておかなきゃいけないからそれ故の手加減なのか。自分の子供(=アンジェリコ、ウル)には何の感慨も持っていなさそうなマルコが、マリアの受けた仕打ちにだけはひどくナーバスになっているのが二人の関係を色々考えさせられる……。14年後のアンジェリコの結末も、ゲルハルトへのさらなる復讐のようにも感じる。ただ、フラ家の経緯を知ってから改めて考えてみると、マルコを解任だけに留めたゲルハルトが意外。アンジェリコの秘密が明るみにならないよう口封じでマルコを殺しそうなものなのに。
気になる点は、終盤でマルコが口にした「何手先も読むのが~」のセリフ。冒頭のチェスシーンでヨハネス相手にダリが口にした言葉だけれど、その場にマルコはまだいない。マルコはこの時点でもうヨハネスのイニシアチブを獲っているから、ヨハネスの記憶を把握した上で同じセリフを意趣返しとして言ったってことでいいのかな。イニシアチブ関係がまだまだ曖昧にしか理解できてなくて、変なこと書いてないか不安しかない。

 

田中真琴さん。

スー・オールセン。一回目の観劇のときにどこかで見たことあるなーとずっと考えていたけど、感覚ピエロ「拝啓、いつかの君へ」のMVの人か!女性同士がちゅっちゅとキスしてるシーンが冒頭繰り広げられるMVだったから記憶に残ってるんだ。モデルが今まではメインのお仕事だったのかな。でも、あの鮮烈な目力と蓮っ葉で皮肉めいた話し方がすごくスーらしくて合っていた。教会でダリを庇ったときのシンプルな衣装でさえ驚くほど可愛い。ダリに背後から捕らえられたあのシーン、運よく目の前の席のときがあったけれど、美と美の掛け算で逆にどこ見よう!?と慌てた。本当に可愛い。
根性が逞しいスーが、ダリ邸でハンスを(主な)相手として起こす騒動スピンオフが見たい。下着を一緒に洗われそうになって、本当にイヤ!とか言うスーが見たい(日替わりネタ)。スーはどう考えても潜入スパイには向いていないだろうよマルコ……とまず人選から異議を唱えてあげたすぎる。ダリと結構初期からじゃれ合うわ、フリーダ夫人に浮気相手(のふり)として立ち向かうような女の強かさはないわ、スーの性格的にダリ邸に染まるのが目に見えてる。フリーダ夫人とスーの間でドロドロ昼ドラ展開にならなかったのはそれぞれの性格が良かったからだろうし。そんなスーがマルコに対してはあまり蓮っ葉な感じじゃないのが可愛らしかった。マルコの中でほぼ消えかけていたウルの人格に助けられるって展開は王道中の王道だろうけれど、あの一瞬でスーのこれまでが少しでも報われていたらいい。マルコのあの態度的に、スーが身ごもったときにはまだウルの人格が多少は残っていたんだろうか。

 

愛加あゆさん。

気高く美しきフリーダ・デリコ夫人。囁きかけるようで凛とした声が麗しい。指先の仕草までエレガントでさすがはフリーダ夫人。もう全面的にフリーダ夫人の信者なので、ダリは言葉足らずすぎるんだよ!!!と延々言ってやりたくなる。初登場時だけキャラ違わないですか?と思うほど、最初は昼ドラ展開が始まるのかとドキドキした。「綺麗な顔……、この顔でダリを誑かしたの」って完全に牡丹と薔薇的展開の序章感。スーだけたわしコロッケ出されそうな雰囲気。本当に裏がない高潔な夫人なのだと中盤以降は理解したけれど、そんな夫人が「誑かしたの」なんて言葉を使うほどダリとスーの関係を誤解して追い詰められていたのかと思うとやりきれなくなる。『グランギニョル』中最も高潔だと思ったのがフリーダ夫人のこのお言葉、「幸せであろうと努力しています」。幸せ「になる」じゃなくて幸せ「である」とおっしゃる姿勢が素晴らしいと信者としては思いました。生きることはありとあらゆる呪いに縛られることなのかと絶望さえ感じる世界の中で、フリーダ夫人のこの言葉は尊い。男性陣の振る舞いに対してはおいおい……と思うこと多々だったので、ノブレス・オブリージュ言ってる場合じゃないよ!まずは自分の幸せからだよ!とツッコミを入れたくなってしまった。多分そんなツッコミは求められていない。ダリに抱きかかえられた体勢でのフリーダ夫人の最期は美しくて哀しくて、やっぱり泣ける。
黒薔薇館の歌姫が歌う「今宵は黒き夜」、最高オブ最高。いつまででも聴いていたくなる。音源発売してほしい~~~。「今宵は黒き夜、血も肉も分かち合おう」のフレーズで「血も」のところで口元に手首を近づける振り付けが吸血行為を示していて色っぽい……。

