僕は君が

ときめきの用例採集

「捨てる」ことで見出せる希望──劇団☆新感線『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』

一ヵ月半ぶりの登城となった3/26、とうとう『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』を観てきたので感想を。ネタバレあり。ネタバレ控えめで書こうかと一旦は考えていたものの、そうなると書けることが、天海さんがカッコよくて泣けるとか、新キャラクターたち最高すぎるとかで終わる。心の中が、かっけぇ~~~!の絶叫でただただ埋め尽くされていた今作『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』。やっぱり劇団☆新感線は最高~~~!『髑髏城の七人』のどの亡霊も、初見の人も、ぜひともいざ髑髏城へ! 4/12にはライブビューイングもあります!

natalie.mu


当日、この観劇のためだけに上京した友人と二人、いざ髑髏城へ。花鳥風月すべてライブビューイング観劇だった友人が初のステージアラウンド東京に挑んだ理由はひとえに、天海祐希さま。新感線や地球ゴージャスなどのキャスティングは本当に、観劇人口の裾野を広げていると感じる。市場前駅でタクシーを降りて、見よこの関東荒野を!とステアラ前の何もない荒地を紹介するだけでかなり盛り上がった。いいお天気だったのもあって春の関東荒野はのどか。冷たい風が吹きすさぶ冬のあの関東荒野は幻……?髑髏城登城にもはや慣れていたけれど、こんなところまで遥々赴いて13,000円のチケットを喜んで買える、という行為には新感線への信頼が凝縮されているなぁと久しぶりに考えた。

花鳥風月を経てとうとう極に辿り着いた『髑髏城の七人』。こんな贅沢な髑髏イヤーを見せてもらえるなんて、ワカドクロで初めてドクロに触れた7年前には想像もつかなかった。「極」とついているもののタイトルが『修羅天魔』とある通り、今作は別物。新作。一部の登場人物やストーリーに見覚えがあるけれど着地点などは分からない新作、って不思議な感覚すぎる。お祭り騒ぎだから何でもありですね!花鳥風月どの舞台でも、ああこういう風にセリフを改変したんだとか、へぇこういう感じで演じるんだとか、新鮮な驚きは提供されてきた。ドクロに慣れている昔からのファンを驚かせる仕掛けも多く用意されていた。それでも、修羅天魔は『髑髏城の七人』の新作だからこその新鮮な高揚感と衝撃がとてつもない!

『髑髏城の七人』という舞台を観ているほど混乱も大きそうな修羅天魔。これぞ劇団☆新感線自らによる換骨奪胎!新たな登場人物もいるし、今までと同じ名前でも背景が違っていることもあるし、アレ?そうなるの?と驚くことも多かった。「撃鎧銃」というフレーズがまだ口に馴染まない。七人目は誰だ!?と真剣に考えるドクロなんていつ以来だろう。ドクロといったら……というお約束(固定概念とも言える)も丁寧に細かく変えていて、それが小気味よくもある。ドクロリピーターと新感線側で考えるドクロのお約束がほぼ共通の認識だからこそできること。ただ、これまでの『髑髏城の七人』という作品に関連する記憶すべてを一旦忘却した状態で観てみたいという気持ちも大きい。捨之介や蘭兵衛は登場しないと事前に明言していることからしてもうずるい。一度でもドクロを観たことがある人にとってここまで衝撃的な改変はない。あの二人がいなくてどう進行していくの?という疑問で観客を引きつけておいて、冒頭の極楽太夫で一気に魅了する。友人は冒頭の見得ですでに泣いていた。はやい。でも気持ちは心底分かる。
ワカドクロ以前のドクロでは「影武者」が重要な要素で、表裏一体である捨之介と沙霧の関係がたまらなく好き。修羅天魔ではさらに「武士」と「名もなき民」の対比が描かれていて、それが「影武者」に深みを持たせていて最高。ドストライク。極楽太夫たちが髑髏城に向かうときの音楽の「名もなき民の生き様」(?)という歌詞。「武士」であることに拘泥する夢三郎の存在。影が「武士」として座することを厭う明智光秀の主張。ああ、これぞ新作と言わんばかりの新たなファクターが多くて楽しい~~~!あ、「武士」と「名もなき民」の対比は鳥髑髏でも描かれてはいたので、鳥髑髏の亡霊としてはその点も嬉しい。鳥髑髏では斬鎧剣の扱いも熱くて熱くて最高なので、花鳥風月極のDVDかゲキ×シネが登場したら、未見の方にはぜひとも目にしてもらいたい。

その他に気がついたのは、無界の里と髑髏党での男女のあり方。入れば人に境はないという無界の里の謳い文句は遊女たちにも及んでいて、男性の夢三郎が太夫を務めている。修羅天魔での無界の里は圧倒的に性の匂いが強くて、春を売っているんだと視覚的に理解させられる。遊女たちの艶かしい動きが今までとは一線を画している。分かりやすいまでに猥雑なその雰囲気にはじめは戸惑ったけれど、安土の城下町と似ていると沙霧が捉えることで、なるほど~~~と感心した。しかも、雰囲気が似ていることによって、天魔王が織田信長本人という主張が補強されるというね!なるほど~~~!(2回目)色街・無界の里はエロくてそれはそれでよかった。無界の里でおなじみの「ここで選ぶのは男じゃなく女」というしきたりも(多分)存在していない模様。極楽太夫によって再建される無界の里ではきっと、女が男を選ぶんだろうな。で、髑髏党。修羅天魔の髑髏党には女性がいない。仮面を被っていることが多いので明示はされていないけれど、体つきなどから判断する限り女性はいない。これは、天魔王が使う(=認める)女は極楽太夫だけという表現なのだろうか。ああ、天魔王と極楽太夫の拗れた関係が好きすぎる。
その髑髏党だけど、今作では大いなる見せ場があって笑い転げた。こいつらに明日が見えるか?と捨之介が三五/渡京に対して決断を迫るときによく言うけれど、修羅天魔の髑髏党たちには結構明日が見えていたのは私だけ?ものすごく生き生きとお仕事していて微笑ましかったよ!東宝ミュージカルですか???というツッコミを頭の中で10回ぐらいした。ミュージカル髑髏党最高。