 

藤木修さん。

繭期三人組の一人、アンリ・ガトー。死にたがりのアンリ。666人のイニシアチブに耐えて不完全ながらも不老不死を手に入れて、バルラハ・ベルが恐らく最も大切にしている存在。パンフレットの写真、バルラハがアンリじゃなくオズを見つめているのが違和感すぎた。白のフリルをふわふわさせた繭期三人組のアクションはどれも好きだけど、特にアンリは小柄ながらも動きが俊敏でキレがあった。カーテンコール時に少し緊張して客席を見回している姿が印象的で、素晴らしかったです!と伝えるためにとにかく拍手した。
アンリについては死にたがりの原初信仰者という矛盾が気になる。死にたいという願望は繭期の一症状に過ぎないんだろうか。実験を受ける前はごくごく普通の原初信仰者だったけれど、不完全な不老不死を手に入れて永遠の繭期にいるうちに死への欲求に取りつかれた感じ?バルラハの実験、罪深すぎるでしょ……。ただ、バルラハの実験で生き残ったのが三人でまだよかった。共依存関係に是非はあるだろうけど、三人組の誰も、一人きりじゃあんな繭期に耐えられない。キキとアンリの姉弟のような気安い関係にはほんわかした。コクーンの摂取を止めれば問題なく成長するようだから、繭期を脱したアンリがまだ死を望むのかも次回作以降のどこかで少しでも触れられるといいな。

 

大久保祥太郎さん。

繭期三人組の一人、オズ ・ローナン。69人のイニシアチブに耐えて、未来を予知する力を手に入れたオズ。この予知が逃亡したキキの未来に希望を灯しただろうことを考えるとオズも少しは報われたのかな。「キキなら繭期でなくなってもきっと誰かを愛せるよ」と伝えるオズは兄のようで友達のようで恋人のようで、繭期三人組は互いに色々な役割を分担しながら擬似家族として暮らしてきたんだろうと想像するだけで泣ける。オズとキキの別れのシーンでも咽び泣いたし、戦いながらもキキが無事に逃げられたか気にするオズの言葉には嗚咽が漏れそうになった。突然の死で全てを奪われがちだったTRUMPシリーズにおいて、お互いまだ生きている状態で、別れを告げるシーンにここまでちゃんと時間が割かれていることはなかった気がする。
オズもアンリ同様、繭期の症状で死を受け入れているのか不明。自分の予知能力によって「僕は死ぬ」と語っている姿を見る限り不老不死の概念に取りつかれているようには感じられないし、むしろ死を受け入れてさえいる。パンフレットの相関図で繭期三人組が原初信仰者とされているのは便宜上なんだろうか。

 