セットではこれまでとは違った手法が取り入れられていて、回想場面という利用方法の美しさに恐れ入った。極楽太夫が佇むだけで絵になるし、その感情が伝わってくるからこそ有効。まだまだステアラには可能性が秘められていて『メタルマクベス』への期待値も高くなっていく。ただ、360度カーテンコールがなかったことだけが口惜しい。あれ、大好きなのに……。
いつも通りパンフレットと戯曲本を購入。修羅天魔だけ仕様が変わっていてサイズも変更。持って帰りやすくはあるんだけど、花鳥風月極髑髏のパンフレットを全部並べて飾ろうと企んでいたので当てが外れた。パンフレットではキャストインタビューの代わりに親交のある方からのコメント掲載。ええ……、染五郎丈(現・松本幸四郎)のコメントとか読めるのは興味深いけれど、キャスト本人が自らの役について語るのが好きだから少々残念。戯曲本は今回もサインつき。サイン本がどんどんたまっていって幸せ。

キャスト別感想。
天海祐希さん。極楽太夫。お蘭。ああ、男前!問答無用の格好良さ!かっこよすぎて震えて泣ける……!冒頭の見得からもう痺れた。「修羅天魔」のタイトルを背にして凛と立つ天海太夫を目にしただけで、これぞ極だ……!と心臓を鷲掴みにされた。美しさと格好良さの共存が成り立っていて、どの一瞬を切り取っても天海太夫は素晴らしいの一言。粋な着流し姿だけでなく太夫にふさわしい豪華絢爛な顔見世シーンもちゃんと用意されていて、新感線は本当に分かっている。最高だ。惜しむらくは、何度も感想で書いているけれど、ブロマイドを売ってくれないことかな……!天海太夫の顔見世のブロマイドほしいよ~~~!修羅天魔は最初から最後まで、いのうえさんと中島さんがひたすらに楽しんでこだわり抜いて、天海さんのために用意した脚本&演出だと心底感じた。天海祐希さま、という女優への愛情と信頼が成せることだなぁ。「捨てる」ことで希望を見出せるその強さがブラボー!
雑賀の鉄砲撃ちとして織田信長の命を狙ったことが縁となり、信長にその腕を乞われることに。本能寺の変後は手練れのスナイパーとして家康に雇われるという経緯を持つ極楽太夫。「極楽太夫」という名前ながらも捨之介や蘭兵衛の要素も濃く含まれている。まず、捨之介。捨てたと思っているのは本人だけで実際にはすべて抱え込んだままの捨之介のセリフ、「浮世の義理も昔の縁も三途の川に捨之介!」。同じセリフを口にしているのに、天海太夫の見得によってこれまでとはまた別の形で昇華されるあの締めくくり、最高オブ最高。この見得の直前、観客の多くが息を呑んでいた。これまでのすべてを捨ててこの七人でここでまた一から始めていこうという宣言の美しさよ!次に、ワカ以前の蘭兵衛は亡き殿と同じ顔であることから天魔王に心を揺さぶられるし、ワカ以降では殿の亡骸より作られた杯や最期の言葉を差し出されることで激しく乱される。一方の天海太夫は、天魔王(=影武者の男)が自分の知っている織田信長と同一人物なのかという点でのみ葛藤する。天魔王が信長と同じ顔であることについては受け入れている。というか、修羅天魔は「影武者」に焦点が当てられているので(家康の影武者など)、同じ顔であるという事実には誰もあまりとらわれていないような。
月髑髏で描かれていた霧丸と極楽太夫の、山の民同士だからこその仲間意識。それが修羅天魔でも大いに活かされていて、家も持たない流浪の山の民だからこそ山の掟ぐらい守らなくては、という極楽太夫の決意が後々にまで影響してくる。女性同士でどうなるんだろうと観劇前には想像さえつかなかった沙霧との組み合わせは、姉妹っぽさがあってよかった。沙霧が守られるだけの立場ではないし、極楽太夫に自らの考えをちゃんと伝えられる自立性もあるので、母娘というより姉妹みを感じた。男気に溢れているからか、極楽太夫は兵庫とも清十郎とも距離感がほどよくて、今後の無界の里を覗きたくてたまらない。清十郎と喋っているだけで兵庫がきっと間に割って入ってくるんでしょ。観たい~~~。

 


古田新太さん。天魔王。古田さんを酷使しないという方針なのか、殺陣もあまりなくて動かない天魔王だった。天魔王に関しては予想外なことが多くて、これはたしかに修羅……と納得。今までの天魔王のように海外の助力を当てにしていなくて、髑髏党のみで倒してやろうという気概。日の本の未来より、影武者である自らを疎んじて倒した者たちへの復讐心を拠りどころとしていそうなのが新鮮。ここでも「武士」と「名もない民」(軽んじられる影武者の存在)の対比がある。影から光に躍り出て、それを周囲に悟らせないほどに有能であったことへの誇りと自負が天魔王を支えているように見えた。
設定が違うので当然ではあるだろうけど、古田天魔王がこれまでの天魔王と一線を画すのは「執着」の欠落。織田信長にこだわっているようにも見えないし、夢三郎の扱いを見ても肉親の情などもあまりなさそう。そんな中で一人だけ扱いが違っていた極楽太夫。その対応の差を自ら夢三郎に対して口にすることから、天魔王にも自覚があるのは見て取れる。ただ、極楽太夫固執していたのは、織田信長の女という勘違いと、その銃の腕を見込んでのものだったんじゃないかと今のところ考えている。でも、極楽太夫のぐるぐる回想場面の天魔王は太夫に向かって距離を詰めているんだよなー。しかも、あの表情。やっぱりある程度は、極楽太夫個人への執着もあったのかもしれない。

城が落ちて一人になっても家康の首を狙いに来たのは天下を取りたいからではなく、影の自分を知ってる家康を消したいという意思を感じて、彼が一番欲しかったのは過去を無くしたいという欲だったのかな、と思いました。徳川家康の首に執着していたの

古田さんのどちらが織田信長でどちらが天魔王なのか、惑わすような揺らぎの演技がすごいなと感じました。
天魔王はというと、あいつはノブナガでしたね。影武者だというコンプレックスを持っていない、自信あるタイプの影武者。圧倒的カリスマな信長ではなくて、カゲが戦略も一緒に考えてたんだろうなあ。いつ成り代わってもおかしくないのに、カゲはあくまでも影で、子も持ってはいけなくて、表舞台には出られない。コンプレックスじゃなくて、なんでお前だけが、という妬みと出世欲と自信にまみれた新しい天魔王…
カゲをひとりの能力ある人物として認めて、対等に議論を交わせた女性だったんだと思うんです。それなのに、彼女を手に入れたのは信長。と、思ってたわけでしょ。だってそうじゃないと8年待つ意味がないんだもん!天下があと一息で成りそうになって、そこで失う辛さを思い知れっていうのは、完全に信長自身の恨みで、そこまで待って実行するには暗殺が必要で、そのためにはお蘭が必要なんだもん。

だから夢虎はお蘭のニセモノで、つまりこれまでの人の男なんだよな。捨之介って影武者がいないから、天魔王は唯一て絶対的なノブナガの代役なの。うー…しんどい…お蘭は信長という存在を完全に消し去ることで、ようやく過去を捨てられるのです…

 

 

福士誠治さん。兵庫。これまたイイ男の兵庫でした。かっこよかった~カッコイイ兵庫だった~!夢三郎との関係性もすごく良かった!! 良かったからこそ!! いやだからなお良いんだけど!!! くるしい!! 
元来の極楽太夫が居ないことによって無界屋襲撃シーン(どうでもいいのですが今回の無界屋の暖簾、ひらがなの『の』でめっちゃ可愛かったです)を一人で受けなきゃいけないという(沙霧居たけどさぁ)、中々に辛さポジションが上がってしまった子なんじゃないかな、と思いました。
そんで、やっぱ兵庫には極楽が必要なんだよ。
夢三郎と義兄弟の契りを交わした云々は極楽太夫の代わりのポジションだったんだろうけど、夢三郎って蘭兵衛と極楽太夫、両方のポジションを兼ねてるのでその彼が無界屋襲撃したら、やっぱ兵庫には辛すぎますよ。
あと、やっぱ役改変によって色々と割りを喰ってるなぁ感も感じちゃって、率直な感想がいつもの髑髏城の兵庫の福士さんが観たいなぁって思っちゃったのと、
あにさとの協力戦だけでなく、今回は夢三郎との一戦も増えて、
さらに兵庫の見どころに厚みが出ているなと感じました。

夢三郎との拳での殴り合い、

やっと兵庫が蘭兵衛を成敗してくれた感があって、爽快感があります。

福士さんの兵庫は、従来の兵庫像に、マイルドヤンキーさを足したような、

休日はクロックスを履いて、地元のイオンモールに仲間と集い、

家族、友情、絆をなによりも大事にする、、、

とイメージを勝手にモリモリ想像して見ていましたが、

そもそも兵庫さん、地元を飛び出してきているんだったね……。

人を疑わずまっすぐ信じる兵庫さん。

極楽がスナイパーだということを秒で夢ちゃんに漏らしてましたが、

その情報はおそらく速攻で天魔王に報告されていたんでしょうね…。(笑)

兵庫が史上最強に自立している

だって!無界が落ちても、血が上った頭を冷やしてくれて、正気に戻してくれる太夫はもういない…たったひとりで子分みんなの名前を呼んで、一人で飲み込んで、一人で「よくやった!」にたどり着くことができる兵庫めちゃめちゃ強くない?!だって裏切ったの、蘭兵衛じゃなくて夢三郎だよ?!いけすかねぇ無界の主人じゃなくて、兄弟の契りを結んだ、一緒に無界を守ってきた、夢の字だよ?!兵庫ったら、太夫ポジションじゃないか!と思ったら、あらためていままでの太夫ほんと強いよね…裏切られて仲間殺されて、その上で兵庫励ましてるんだもんね…

極髑髏の兵庫は強い。そう。太夫にフラれ続けるヘタレでおバカな兵庫じゃない。(いや、バカだけど)強くてまっすぐな漢なんだよね。信じた道を信じ抜いて、ひとりで夢の字とのケジメつける、強い漢なんだよ。
いちばんスクラップアンドビルドでごちゃ混ぜになったのは兵庫なのかもなあ。なんか、存在意義があまり無い気がして。(居なくなったら困るけどね?)これまでは髑髏城に乗り込むときに沙霧が無茶を頼む相手であり、太夫を救ってあげる存在だった。でも、しあわせになるルートを全て失った兵庫…夢ちゃんを倒すためだけに存在する兵庫…太夫は振り向いてくれる要素無いし…無界再建でセルフで救われてくれるのほんといい子だよ…

 

 

竜星涼さん。夢三郎。キョウリュウレッド

人の男要素が!!!夢ちゃんに振られてた問題!!!夢虎お前完全に人の男ではないか…プライドが高くて、理想が高くて、野心が強くて、認めてもらいたくて…人の男じゃないか…
道具として使われることに、自分の自我を持たないことに価値を見出して、使い手を崇拝して…崇拝した相手の目論見通り死ねることに喜びを見出すタイプの人の男。使い手のために若衆太夫として完璧に周りを欺くことにプライド持てるタイプ。