田村芽実さん。

繭期三人組の一人、キキ・ワトソン。188人のイニシアチブに耐えて圧倒的な戦闘能力を手に入れたキキ。それぞれが耐えた人数の数字にも意味があるのかな。真っ白な衣装にツインテールで可愛い!冒頭から雰囲気が凄まじくて、声を発したときには一瞬で場を掌握していたような気さえする。田村芽実さん凄まじい。「愛してあげる!」が決め台詞として頻出するけどその意味合いはシーンごとに異なる。好意も殺意もひっくるめた「愛してあげる!」の言い方がすごく好みだった。繭期の症状として目に映るもの全てが愛おしくなってしまうキキは、オズとアンリに向ける自分自身の感情にも時折自信が揺らいでいそうでしんどい。オズとアンリが目の前にいるから繭期の症状として愛しているのか、仲間として自らの感情で愛しているのか。その境目なんてきっと本人にも分からない。何て罪深すぎる繭期症状なんだろう。
「永遠の繭期を生きるのよ」というセリフがあるから、キキは繭期三人組の中では比較的原初信仰寄り?ただ、永遠の繭期を生きない限り、繭期三人組の擬似家族的関係は続かない。それを三人は確実に理解はしているだろうから、一人も喪いたくないという恐れからああいうセリフを発した可能性もあるのかな。アンリの願いでキキが歌った子守唄の一節に「眠れ、繭期の子らよ、同じ夢を見ながら」とあるけど、共同幻想ユートピアを思い出すしかないじゃないですか、こんなの!同じ夢を見る~~~♪
マリーゴールドの先祖だとほぼ確定したキキ。オズの予知能力は仲間を喪って独りぼっちになったキキの今後の支えになるだろうし、観客にとっても希望。繭期でなくなってもきっと誰かを愛せると言われた通りに愛せる人と出逢ったキキが子供を産むという未来が約束されている!8/3ニコ生によると、『SPECTER』のグレコと出会ったら……と末満さんがイメージされた上でキキの逃げる方向の演出をされたそうなので、グレコとキキのカップルか~~~!キキの子孫のマリーゴールドの結末は知っているけれど、キキ本人だけでも幸福になってくれる可能性があるなら少しでも救われる。

キャスト別感想終わり。

 

『SPECTER』がソフィ誕生の物語である一方で、『グランギニョル』はウル誕生の物語となった。出生からして曰くつきの二人のダンピールが14年後に同じクランで出逢うという血塗られたボーイミーツボーイ。そうして、繭期がTRUMPに繋がっているという仮説が正しいのならば、『LILIUM』でソフィの犯した所業も図らずともTRUMPに捧げる残酷劇になっているという地獄。『グランギニョル』で多数の命が果てた末の希望の象徴だったはずの子供たちが14年後、『TRUMP』で呆気なく死んでいく。その遥か未来の『LILIUM』では、希望という意味から名付けられたはずの「ウル」が少女たちの命を強制的に永らえさせる薬の名前になっている。考えれば考えるほどに、TRUMPの世界全てが丁寧に丁寧に真綿で首を絞めるように退路を断たれた袋小路。
Eli, Eli, Lema Sabachthani?と無意識に呟いてしまいそうな残酷劇、素晴らしかったです。絶望に傾いた天秤がほんの少しの希望で容易く揺らされて、もう完全に末満さんの掌の上で転がされている。次は、末満さんがニコ生で語ってらしたラファエロとアンジェリコの青春感が漂う『COCOON(仮)』が観たいです!寄宿舎学校でのボーイミーツボーイなんて『ばら色の頬のころ』しか思い出せないので期待大。

 

8月まとめ

記事を書き上げるスピードが落ちる一方で字数が増えていきがちだった8月。Twitterに「グランギニョル、鳥髑髏、ハイローの夏」と書いていたけれど、それ以外で観に行った映画や舞台もどれもよくて最高が凝縮されてる月間だった。ハイローにハマってまだ一ヶ月という点だけが恐ろしい。あ、チケットが外れて観に行けなかった美山加恋ちゃん主演の『赤毛のアン』感想をどれだけ検索してもあまり出てこないのが遺憾の意。2万人動員のはずなのになぁ、子供たちがメインターゲットだからあまりブログなどに感想が載らないのか。
8月の反省点はついつい外食をしがちだったこと。家で食べるものはそうめんばっかりで、いかにアレンジして飽きを抱かないかだけを考えてた。面倒くさがりここに極まれり。9月の登山に備えて月後半から週3でジョギングをするようにしたところ、Runtasticから来るメールが優しくなってきた。褒めて伸ばされてる。あと、UHAのグミサプリを7月から何気なく食べ始めたところ何となーく調子がいい気がする。気休め程度には。