スタイル良くてお顔綺麗とは思っていましたが、まぁその…綺麗で。スタイルが良くて。大変色っぽい若衆太夫でしたよ…嫋やかなんだけど男っぽさもちゃんと残っててそのバランスが良い塩梅というか。大好き。そして顔見世のお歌の雰囲気と、夢三郎さんの下がり眉メイクでヘドウィグを思い出してしまって勝手に胸を痛めていた。うっほんとあとは何も云えない(笑)。1幕の妖艶でいなせな感じも大好きなんだけど、2幕も…とても良かったです…下がり眉がなくなってしまうけど…。あとえっと髑髏党が至上最高に楽しそうだったな! とても楽しそうな髑髏党でわりと明日が見える感じだった(笑)。この人たちをあの古田天魔王さまは好きにさせておいてくれてるのか…懐広いな…。
夢三郎さんな!! な!!! 顔見た瞬間に「あっこの人が今回の里を焼く係の人ですね了解しました!!」ってなった(笑)。のと、1幕のどこかのシーンで前を通り過ぎる極楽のことをものっすごく冷たい目で見ていたのがとても印象的で、あーデスヨネーってなりました。まさか天魔王様の御子息とは思わなかったけど! なので口説きはなくなり…でもふるちんはあまみさんにキッスしたかったんですね(笑)。そこは死守なんですね。眉毛消えてからの夢虎さんは声も変わるし顔も変わるし大変良い2面性で、そして相変わらず無敵の鎧の真偽はだからサイズ違うから!!ってなるのでした。ふるちんが着てたのを竜星くんが着れるわけないじゃないね問題。それを云ったらふるちんから竜星くんのスタイルが果たして生まれるのか問題もだな…奥方果たして人間だったのかな…。
丁度アンナチュラル*1観てたので、この葬儀屋さんが出るんだぁぐらいに思ってました。
スタイル良すぎてビビりました。顔ちっさい、首が長くて綺麗。りゅうせいくんの首ばっかみてました。綺麗って。

実は天魔王の息子(遺伝子どうなってんだよ、とか思っちゃいますが。。)で無界屋の夢三郎は仮の姿。婆娑羅の夢虎という本性があるんですが、これもなぁやっぱ比べちゃうんですよ。もう途中から前の髑髏城なぞってたら楽しめないって気が付いたんですが。。

無界屋襲撃のシーン、元々壊そう無くそうと嫌悪感を持ってた人が破壊しても、素直にそうか、ってなるんですよ。なんていうか、何でだよ!蘭兵衛!感がない。
蘭兵衛が過去、極楽太夫との築いてきた関係があるから受け手はより残酷に捉えるんですが。。

ただこれも本当過去作品知ってるからなので、知らなかったら、えー息子なの?なんて酷いことするの!!みたいな感想を持ったのかもしれないと思うと、知らずに観たかったと思ってしまう。。。

夢虎の最期も同様で、兵庫との関係が感じられるシーンがもう一つあったらな、と思ってしまいました。
2人で居るシーンとか仲よさそうな表情とか観たんだけど、もう一段、遊女の夢三郎と兵庫が義兄弟の契りを交わすまでになったパンチがあるエピソードがあればなぁって。
兵庫の兄貴は夢さんに惚れ込んで義兄弟の契りを交わしたんだって台詞だけじゃ、私には弱かったです。

竜星さん…。ヴィジュアル写真公開時からとても恐れておりました…。

身分や歳はおろか男と女の境さえ夢まぼろしと消えてゆく色街「無界の里のナンバーワン」の称号のみならず、

まさかの新設定「天魔王の息子」という、

盛りに盛られた設定が美味しすぎて、これだけで修羅天魔、ゴハンが何杯でもすすみます。

戯曲のあとがきに「夢三郎の役割がどんどん膨らんでかなり大きな役になってしまった」とありましたが、

中島かずき先生、この度は本当にありがとうございます。(ゆっくり深々とお辞儀をしながら)

前半は歌と踊り、後半は殺陣で、終始魅せ続けてくれた竜星さん。素晴らしかったです。

顔が小さすぎるわ脚が長すぎるわで、

これまでの蘭兵衛は、生き残ってしまった自責の念、夢や野心が行動理念だなと感じていましたが、
夢三郎こと夢虎は、親からの承認欲求に執着し続け、いつもの寝返るパターンでは無く、先天的な髑髏党員として存在している。
武士として死ぬことにこだわるという点で、蘭兵衛と夢虎は同ベクトルですが、
夢虎の場合は、天魔王の息子として、伐折羅の夢虎として、自死できたことは本当に本望で幸せなことだったのかもしれない。。。
無界屋での「大っ嫌いだったんだよ!!!」の竜星さんの演技が好きです。

 

 

清水くるみさん。沙霧のはとても良い沙霧でした…あの決め台詞で泣けるのはやっぱり沙霧なんだよ…しかもとても良い決め台詞っぷりだった!! ありがとう!! 久しぶりにあそこで泣いた!!*3
沙霧@清水くるみ
くるみちゃん、ずっとお名前だけ知ってて彼女のジュリエットを観たかったな、という気持ちが強かったので、今回沙霧で嬉しかった。声が本当に可愛くて可憐だった。
前回の月では霧丸はずっと出ずっぱりっていう印象だったから、思ったより出番が少なかったかな。。
髑髏城の七人は沙霧が髑髏城の絵図面を持ってることで物語が動くんだけど、なんか今回絵図面の存在感(?)が薄かった。極楽太夫が話を進めちゃうからね。。
「私が赤針斎だ!」っていうシーン、颯爽と言うのがなんか懐かしいというか、そうだワカもこんな風に切り札の様にキメのように言ってたな。
壮ちゃんの「俺が赤針斎だ、」は打ち明けるように噛み締めるように罪の様に、言っていたような気がして。そこから涙ながらにおじいは俺の身代わりになったんだ、という台詞に繋がるのが本当にお芝居に矛盾がなくて好きだったな。と月が終わった後に思い出しちゃいましたよ。
可愛い!!可愛いは正義!!!

沙霧〜〜おかえり〜〜〜〜〜!!!!!

霧丸もね、可愛い、可愛いんだよ。たしかに、それは、まちがいない。

しかし沙霧はやはり髑髏城の七人において重要な存在なんだということを改めて感じさせてくれました。

 


劇団員!!!!!!(絶句)
妙声と水神坊が出てきた瞬間死んだ。
三五が愛しすぎて泣いた。
清十郎がオイシイ役すぎて身悶えた。
こう並ばれるとオールスターって感じするよね…すき…なんか…なんか…とても劇団員が活きる脚本だった…ような気がする…髑髏城の原点はワカじゃねえよって言われた気がした…

ちゃんと掃除したり荷物持ったり、髑髏党の一員としてしっかり過ごして、でもやっぱり違う!って自分から裏切る三五、嘘つき三五の通り名を捨てて、雷より早い口上も封印して変えた人物像、スクラップアンドビルドの範疇超えてない?三五アルティメットって感じじゃない?愛おしくて泣いちゃうんですけど?!?!三五が説教するって何?!?!最高!!!
河野さん、きっとライビュではほとんど抜かれないの知ってるから、5月もう一回ちゃんと観る…すき…
ちなみに髑髏城脱出のとき、三五も清十郎さんも、ちゃんと沙霧と太夫を後ろに庇うの最高にすきです。

 

 

⚫︎川原正嗣さん/清十郎

立ち廻りが美しい…。殺陣がめちゃくちゃキレイ…。

川原さん、格好良いです。

捨之介、蘭兵衛、極楽太夫と、主要人物の登場人数が少なくなり、

えっ髑髏城の七人って、七人まで人足りなくない?!とお困りのあなた!