1週目、8/1~5
この週は『グランギニョル』を2回観に行って過去作DVDもひたすら観ていたから、TRUMPシリーズにのめり込んでいた一週間。TRUMPシリーズは考える余地が多い点も魅力的。

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8/3、西尾維新大辞展。「朗読」コーナーでは溜息がこぼれるぐらい色気のある声に聞き惚れた。戯言シリーズいーちゃんと友の声を違和感なく聞けたのでOVAにも手を出してみようかと思ったけれど、販売延期など色々あるみたいなので様子見。seshiki.hatenablog.com

 

2週目、8/6~12
人狼TLPT×宇宙兄弟』を観に行った影響で、久しぶりに人狼ゲームをしたくなって集まりに参加してみた。昔から何故か人狼運営になる確率が高くて、村人として村を守りきるという健全な喜びをあまり味わったことがない。そのときに他のカードゲームにも挑戦したところ、「犯人は踊る」が一番面白かった。

seshiki.hatenablog.com久しぶりに、逃走中を最初から最後までちゃんと見ていて面白かった。超特急のユースケさんのことを好きになるしかない素晴らしさ!ユースケさんファンは確実に増えたはず。

8/10、突然の月髑髏キャスト発表。今まではLV日に発表していたのに10日ほど遅らせてこのタイミングだったのは結局何故だったんだろう。今のところチケットが当選していなくて焦る。一般発売までにそれぞれ一枚は手に入れたい。

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8/10、少年社中『モマの火星探検記』を観に行った。矢崎広さんの次回出演作が観たくなったけれど『人間風車』か~~~!自分の中で『人間風車』を観るのは結構覚悟が必要でまだチケットも獲っていなかった。花髑髏で最高の天魔王だった成河さんも出演だし、やっぱりチケット獲らねば。

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毎年観に行っている花火大会が今年も最高だった。

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3週目、8/13~19
急遽外せない用事が入ってしまって『鎌塚氏、腹におさめる』を泣く泣く友人に譲った。鎌塚氏シリーズ観たかった……。金髪の二階堂ふみちゃん見たかった……。あああああ。ぐるナイを見るたびに後悔が押し寄せてくる。
8/19、都内は恐ろしいまでの雷雨で多摩川花火大会に行こうとしていた友人の何人もが阿鼻叫喚の事態に。この日はハイロー映画公開日だから行く気満々だったけれど、外出がどう考えても難しそうな雷雨で断念。

 

4週目、8/20~26
公開2日目にハイロー映画を観に行ってきた。唸る拳!凄まじいアクション!脳内麻薬大放出で中毒性がありすぎる!

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とあるイベントにぼっち参戦した。自己紹介用名札に自分の沼の一つとしてハイローを書いたので、もう完全にハイローの民の気分。そのときのtwitter感想はこちら。

My千秋楽鳥髑髏、8/23ソワレ公演。本当に鳥髑髏最高すぎる。早く早くDVD化を……!感想もそのうち書き上げる予定。

8/24、待望の続報。前作は観に行けなかったから、第2弾の今作はぜひとも行きたいとチケット情報を待ち望んでいた『艶漢』。まさか梅棒『ピカイチ!』で興味を持った野田裕貴さんがご出演とは!ますます行くしかない!原作『艶漢』の世界観がどう表現されているのか気になる。ふんどし、大変そうだな……。
natalie.mu