います!!ここに!!!最高最強の!ニューカマー清十郎が!!!!!

髑髏城から鉄騎兵たちと戦いながら脱出するとき、ずっと沙霧を守っているところ。

「助けると決めたから」と言ったお蘭の言葉を、

お蘭の不在時、自分がその代わりとして沙霧を守りながら助けているのかも、

と思いながら見ると萌えます。。。

あと極楽太夫と兵庫というハッピートゥルーエンドカップルに、

新たな刺客として斬り込んできた清十郎さん。

終盤、三角関係を漂わせつつ終わっていくところに、ますます萌えます。

兵庫と清十郎さん、どちら派ですか???!!!(笑)


清十郎がズルすぎるだろう

本チラシから話題の川原さん、まさか、まさか、七人に入れてもらえるなんて、(わたしたちの)夢みたいな展開…!!!しかも超オイシイ役回り…最高かよ…

あんなに強く美しい太夫を「お守りします」って言えるのほんと川原さんくらいだから…強くて渋くて寡黙で…えっ…すき…(語彙力がない)

そっと無界を守る用心棒で、たまに太夫の酒の相手をして、涙と弱音と本音を知る唯一の存在であってほしい…すき…結婚してほしい…太夫と幸せになれるかな…忍びって山の民に含まれるんですかね?含まれるならアリじゃないですかね?キャラクタが根付く未来を感じさせる極髑髏〜〜ずるい〜〜
今回かなり下手側から観たし、座席ガチャまあまあハズレだったので未確認なんですけど、広角無界で浅葱の短刀を白羽取りするの、清十郎さん?遠かったし歩いてるとこ見れなくて判別できてないんですけど…もしそうだったら登場シーンからずるい…
これまでに存在しなかったキャラクター。お上に仕えていたのに、最後は草の根側に加わるって…これまで存在しなかったファクター。太夫(捨之介)の過去もヒミツも知っているひとがこれからも側にいてくれる心強さ…捨ててもたまに思い出してしまう過去は、きっと清十郎が一緒に背負ってくれるよ…嗚呼、劇団員がとにかくオイシイ極髑髏!すき!爽やか!夢ちゃん案件以外は爽やかに感想書ける!わーい!円盤早く〜〜!

 


三宅さんのカンテツ
アオドクロ!!!鳩のくだりとか懐かしすぎて、


狸穴さんの山本亨さん、ずいぶん役回りというかポジションが変わった今回の狸穴さんだったけど、ちょっと小物感が残るのがまた良い味になっていました。まさかあんなシーンが観られるとは思っていなかった……びっくりした……。


梶原善さんが兄さだったんだけど、善さん観ると自動的に「狸穴さん!!」ってなってしまう鳥脳なので…そんな姿に身をやつして…って混乱していた。狸穴さんがいるのに狸穴さんもいるぞ??ってなってしまった(笑)。
・あにさネタでもうひとつ。米届けるっての最高な?!農民であることの自負最高な!!!


ここに新たな無界の里を作ろうエンドだと、わたしの中の髑髏党員が再結集してそしてワカへ続く…みたいになってしまうので、爽やかで希望に向かう終わりなはずなのに、間違いなく数年後に蘭丸が天魔王(?)と里焼きに来てしまう予感しか感じられずにぞっとしてしまった……いやそこは混ざらないから…もう髑髏党いないから…。何だろう、「無界の里」は焼かれてなくなるもの、という固定観念から離れられないんだな。だから再建しちゃったらまた焼かれる…!!ってなってしまう…もう病気ですね仕方ない。


6:話すと長くなるけどその、殿が理想の殿でなくなる、理想の殿じゃない部分を引き出すのが蘭丸で、お蘭といる殿は人間臭い部分を露呈させるので、小姓の頃から人の男さんは蘭丸のこと嫌いっていうか憎んでいたんじゃないかな、なので天魔王になってからも蘭丸のことは本当に駒としか思ってなかったんじゃないかな、っていう妄想

 

 

今回、捨之介と蘭兵衛をすっぱりと無くした話だったんですが、どうしてそうしたんだろう??
最期に極楽太夫に捨之介の台詞を言わせたりと、やりたいことって極楽太夫のキャラの一新とか深堀とかではなく女版捨之介だったような気がして。だったら初めからそれで良くない??って思っちゃうんですよ。
花鳥風月の後、Season極、初めて捨之介が女です。ではダメだったのかな?って。
夢三郎にしても彼を極楽太夫にして性転換バージョンで観たかった。(その場合、蘭兵衛が男だと話の都合が面倒くさそうなので女バージョンにしよう。)
兵庫が男の極楽太夫に惚れてるという話でも面白かったんじゃないかな、と思うんです。難しいのかな??やっぱり??戦国時代だし(っていうか蘭兵衛ってキャラが居るんだから、)兵庫が男の極楽太夫に惚れてるバージョンも面白くない?とか軽率に思っちゃうんですよ。
性転換ていうと月で沙霧が霧丸という男になった時、捨之介を精神的にも物理的にも支えてあげることが出来る存在というキャラクターが出来て、新鮮であり違った解釈が面白かったし、(推しだからそう思っちゃうのかもしれないけど。。)
捨之介が女になることで、極楽太夫が男になることで、また違う色や感触、展開が観たかったな、と私は思っちゃいました。


物足りなさを書き連ねてしまったのですが、最後が凄く好きでした。
最後のシーンを観て、修羅天魔観にきて良かったなと思いました。
みんなで無界屋を再建しようというラスト。
個人的にあの焼き払われた無界屋がラストで失われたまんまなのが悲しかったので、みんなで建て直してそこで生きようという希望が凄く嬉しかったです。
ただこれはくまで修羅天魔の極楽太夫と沙霧のお話。