8/25、驚きのニュース。おお振り舞台化。おお振り実写化はまあありえるだろうと思っていたけれど、まさかの舞台化で、しかも脚本・演出がキャラメルボックスの方だとは。原作のあの細かなディテールも魅力の一つだと思っているので1~2クール費やせるドラマの方が比較的向いていそうな印象。天才・田島くんとコンプレックス刺激されまくりの花井くんの二人が特に好きだったのでキャストに期待。身長差大事。天才と凡人の物語にはいつだって心惹かれる。とはいっても、舞台の時間枠を考えると三橋くんと阿部くんに焦点を当てたストーリーになるだろうから、そもそも二人の登場はあるのかという懸念も。キャラメルボックスの方がおお振りを担当されるというのは、『スロウハイツの神様』しかまだ観たことがない私でもすごく納得ができる。弱者に寄り添う物語にふさわしい人選。

natalie.mu

8/26、『15 Minutes Made Anniversary』に当日券チャレンジ。これが直球にどストライクで、最高オブ最高としか言えないまま吉祥寺を徘徊する結果に。観に行って本当によかった~~~!近いうちに感想を載せる予定。もう今すでに一つの舞台の再演を望んでるけれどそもそも再演なんてないんだろうな……。公式サイトはこちら。
Mrs.fictionsのあのホゥムペィジさえも

 

5週目、8/27~31
『氷艶』TV放送があったので張り切って録画。圧倒的エンタメだと信じてるのでお勧め記事も書いてみた。

seshiki.hatenablog.com

電車に乗っていて、ハイローのキジーちゃん役の稲葉友さんが『将棋めし』に出演していることに気づく。あれだけ電車の吊り広告眺めてたのに今更……!右の人がキジーちゃんか~~~とtwitterで呟いたところ、稲葉友さんファンの方に左の方だと教えてもらえた。私がいかに髪型だけでイケメンを判別してるか分かりますね!恥ずかしい!!!早速『将棋めし』を見てみたところ、稲葉友さんの雰囲気が驚くほど違っていて新鮮だった。あと、内田理央さん可愛すぎでは?

www.fujitv.co.jp


9月に観に行く予定の舞台で特に期待してるのは『デスノート THE MUSICAL』。デスミュ!デスノート原作(特に第一部)が好きで、去年公開された映画『DEATH NOTE Light Up the NEW World』についてはよくもここまで各キャラの知能指数を下げてくれたな……!と歯軋りしたから、すごく評判が良さそうだったデスミュには期待大。映画は本当に、ミサミサの美しさをもってすれば破綻しているストーリーの何もかもが帳消しになると思ってるのか製作陣~~~!と今でも声を大にして言いたい。でも、ミサミサの結末を見届けるためだけに観に行った私のような奇特な人間もいるので、そこを描ききってくれた映画はその点だけ利害が一致していた。

9月の目標は定期的な運動の継続!それと、ブログにマンガ感想も載せたい。最近のお勧めは相変わらず『HUMINT』と、待望の連載開始『来世は他人がいい』です!

seshiki.hatenablog.com

『HUMINT』は商業連載版第一話がここで早速見れます。

akm.md-dc.jp

アフタヌーンで連載が始まった『来世は他人がいい』の紹介はこちら。

natalie.mu

その他は、『左門くんはサモナー』最終巻を読んでいるうちに若干同じ匂いを感じるネウロを読み返したくなって、8月は繰り返し、ネウロを読み返してた。『魔人探偵脳噛ネウロ』は、ここまで綺麗にまとめあげることが少年ジャンプで可能なのかと圧倒されるほど見事な幕の引き方で、ユーモアも毒もてんこ盛りの人間賛歌の作品です!人間と人外の組み合わせには、天才と凡人と同じぐらい惹かれる。

今年が残りあと4ヶ月なんて信じられない……嘘だ……と思いつつ、9月も頑張ろう。