7年後にまた捨之介に会いたいな、と思います。
戯曲本もまだ読んでないので、読んだらまたなにか変わるのかな。ライビュまでに読まねばならぬ。そしてライビュまでにアオをもう一周せねばならぬ。

見えないからこそ縮められる距離──ロロ『いつだって窓際でぼくたち』

ロロ『いつだって窓際でぼくたち』の感想。初日である3/23に張り切って早稲田まで観に行ってきた。3/31まで公演予定なので一人でも多くに観てもらいたい。

『いつだって窓際でぼくたち』は「いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校」、通称“いつ高”シリーズの第5弾。昨年上演された第4弾『いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した』で初めて“いつ高”に触れて、第5弾をずっと楽しみにしていた。ちなみに、これまでの舞台の戯曲はいつ高WEBですべてまるっと公開中。西村ツチカさんによる挿絵もついていてべらぼうに可愛い。ただ、私はまだvol.1~3の戯曲を読んでいない。再演を期待していて、戯曲より先に生の舞台でいつ高の世界に浸りたいなぁと思っているから。実際、いつ高シリーズまとめ上演なるものが昨年行われていて、予定が入っていて観に行けなかったことを今でも悔やんでいる。ああ、まとめ上演がいつかまたありますように。いつ高WEBはこちら。

lolowebsite.sub.jp


劇場は早稲田小劇場どらま館。開演30分前より整理番号順に呼ばれて、フライヤーが置かれている席に自由に座っていく形式。開場に合わせて来ている人は少なめだったので、整理番号が遅めの私でも最前列に着席できた。こじんまりとした劇場なので男性は少々窮屈かも。でも、こうしてみんなで密集して腰掛けるのは学生時代を思い出すし、それがまたいつ高の雰囲気に合っていて心がくすぐられる。

いつ高シリーズは、全国高等学校演劇コンクールの出場ルールを遵守した上での上演となっている。つまり、舞台美術の仕込みは10分以内、上演時間は60分以内などの制限あり。そういうルールが説明された後、舞台上にキャストが現れて声を掛け合いつつ公演準備を自ら行なっていく。その時点で彼らはまだ、いつ高シリーズ登場人物の将門やシューマイじゃない。それでもこの準備の様子が愉快で、「1分経過しました」というスタッフさんのアナウンスに対して、「1分いただきましたー!」と高らかに返す板橋駿谷さんがまず笑いを掻っ攫っていった。いつ高シリーズの愛されキャラ・シューマイを演じる新名基浩さんは両手で運んだ机を壁際に置いた際に小さく「壁ドン」と呟いていて、私はここで噴き出してしまった。ささやかに面白いことを言っているのがシューマイっぽい。いや、「壁ドン」と口にしたのは実在の新名さんなのだけれど。

 

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『いつだって窓際でぼくたち』のストーリーと登場人物紹介はこちら。

放課後。2年6組の教室では、男子たちが窓のむこうで打ち上がる花火を待っている。この教室からだと、花火は先っちょの火の粉くらいしかみ えないらしい。

彼らはそれがみたかった。中途半端な花火がみたかった。綺麗な花火なんてみたくないし、ロマンチックはお呼びでない。男子たちは余り物の火花をみつめて、そこから花火の全体を想像するために、放課後の教室に残ってる。

陽はいつまでも暮れなずんでる。

 

vol.5「いつだって窓際でぼくたち」

 

 将門 −まさかど−
(亀島一徳/ロロ)
 2年6組。誰とでも分けへだてなく話すので結構人気者。
 人目もはばからない男。朝の幼馴染。


シューマイ
(新名基浩)
 2年6組。自分を低く見積もりがち。
 将門ともっと仲良くなりたいとおもってるけどおもってるだけ。


群青 −ぐんじょう−
(板橋駿谷/ロロ)
 2年6組。授業中いつも寝たフリをしている。
1000の噂を持つ男という噂がある。


モツ −もつ−
(重岡漠/青年団
 2年4組。シューマイの親友。最近、シューマイと仲のいい将門への嫉妬がはんぱない。

 

これまでの登場人物

 

キャストは4名で全員男性。女性キャスト3名だけだった前作『いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した』のいつ高しか知らないので、男子高校生たちの掛け合いは新鮮。女子校育ちなのでただの想像に過ぎないけれど、この距離感は男子独特だろうなぁと。女三人寄れば姦しいと表現されるだけあって、vol.4では仲良し女子高生3人の話題はあちらこちらへ飛び、その自由さが私には懐かしくてたまらなかった。一変して、Vol.5の今作に登場する男子高校生4人はこれまでほぼ会話したことのない組み合わせ。あ、シューマイとモツの二人は大の仲良しで微笑ましい。

学校内にはさまざまなグループがある。そんな違う世界同士が絡み合う瞬間の気まずさと高揚感が見事に描かれていて、ラストのシューマイとモツの練習には愛おしさがはち切れそう。おはようと繰り返す彼らの練習が生かされた「明日」が見たいよ。違うグループ同士の邂逅とはいえ、「カースト」という言葉はまったく頭に浮かばなかった。「カースト」じゃなく「ジャンル」や「グループ」といった横並び的な関係をイメージできたのは、亀島一徳さん演じる将門のキャラクターによるところが大きい。もう、将門がいいヤツなんだ!将門は誰とでも分け隔てなく話すことができるフラットなキャラクターで、それでいて無遠慮に踏み込むようなことはしない。シューマイとの思い出を語るモツに対して、いいね!面白そう!と興味を示す将門。モツは思わず、「僕と新名くんにとって面白いことなんだ」と言い返す。面白いと思う事柄の共有によって二人の距離が縮まるはずが、モツの独占欲によりかえって遠のいたこの一瞬。でも将門はモツの気持ちを酌んで「そうだな」とだけ笑顔で返す。このやり取りが最高にハートに突き刺さって、将門いいヤツだな~~~!と身体中の空気が感嘆のため息となって零れ落ちそうなほどだった。こうしてスペックだけ書き連ねると、如才ない社交性ゆえにファンタジーになりかねない将門だけど、亀島さんのものすごく男子っぽい笑い声や感情を持て余した視線がリアルで、ただただ、存在の尊さが増した。ちなみに、将門のシャツの着崩し方が、あああああと胸を掻き毟りたくなるぐらいに好き。ああいう男子高校生っているよね。

いつ高シリーズを貫くテーマは「まなざし」だと明言されている。今作『いつだって窓際でぼくたち』では”見えないもの”もフォーカスされていて、似ても似つかないグラビアの肌の一部から吉岡里帆の姿を形作ったり、ほんの少ししか見えない花火の先端からそれを眺めている人たちにまで思いを馳せたりする。また、”見えない”シチュエーションが何度も手を変え品を変え作為的に設定される。アイマスクで目隠しをしたり、教室の明かりを消したり。そうして、見えないからこそ躊躇いなく縮められる距離もあるんだと、やさしく教えてもらえる。見えないことを嘆くわけではなく、その事実を受け入れた上で別のものを求める男子高校生たちの姿勢にじんわり胸が温かくなった。この辺りのくだりがくだらないからこそ面白おかしい。取り留めのない話で盛り上がっているこの一瞬を、本人たちが煌きとして「まなざし」を向けるのは大人になってからだろうな。
観客の大多数を占める20代以降が一種のノスタルジー的感覚(「エモい」)でいつ高シリーズに触れているだろう一方で、中高生の観客にとっては応援として大人から捧げられたものになり得そうなのも今作の魅力。一番仲良しだったはずの友達が別の子と親しくなってもやもやしたり、普段話したことのない同級生との会話に戸惑ったり、友達と同じ子を好きになったり、学校生活は悩みで溢れている。そうした真剣な悩みを、すでに通り過ごした大人が「青春」の一言で片付けるのは乱暴でさえある。大人にそのつもりがなくても、だ。いつ高シリーズはその辺りの匙加減がほどよくて、現在進行形で学生である少年少女たちにそっと寄り添っている。あなたがいま抱えている悩みはちっぽけでくだらないものだよ、取るに足りないことだと思えるようになるよと励まされるよりも、同じ悩みを抱えた登場人物たちが目の前で笑ったり戸惑ったりする姿を観る方が救われることもある。教室が世界の全てだった”あの頃” を丁寧に掬い上げて、ほんの少しの希望をスパイスとして加えてくれた世界。

そういえば、ロロの特徴でもある、古今東西ポップカルチャーのサンプリング。いつ高シリーズではそれが特に顕著だという印象があって、まるでビンゴみたい。いつ高舞台に登場する固有名詞がどれだけ観客の記憶の琴線に触れるか。今作で言えば、小沢健二水曜日のダウンタウン、ゴッドタン、涙サプライズ、辺りかな。不勉強で小沢健二を履修していないので、一番重要なところでハートを宙に投げられたような心地は正直ある。ただ、こればっかりは運ですよね。その代わりに涙サプライズで私は心底沸けたし。モツ最高!

本当にあっという間の60分。準備の時間を含めてもおよそ70分。いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校を外側から眺めて、愛おしい気持ちで心の中を満タンにして帰れること間違いなし。

 

 

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2月まとめ

2月。もはや3月末だけど、あとで読み返す自分だけが愉快だろうから2月のまとめを書いておく。2月前半はBLEACH映画やおお振り舞台の影響で「実写」と「原作」の乖離や理想について考えることが多かった。アレコレ思案しがちなオタク。後半は急遽10日ほど京都に滞在することになったので、ついでに足を伸ばして大阪や兵庫へ。京都は相変わらずの寒さで、これだから京都は!!!と多分100回ぐらい口にした。もはや呪詛。どうせ京都に行くなら、あと2週間ほどずらして東山の花灯路のシーズンに行きたかったなぁ。花灯路はどれだけ混雑していても観に行きたさの方がなぜか勝るイベント。京都三大祭りとかは人出が凄まじすぎるので頑張れない。
2月にチケット入手のために張り切ったのは、宝塚月組東京公演の一般発売。宝塚大劇場で惚れこんで東京のチケットも購入。BADDY最高!もう少しでついに東京へ!


1週目、2/1~3
3日中2日間ボルダリングに勤しんだ結果、筋肉痛がひどくてひどくて、箸を持ち上げるのも億劫な事態に。腕がぷるぷる震えた。最近は都内のその他ジムも開拓しようか悩み中。


2週目、2/4~10
2/4、『BLEACH』実写映画の朽木ルキア嬢のキャスト発表。オタクな私が二次元で最も好きな女性キャラクターは朽木ルキア嬢で、実写化が発表された頃からかなりの覚悟はしていた。実写と原作は別物。オーケー、オーケー。共存しよう。……でも!でも!髪型ぐらいは原作に添ってくれると思い込んでたよ……!主人公・一護のオレンジ色の髪にはものすっごくこだわってなかったっけ???どうして朽木ルキア嬢の髪型はそもそも違うの??? I am 心の狭いオタク……。覚悟なんてできてなかった。
2次元の実写化への批判として「ただのコスプレ」というフレーズをよく見かけるけれど、私はそれを悪いポイントとはまったくとらえていない。むしろ歓迎している。まずは外見から近づけていこうという意図が嬉しい。二次元のキャラクターってシルエットだけでも伝わるほどに特徴がつけられていることがままあるので、外見って大事だと思うんですよ~~~。ああ、杉咲花ちゃんの髪をいじるのは事務所NGだったのかな~~~。……と勝手に推測していたら、その後発表された花より男子続編ドラマで花ちゃんが思いきり髪をカットしてるっていうね!ソフトバンクCMでも惜しみなく披露してるっていうね!

2/6、『おおきく振りかぶって』舞台。青春が今ここに!オープニングとエンディングのダンスで涙腺が一番刺激された。ドラマチックチック 止められそうにない 止めたいと思わない~。

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2/10、銀座三越などでバレンタインチョコを大量購入。バレンタインといえば、義理チョコを止めませんかというGODIVA広告の影響で、それぞれの中でのGODIVAブランドへのイメージがネット上で浮き彫りになっていて興味深かった。圧倒的有名ブランドだからこそばらまく義理チョコ用でGODIVAに信頼を寄せていた派としてはなかなか肩身が狭い。そんなこと言わないでよGODIVA!という心境。あ、ピエール・マルコリーニのバレンタイン仕様は今年もキュートだった。

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3週目、2/11~17
2/11、takarushの謎解きイベント「古書店まんせい堂奇譚」に挑戦。秋葉原で健全に体を動かしてる~~~!という点がまず新鮮だった。ゲームや同人誌を買ったりAKBカフェを覗いたりするだけの街じゃないですもんね、秋葉原は。まあ、そういう過ごし方しかしてこなかった私は、マーチエキュート神田万世橋の存在もこのイベントで初めて知った。何てオシャレな建物!でも結局、ラストの謎を考えるためにオタクに優しいお店・パセラに引きこもることに。パセラのホーム感たるや。2月の寒空の下で謎を解くのは少し厳しくて、パセラやその他のカフェでも謎解きに取り組んでいる仲間が大勢いた。

blacklabel.takarush.jp


2/12、先行配信されたlemonを即ダウンロード。アンナチュラルのラストに神がかったタイミングで流れるこのlemonがすきですきで、lemonの存在によって私の中でのアンナチュラルへの好感度が桁違いに上がっているとさえ思う。


2/13、『ドルメンX』の実写化発表に驚愕。このマンガで佐藤流司さんを覚えた。

natalie.mu

2/16、フィギュアスケート男子ショートプログラム。TVモニターの前を偶然通りかかったら、ちょうど羽生選手滑走のタイミング。せっかくなので人だかりの中で見た。滑りを見届けた人たちが、滑走後に集まってきた後方の人へ、首位ですよ、ノーミスですよ、と教えてあげる様子にほんわかした。やさしい伝言ゲーム。隣にいた見ず知らずのマダムがネイサン・チェン選手推しらしくて、マダムの解説(&悲鳴)とともに彼の滑走も見届けてからその場を離脱。ネイサン・チェン選手の実力はこんなものじゃないというマダムの力説が気になって、翌日のフリーで彼をチェックしてから外出した。いやぁ、すごかった。呼吸を忘れるほどに惹きこまれた。マダムの言っていたとおり。


2/17、『密やかな結晶』観劇。ビジュアルは心底好きなんだけど、という面倒な感情を書き綴った感想はこちら。

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4週目、2/18~24
2/18、予告編を観た日からずっと楽しみにしていた『グレイテスト・ショーマン』を張り切って観に行った。結果、楽曲は最高オブ最高だけど、このストーリーは何だ……?と脳内をクエスチョンマークで埋め尽くすことに。楽曲と映像は本当にすきだから余計にいたたまれない。どうしてこうなった。

 

2/20、『熱海殺人事件 CROSS OVER 45』を観た。NON STYLE石田さんの誕生日!おめでたい!味方さん演じる木村伝兵衛警部の神々しさにくらくらした。

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2/21。そうだ、京都へ行こう。この日から10日間ほど京都に滞在。ずっと同じホテルをねぐらにしていたので、新幹線に飛び乗る直前まで荷物を片付ずにすんで居心地最高だった。面倒くさがりの極致。


2/22、『メタルマクベス』発表。髑髏城で終わりじゃなかったんだ!?一報を目にして京都のホテルで叫んだ朝。『メタルマクベス』はとにもかくにも歌が好き。座席によってはまったく歌詞が聞き取れなかったあの髑髏城でメタマクとは……と思いつつも行く気満々。周囲ではdisc3への反響が特に大きくて、またチケット戦争なのかと戦々恐々。

natalie.mu


2/23、久しぶりに宝塚大劇場で宝塚を観た。突然の京都行きによって『ポーの一族』が観れなくなって血の涙を流したので、それなら宝塚で観てやろう!と思い立って月組チケット購入。東京より圧倒的にチケットを買いやすくて最高。

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せっかくの機会だからと、宝塚歌劇の殿堂も楽しんできた。息を呑むほどに美しい~~~!と思えるジェンヌさんばかりで、ここでまた新たな沼が生まれるのでは……。

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この日は昼に宝塚でハートを掴まれたかと思えば、夜はMステでハートを奪われた。おとなの掟!並び立つ松たか子嬢と椎名林檎嬢!字面だけで最高では???唇を開く一瞬前に凛と視線を上げる椎名林檎嬢は魅せ方を熟知していて素晴らしすぎる。


2/24、『マリーゴールド』発表。TRUMPシリーズ10周年のアニバーサリー企画と言われましても!血塗られた歴史すぎてアニバーサリー感とはかけ離れてないかな!ああ、ミュージカルが好きなのもあってもう今から楽しみで楽しみで待ちきれない。しかも、アニバーサリー企画第一弾ってことは次も控えてるということで。頑張ってチケット獲ろう!

natalie.mu

夕方にはノンバーバルのパフォーマンス『ギア-GEAR-』を観た。京都をふらふら歩いていたおかげの幸運。

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5週目、2/25~28

ユニバ!コナンとFF目当てという潔いほどにクールジャパン2018推しで行った。一人でも多くの人にコナンのリアル脱出ゲームに挑戦してもらって、蘭ねえちゃんの可愛さを分かってほしい。フォールインラブしてもらいたい。蘭ねえちゃんが何人のキャストで担当されているか不明だけど、私が目にした毛利蘭は心底キュートだった。最近のgoogle検索履歴は「USJ キャスト」で埋まってる。どれだけ調べてもあのキャストさんのお名前が分からなくて挫けそう。

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2/28だったかな。スケジュールの合間にぽっかり時間が空いたので、インスタ映えで人気らしいカフェに一人で行ってきた。 カラフルなクリームソーダが有名だそうで。ただ、こうして写真に収めてから気がついたけれど、カラフルなクリームソーダが有名ならせめて2人以上で行って違う色をオーダーすべきだったなぁ。一人で行ったがゆえに、なぜか目の前に鏡が置かれた一人用テーブルに案内されたのも困惑した。河原町のシンセツというお店。

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以上で、あちこちに行っていた2月おわり。現在進行中の3月では、豪雨の中の箱根旅行や連日の試験勉強漬けで落ち込んだりもしたけれど、わたしは元気です。

 

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